今年1月の四大陸選手権では銀メダルを獲得し、世界選手権でも6位に。トップフィギュアスケーターとして世界を舞台に活躍する友野一希選手。リンクに登場するや、表現力豊かな演技で観客を引きこみ、ついた異名は“浪速のエンターテイナー”。

そんな友野選手、実は知る人ぞ知る“サウナ好き”でもあります。お話を聞けば聞くほど、そのサウナ愛の深さに、同じサウナ好きとして共感とどこか“リスペクト”すら感じてしまうほど。

◆サウナで得られる“愉しみ

――サウナを好きになったきっかけから教えていただいてもいいですか?

「2年ちょっと前くらいだったと思うんですが、いろいろと僕の耳にも『サウナ』っていう言葉が入ってきたんです。いろんな方がサウナについて発信されていたり、ドラマの『サ道』が放送されたり」

――いわゆる「サウナブーム」の少し前くらいですね。

「そうなるんですかね。僕もドラマの『サ道』はすごく好きで……何かこう、自分だけの愉しみを持つ感じというか、人生の中で少しのぜいたくを持っている豊かさみたいなところに惹かれたんだと思います」

――ドラマの世界観というか、メッセージみたいなところを感じた?

「そうですね。主人公も含めて、登場人物がそれぞれ自分だけの豊かな時間を静かに過ごしているじゃないですか。もともと、そういう雰囲気とか考え方が僕も好きなんだと思います。それで、僕自身もそういうサウナというものを体験してみよう、と思ったのがきっかけだったかもしれません」

――それで、サウナ室の扉の前に。

「はい。立っていました。そして、扉を開きました(笑)」

◆“いいな、これ!”……初めてのととのい

「それで、近所の銭湯やスーパー銭湯に行くようになって、少しずつ『いいなぁ』って思い始めたんですね。決定的だったのが、練習場所の近くにあったスーパー銭湯でした。泉州にある『りんくうの湯』(大阪・泉佐野市)です。スケーターの友人と2人で行ったんですけど、そこで初めてロウリュ(※)と熱波のサービスを受けたんです」

(※ロウリュ=ストーブの上で熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させると、その蒸気で体感温度があがり、一気に発汗が促進される)

――いわゆるアウフグース(※)ですね。

(※アウフグース=ロウリュで発生した蒸気を体に向かって仰いでくれるサービス。タオルなどを華麗に操る“アウフギーサー”もいる)

「はい。そこはうちわで仰ぐ、シンプルなスタイルだったんですけど(笑)。もともと、その『りんくうの湯』のサウナ室は温度はそれほど高くはないんですが、湿度がすごく感じられるんですよ」

――そのロウリュとかがあるからかもしれませんね。

「そうかもしれません。湿度がしっかりしていて、それと扉を開け閉めしても室内の熱が逃げにくいんです。人が出入りしても温度があまり変わらない。だから座っていて、ものすごく気持ちのいいアツさなんですよね。そして、水風呂も17~18℃くらいで、サウナ室ですっかり熱くなってから入るのに、すごく気持ちの良い温度なんです」

――いいですね。静かにゆっくり入っていられる温度かもしれません。

「そうなんです。冷たすぎないのにちゃんとクールダウンできる温度で、それがめちゃくちゃ気持ち良くて。そのあとの休憩スペースも広々としていて。何度かそれらを往復しているうちに、まさに倒れるように……ふわぁ~っという感覚になったんですよね」

――それ、ととのっちゃった、ってやつですね。

「はい。しばらくぼ~っとなってしまって。それで、その一緒に行った友人と顔を見合わせて“うん……いいな。これ!”って言い合ったという(笑)。あまみ(※)もめちゃくちゃ出ていました」

(※あまみ=血行がよくなったことで肌に現れる、赤いまだらの模様)

――なんか、名場面ですね。

「ふふふ。そうですね。それまでは1人で行っていたんですが、そのときは2人だったんで、たぶん自分だけのペースではなかったんだと思います。なんか互いの様子を見て、ちょっといつもより長めにサウナ室にいたんじゃないかなって(笑)。そういう“相乗効果”もあったと思います」