<連載> 友野一希「スケートときどきサウナ」ー第2回ー「魔法のアイテム」と「最高の場所」

今年1月の四大陸選手権では銀メダルを獲得し、3月の世界選手権でも6位に。トップフィギュアスケーターとして世界を舞台に活躍する友野一希選手。リンクに登場するや、表現力豊かな演技で観客を引きこみ、ついた異名は“浪速のエンターテイナー”。

友野選手、実は知る人ぞ知る“サウナ好き”でもあります。パフォーマンスと同様にぐいぐいと引き込まれてしまう友野選手のサウナにまつわるトークを、毎月1回、皆さんにお届けします!

(前回記事<#1>を未読の方は、ぜひあわせてお読みください)

目次

2022-23シーズンが開幕! ドイツでサウナに馳せた(!?)思い

――ドイツから帰国されたばかりですよね。お帰りなさい!(※この取材は9月末日に行いました)

「いよいよ今シーズンも始まったな、という感じです。今回のドイツでの試合(ネーベルホルン杯)は決して自分では納得の行く結果ではなかったんですが、ここからまた毎日練習を重ねて、演技や精度を高めていきたいなって思っています」

――ドイツはいかがでしたか?

「オーベルストドルフという街へ行ったんですが、素晴らしいところでした。高い山に囲まれた小さな静かな街で、自然も豊かで空気もとても澄んでいて。街から見える山の頂上には白い雪が夏でも残っていて、青空とのコントラストもとても綺麗でした。試合が終わったあと、少し街を歩いたんですが、また行ってみたいなと思うと同時に……きっと素敵なサウナもあるんだろうな、なんて思いました(笑)」

――ありそうでしたか?(笑)

「はい(笑)。冬は本当に寒そうでしたし、きっと生活に密接したサウナがあるだろうなって。今回は行くつもりもあまりなかったんですが、ちょっと調べたらスゴく良さそうなサウナもあったっぽいです」

――行かれないのに調べたんですね、一応(笑)。国や地域、施設ごとに異なるとは思いますが、ヨーロッパって、とくにドイツなどはいわゆる“混浴”というか、男女が一緒に入るような施設もあるらしいですね。

「そうみたいですね。もしそうだったらドキドキするというか……めっちゃ恥ずかしいですよね。混浴だったら行かないかも(笑)。でも、フィンランドだったら、絶対に行ってみたいです」

――あ、フィンランドは男女別のようですし、混浴の施設は水着などを着るようですね。

「そうみたいですよね」

――今年はグランプリシリーズのロシア杯がフィンランドで代替開催になった(第6戦)ので、ちょっと出場を期待されたのでは(笑)?(※友野選手は第3戦と第5戦に出場)

「正直、ありました(笑)。まぁ、でもいつか遠征じゃなくても行きたいなって思っているので、出場する試合に向けて頑張ります。今季もグランプリシリーズはもちろん表彰台を狙いますし、自分的には演技も結果も突き抜けたものにしたいと思ってますので」

――はい。私たちも心から応援しています!

気になるファッションアイテムが、サウナにある!?

――さて、今月は、サウナや銭湯へ行かれるときのファッションや持ち物などをうかがえたらと思うのですが。

「そのときに気に入ってるTシャツとかカジュアルな恰好が多いですね。僕は洋服とかファッションがすごく好きなんですけど、何を着るかなどはそのときの気分や目的に合わせてチョイスするんです。サウナへ行くときはすごくリラックスしたいので、楽というかラフな感じだったり、自分が楽しくなるアイテムがしっくりくるんですよ」

――すごく分かります。Tシャツならすぐに脱げて、すぐに着られますしね(笑)。

「はい、それも重要です。すごく快適だし、気持ちいいじゃないですか(笑)。快適といえば、僕、サウナ施設の館内着がすごく好きなんですよ。サウナへ行く楽しみの一つと言えるんじゃないかって思うくらい。やっぱりすごく楽だし、とくにズボンというかパンツの……あの締め付けのない着心地がめちゃめちゃ好きです」

