スケートときどきサウナ㉓昭和のぬくもり溢れるサウナサンを体験

世界を舞台に活躍するトップフィギュアスケーターにして、大のサウナ好き。そんな友野一希選手にさまざまなお話をうかがう当連載。

今回は、7月3日に発売されたSAUNA BROS.Vol.8で友野さんが訪れた九州ロケの番外編、その3回目。本誌では入り入れなかった創業42年の老舗「カプセルホテル サウナサン」(長崎県)の感想をお聞きします。

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「僕的にパーフェクト」な長崎の聖地

――SAUNA BROS.Vol.8では、佐賀県武雄市「御船山楽園ホテル らかんの湯」から車で1時間ほどの場所にある、長崎県佐世保市の「サウナサン」でも取材しました。

「こちらはもう、僕的にパーフェクトでしたね。創業42年の“これぞ老舗!”という建物の外観と入口の雰囲気だけでやられちゃいました(笑)。あと、いろんなサウナ施設さんのキャラクターを見てきましたが、“サンちゃん”はトップクラス! 人間のキャラクターってありそうでなかなかないので」

――「サウナサン」のロゴと書体、お出迎えしてくれる施設のイメージキャラ“サンちゃん”のイラスト(モデルは『サウナサン』の支配人・足立琢哉さんのお父さまだとか)。年季の入った下駄箱と受付……。入ったそばから昭和好きの友野さんにはたまらない。

「館内の案内表示、階段の手すり、絨毯張りの床。すべてが僕好みでうれしくなりました。受付のすぐ横のロッカーで着替えて、そのままスカッとすぐに入れる動線もありがたかったです。年季は感じるんだけど、隅々まで清掃の行き届いた館内。寸分違わぬ角度でセッティングされたカラン。時折りすれ違うスタッフさんの気づかいと、あいさつや笑顔も大好きなポイントでした。遠く長崎までやって来て、本当によかった~」

――「サウナサン」での一番のお気に入りは?

「香りの中で蒸される薬草スチームサウナも捨てがたいところなんですけど、ここはやはりメインのドライサウナですかね。連載で何度も言ってきましたが、昭和の時代の建物だからこそ実現できたサウナ室のぶ厚い壁にやられちゃいました」

――温度は94℃。にこやかな笑顔出迎えてくれた支配人の足立さんによれば、季節ごとに調整していて、オートロウリュの時間やスパンのセッティングも変えているそうです。

「だからなんでしょうね。ジワジワと温まりながら、ほどよく湿度が保たれていて。無理なくじんわり、気づいたらちゃんと熱せられていました。広めの室内で、包み込むように熱が回ってくるのも、昭和のぶ厚い壁のおかげかなと」

ぶ厚さが熱さを生む!? 老舗のなせるワザ

――サウナ室内の壁には、昭和のビルのエントランスを思わせるような厚めのタイルがビッシリと。

「こういうタイルとかレンガ、石作りのサウナ室って、僕的に独特の温まり方があるな~と思っていて。素材って絶対、関係していると思うんですよね。壁の厚さが熱さを生む、と言いますか」

――熱が逃げないぶん、蓄熱量が違うんでしょうね。足立さんもぶ厚い壁や平行1枚、斜め2枚で構成され輻射板の効果で熱が均一に回るとおっしゃっていました。

「蓄熱と、あと何て言えばいいのかな……? あくまで感覚なのですが、やさしい熱さと言いますか。最新の建材には最新のよさがあるんですけど、無骨なデザインも含めて、この時代ならでの魅力ってありません?」

――サブスクで聴くか、レコードで聴くか的な。

「そうそうそう! 最近レコードにハマっているんですけど、まさにそんな感じです」

――創業から半世紀。改良を重ねながら維持されているところがすごいです。

「施設さんとしては清掃が大変だったり手間もかかるんでしょうけど、たまらないよさがあります。あと、デカいストーブ。それとストーブ前の足湯。びっしりと敷かれた、フカフカのサウナタオル。炭(竹炭を使用)で濾過された、まろやかな水風呂。そこかしこに、足立さんをはじめとする施設の皆さんのこだわりと愛情を感じました」

――昭和にタイムスリップしたような感覚を味わえながら、施設さんの気配りと努力によって最高のととのいが得られる「サウナサン」。男性専用ですが、女性の方にはレディースデーもあるので、チェックしていただきたいです。

「全体的にドッシリとした作りで、歴史の重みを感じられて。その重さが安心感にもつながっている、長崎のサウナの聖地。古きよき部分を残しながら進化するサウナサンさんにまた来たいです」

「サウナサン」は、取材から2カ月後の7月20日に3F天井裏の配管(給湯)が破裂し、館内が浸水したため、全館休業中(復旧・再開は10月以降を予定)です。

現在は、東京・錦糸町「スパ&カプセル ニューウイング」の吉田健支配人や「サウナサン」の常連「チエノワlabo」のじむ兄さんらが中心となって、さまざまな施設で募金活動を。ほか「LAMP豊後大野」(大分県豊後大野市)の髙橋ケンさんも支援金の窓口に。佐世保市内でも、飲食店を中心に募金箱を設置するなど支援の輪が広まっています(詳しくはサウナサンのHP、足立琢哉支配人のX、Instagram、noteをご覧ください)。

サウナサン公式HP(https://sauna-sun.com/
足立支配人X(https://x.com/saunasan0616
足立支配人Instagram(https://www.instagram.com/sanchan615/
足立支配人note (https://note.com/spnblnjbs616

【募金箱設置施設】
●温浴施設/ニューウィング(東京)、サウナ北欧(東京)、SIZUKU上野(東京)、満天の湯(神奈川)、ジートピア(千葉)、「Re:」PRIVATE SAUNA(千葉)、薬湯市原店(千葉)草加健康センター(埼玉)、サウナヘブン草加(埼玉)、LAMP野尻湖(長野)、ウェルビー栄(愛知)、GOOD BLESS GARDEN(鳥取)、天拝の郷(福岡)、畑冷泉(福岡)、ウェルビー福岡(福岡)、こもれび(佐賀)、ONDHOTEL(佐賀)、みなとサウナ(長崎)、sauna kotaハルモニア(大分)、ニューニシノ(鹿児島)

●飲食店など/新しい食堂チエノワlabo(長崎)、ガレージカフェぐりぐり(長崎)、南野歯科クリニック(大村) 、RE PORT(佐世保)、mocktail’s&BAR MOKU(佐世保)

〇購入して応援! ECサイト「サウナサンストア」(https://saunasun.stores.jp/

「すべてが僕好み」と、友野さんも大のお気に入りとなった「サウナサン」。SAUNA BROS.編集部一同、心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧・再開をお祈りいたします。

【友野一希(ともの・かずき)】
1998年5月15日生まれ。大阪府出身。
4歳よりスケートを始め、ジュニア時代から表現力の豊かさには高い評価が。見ていて楽しくなるその演技で“氷上のエンターテイナー”“浪速のエンターテイナー”と称されることも。2023-24シーズンはシリーズ第4戦中国杯第4位。1月に行われた「国民スポーツ大会」ではショート・フリーで逆転優勝を。オフシーズン中は、さまさまなアイスショーに出演。エンターテイナーぶりを発揮する。上野芝スケートクラブ所属。

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