友野一希連載 最終回/仲間との年越し、そしてミラノへ向け……

世界を舞台に活躍するトップフィギュアスケーターにして、大のサウナ好き。そんな友野一希選手にさまざまなお話をうかがう当連載。

2回連続となる後編の今回は、2024年11月にはグランプリ(GP)シリーズ第5戦でサウナの母国・フィンランドで日本のよさを再確認した友野さんがハマっている最近の“サ活(サウナ活動)”のブーム。そして毎年恒例となった年越しサウナの話をお送りします。

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目次

いつもの年越し、それがまた幸せ

――前回からの続きですが、2024年末の年越しサウナはいかがでしたか?

「いつものメンバーと、いつもの『神戸サウナ(&スパ)』(兵庫県神戸市)で、いつものように過ごしました(笑)」

――毎年スケーター仲間と一緒に「神戸サウナ」で集まって。カウントダウンなんかしたりして。

「昨年末は特に約束をしたわけじゃなかったんですけど、自然と集まっていましたね。みんな大人になったし、家の用事とかいろいろあるやろうな~って声もかけていなかったのに1年前と同じメンバーが揃っていて。『あ、来たんや?(友野さん)』、『何言ってるんですか、当たり前じゃないですか~!(後輩くん)』みたいなやりとりが(笑)」

――(笑)、なんかいいですね~、その感じ。

「『お前も来たんかーい』って言い合いながら、ワイワイ楽しく年越ししました。今回はちゃんとカプセルホテルにも泊まって。めちゃくちゃ楽だな、やっぱり人間、ちゃんと寝たほうがいいなと思いつつ、朝みんなで生田神社にお参りに行きました。

変わらないメンバーでホームのサウナへ行って、同じようなやりとりをしながら過ごす。こういうの、いいな。そんな些細な出来事の積み重ねを幸せって言うんやろうな~って思いましたね」

キラキラおみくじに一同、初笑い

――おみくじは引きましたか?

「僕は引かなかったんですけど、今年のおみくじって確定演出があったんですよ! くじを引くと、大吉だけキラキラ、ラメみたいに光っていて」

――確定演出……!?

「最初はそれが何なのかわからないから『大吉とちがう?』って言っていたら案の定、大吉で(笑)。それ、山本草太くんやったんですけど、『やっぱりか~い!』って、みんなで爆笑しました。それが今年の初笑いでした」

――調べてみたら、この年末年始におみくじのデザインを一新。大吉には特別に箔押しをしているそうです。

「人気が出そうですね~。草太くんも『なんか出たんやけどー!』って、おみくじのキラキラに負けない笑顔で喜んでいましたし(笑)、大吉が出るまで引く人がいそう」

――年末年始の「神戸サウナ」は混んでいる印象がありますが、今回は?

「それほどでもなかったです。サウナブームがひと段落したのか、例年のように(休憩エリアで)寝る場所も確保できない……なんてこともなかったですし、カプセルホテルも空きがありました。サウナも並んだりせず、ゆっくりと入れてよかったです。

フィンランドのことを思い出しながらフィンランドサウナに入って。ジャバジャバとロウリュして。フィンランドへ行ってからロウリュに対する恥ずかしさがなくなってきましたね。自信をもっていけるようになったのは成長です(笑)」

――自信、大事ですよね。そういう人が水をかけていたら「この施設はこれくらいの頻度がちょうどいいんだな」って、ちょっと安心します。

「そう、自信です! “どうだ、これがフィンランドだ!”って、それは冗談ですけど(笑)、マナーの範囲内であれば、自分のペース、タイミングでやればいいんだと思えるようになりました。ホームの『神戸サウナ』だったから、かもしれませんけど」

やっぱりすごい! 日本のサウナ

SAUNA BROS.vol.6取材より

――前回は2024年11月に行われたGPシリーズ第5戦、派遣先のフィンランドで行ったサウナの素晴らしさを話してくれましたが、逆に本場のサウナを味わったからこそ見えた日本のよさもあった?

「そうですね。『神戸サウナ』の、フィンランドサウナの作り込みのすごさもわかりました。日本ってアップデートするのが得意じゃないですか? そこは強みですし、自慢していい部分ですし、『神戸サウナ』も改良を重ねてどんどんよくなっている。決して現状に満足せず、常に高みを目指す姿勢は僕も見習いたいところです」

――アウトドアサウナの雄『The Sauna』(長野県上水内郡信濃町)しかり。第26回で紹介していただいた支配人がフィンランドをリスペクトする『8 Seas Sauna HIRA』(滋賀県大津市)も素晴らしい施設でした。

「それぞれの施設のこだわりとリスペクトに改めて驚かされましたし、気づかされましたし、“ひょっとすると本場よりすごいんじゃない?”って部分もたくさんあるなと。あとは気温とか、水風呂の代わりに湖や海に飛び込めるか……とか、環境や規則の違いになってきますからね」

――フィンランドで行ってみたいとおっしゃっていたスモークサウナにしても、日本は消防法をクリアするのが難しく、なかなか実現できないそうです。

「それでも日本には、フィンランドにはない、いろんな種類のサウナがあります。創意工夫してアップデートする姿勢も素晴らしいです。何より、近所で、あのお値段でお風呂とサウナに入れるという銭湯の文化もある。

日本って、本当にすごいんですよ! まだまだ知らないことだらけですし、行けていない施設も多いですけど、もっといろんなサウナ、銭湯を体験したい気持ちになりましたね」

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