――あ、分かります。過ごしやすさ、着心地に特化していて最高ですよね。

「はい。締め付けがまったくなくて肌触りも最高で、“なんにも着てないんじゃないか”って思っちゃうほどの開放感がたまらないんですよね(笑)。本当にリラックスできる究極の服装じゃないかって。部屋着として普通に欲しいし、なんなら散歩着みたいに近所に行くくらいなら着て歩けるっていうくらい(笑)。とくに、『神戸サウナ』(神戸サウナ&スパ)の館内着が、すごく好きで」

「神戸サウナ&スパ」にてパチリ。ととのっています(笑)

――あ~っ。はいはいはい!

「もう皆さん、グリーンと青の、あの2色のパターンがあるギンガムチェックの半袖シャツに身を包んでいらっしゃるんだけど、本当に誰が着ても……どんなにいかつい男性が着てもカワイイじゃないですか(笑)。実は、あれを販売していただけないかな、って思ってるんです。普通に欲しくなっちゃうんですよね」

――はい。お洒落ですし、すごく……なんていうかピースフルですよね。ちなみに友野さんは緑派? 青派?

「僕、はじめは青を選んでいたんですけど、最近はグリーン派かな。あの優しいグリーンがなんか心地いいんですよね。それで、最近は上をグリーンで下が青、みたいにして着たりするのが好きです」

――あ~、いいですね。次に行ったときは、それやってみようかな。

「そういう楽しみ方もできるし、本当にすごく安らぐ、まさに魔法の館内着だなって。サウナで気持ち良くなって、いろいろリセットしたあとにあの恰好でご飯を食べたりくつろいだり。至福です。実はあの館内着が好きすぎて、同じようなカラーの服をつい探しちゃったりもしています(笑)」

サウナ後のオロポが最高すぎて……頭を抱えています(笑)

「やるやん、サウナハット!」

――そこまで! でも、あれを売ってほしいという気持ちはめちゃくちゃ共感しますね。着るだけでChill(チル)になりますよね。では、持ち物とかはどうですか?

「持ち物は、基本的にはタオルくらいだったんですけど、最近になって、場所によってはサウナハットを持って行ったりしますね」

――場所によっては?

「もともと僕は“頭にタオルを巻く派”だったんです、これまではずっと。もちろんサウナハットの存在は知っていたし、いろいろいい効果もあるらしいというのは聞いていたんですけど、単純にサウナ室を出たときにどこかに置いたり、またかぶったりするのが面倒くさいな、みたいな。あと、ちょっと“意識高い系”みたいな感じに見えるんじゃないかって思っていて(笑)」

――あはは。そうなんですね。

「ずっと手にしてるタオルをかぶったり、巻けば同じことじゃん、って思っていたんです。でも、あるとき、ファンの方というか応援してくださる方から送っていただいたんですね。それで、せっかく送っていただいたので、一度かぶってみたんです。そうしたら……すぐに反省しました(笑)」

――食わず嫌いというか、かぶらず嫌いだった。

「はい(笑)。サウナ室が熱いのは当たり前だし、それを我慢してこそのサウナの気持ち良さやろ、って思っていたんです(笑)。でも、一度使ってみてすぐに“やるやん、サウナハット”って。思っていたより何倍も効果があって、サウナ室が、熱さが、より楽しめることに気づいたんです。なのでハットを掛けたり置くことができる場所がある施設に行くときは持って行ったりします。でも、それが無理なところだったり銭湯とかではタオルを使う感じですね」

――なるほど。あとは熱さをすごく楽しみたい施設などには持っていく、って感じでしょうか?

「そうです。行く施設によってさまざまな特徴もあるし、サウナの楽しみ方っていろいろあると思うんですね。最近では、その施設の特徴に合わせるというか、全身で全力で受け止める感じで(笑)、いろんなところに行くのを楽しんでいます」

今月の“推しサウナ”(!?)と、いま行きたいサウナ

――大阪や関西は、たしかに個性的な施設は多いですよね。

「たとえば『延羽の湯』(「天然温泉 延羽の湯」)っていうスーパー銭湯が鶴橋と羽曳野にあるんですけど、その羽曳野店が、もの凄く印象に残ってますね。以前から広くて大きな施設で、ロウリュや熱波(※)にも力を入れていて大好きだったんですが、リニューアルをして、さらにスケールアップしたんです」

(※ロウリュ=ストーブの上で熱したサウナストーンに水をかけると蒸気を発生し、発汗しやすくなる。熱波=その蒸気を含む熱い空気を身体に向けてタオルなどで仰ぐサービス)

めちゃめちゃ熱いんで……武者震い状態かも(笑)

――スケールアップ。

「そうなんです。もともと熱かったサウナ室が1年前くらいにリニューアルしてさらにアツくなったんです。『双龍』っていうシステムなんですけど、要はロウリュされるサウナストーブが2つになったんです。あと、以前に遭遇したのが『無限ロウリュ』というイベント。その日は15分おきに、そのロウリュと熱波のサービスが行われるんですね」

――15分おきに2台を使った激熱の熱波!

「だから極限まで熱くなったあとに水風呂に行って、“ふぅ~”って、ちょっと休憩してるとすぐに“次の回のロウリュを行いま~す”って声が聞こえてくるんです。“ちょっと待って”って言いたくなるくらいのパワー系なんです」

このポスターからも「エンタメ感」が伝わるのでは!?

――パワー系(笑)。

「はい。だから“ガツーン”ってやられたいときや、エンタメチックなサウナが好きな友人と一緒に行くときには、そういったある意味大阪っぽい(笑)『延羽の湯』や梅田の『大東洋』などに行きますし、一人で静かにリラックスしたいときは『神戸サウナ』のような施設に行くし。いろんな楽しみ方をしています。京都の銭湯なども独特の味わいや雰囲気があるので、それらを楽しみたいときは“よっしゃ、今日は京都に……”みたいに」

――その日の自分のペースや体調と、施設の特徴をうまく掛け合わせて楽しんでるんですね。

「はい。“こうあるべき”“これが好き”とか決めずに。そういう枠みたいなものにとらわれない楽しさを満喫させてもらってます」

――いいですね、友野さんらしく、自然体で楽しんでいる姿がなんとなく目に浮かんじゃいます。では、今月の最後の質問ですが、今行きたいサウナがもしあれば教えてください。

「あぁ~、出た! それ、答えが一番難しい質問の一つなんですよ。いろんなところに行ってみたいので(笑)。でも、あえて言うと……今から寒い冬にかけての『The Sauna』(長野)ですね。実は、以前、一度行く予定にしていたんですけど行かれなくなってしまったことがあって」

――そうなんですか。

「はい。2020年の全日本選手権が長野で開催されたときに、ずっと一緒にスケートをしてきた本田太一くんと『試合が終わったら行こう』って、約束をしていたんですよね。でも、競技後に僕が扁桃炎で行かれなくなってしまって。『ごめん、一人で行って来て(泣)』って……。まだ太一くんが現役だったときで、2人で本当に楽しみにしてたんですけど。だから、すごく悔しいというか、いつか絶対に行きたいって、それ以来ずっと思っているんですけど(笑)。できれば……太一くんと行けたらベストなんですけどね」

――うわぁ、それは行ってほしい! 冬もいいですが、春も素晴らしいですよ、「The Sauna」は。

「そうですね。それも楽しみと励みにして、シーズンを走り抜けようと思います」

【友野一希(ともの・かずき)】
1998年5月15日生まれ。大阪府出身。4歳よりスケートを始め、ジュニア時代から表現力の豊かさには高い評価が。“氷上のエンターテイナー”“浪速のエンターテイナー”等とも称される。2021-22年シーズンには、四大陸選手権で2位、世界選手権で6位。新シーズンもさらなる躍進を目指す。グランプリシリーズ第3戦:フランス大会(インターナショナルオブフランス2022)は11月4日~6日に開催。

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