公開中の短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season3』の9作品の一つ、「サウネ」はサウナ好きの松居大悟が監督・脚本を務め、長年続いたサウナの最終営業日に集まった人々の悲喜こもごもを描いた作品です。そんなサウナ映画をSAUNA BROS.が放っておくはずがありません!……ということで、「サウネ」インタビュー特別編を送ります。#1#2はメーンキャストの善雄善雄さん、奥村徹也さんのお二人、#3#4は松居大悟監督、#5#6は清水みさとさんから、撮影エピソードやご自身のサウナライフについて、たっぷりお届けします。

©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

◆裸での撮影はハプニングだらけ!?「サウネ」の撮影現場の裏側

――作品のオファーを受けた時のお気持ちは?

善雄 自分たちが所属する劇団「ゴジゲン」の主宰でもある松居が、サウナの話を「ゴジゲン」の団員中心で撮りたいと珍しく言ってくれて。話がありました。最初はサウナの話ということだけ聞いていて、自分がどういう役かもわからなかったけど、裸になるのは抵抗があるなというのが最初の感想でしたね。磯村(勇斗)さんたちの整った体とは比べ物にならない、まぁ結局裸をさらしているんですけど…。サウナという身近な題材の、そこまで大きな事件が起こるわけでもないという作品なので、どこにでもいるような我々みたいな人間だからこそ、よかったのかなと今は思っています。

奥村 最近、公開された映画『ちょっと思い出しただけ』という作品もそうですが、松居さんの最近の作品はそんなに派手な出来事があるわけではなく……。『サウネ』もそういう大きな出来事が起きない、日常の一部分を切り取った作品だなと思いました。僕は劇団でも後輩の立場で、役でも善雄さんとの普段と同じ関係性のままだったのでやりやすかったですね。軽口叩くみたいなことも同じで。二人のシーンに関しては、撮影のような気もせず、普段、しゃべっている時のような、フラットな気持ちでやれたかなと思います。

――作品に向けて何か準備されたことはありましたか?

奥村 ゴジゲンがメーンで映画を撮るというのも初めてだったんですよ。今までずっと1シーンの中の一部や、1シーンの背景だったので。だから緊張しましたね。セリフも多かったので一生懸命台本を読みました。自分に近い役だったから、役作りという感じはなく、そのままで臨みました。

善雄 今回、ゴジゲンでやると松居から聞いた時に、逆に役作りみたいなものはしないで臨もうと思いました。彼とはもう15年以上は一緒にいるので、僕たちにこういう役を振るということはそれぞれの持ち味をそのまま生かせればいいことかなと思って。変に作り込まず、なるべく自分のままでやろうみたいな気持ちでやらせていただきました。

奥村 台本もらってそのまま撮影で。あんまりお芝居を直されるみたいなのもなかったですね。

――サウナが舞台の映画ですが、撮影中はいかがでしたか?

奥村 撮影で現場に入ったら全員、館内着だったんです。もう、誰がスタッフなのか、出演者なのか最初、わからなかった(笑)

善雄 そうね~。

奥村 一番大変だったのは股間を隠すことです(笑) 善雄さんのシーンで、サウナから出てきて水風呂に入るまでの間の撮影ではハプニング続きでした。動きがあるから、どうしてもタオルの隙間からチラチラしてしまうし。ちょうど、電車が通りまくる時間帯で、善雄さんのが見えてしまうか、電車が通ってしまうかっていう……。7テークくらい撮りましたよね? 

善雄 僕は全然、出しているつもりはなかったけど(笑)。線路が近かったから電車の音が入ってしまうんですよ。1シーン撮って、準備して、また撮り直すのに、多分、電車のダイヤが撮るのと同じタイミングで。やる度に電車の音がしているなと思いましたけど。裏でモニター見ている人たちには、電車の音が聞こえなかったらしいです。モニターを見ていた磯村さんたちが、「善雄さん今出たんじゃないの?」みたいなことを、後ろで仰っていたり。総動員でチェックしてくれたらしいので、出ていないことを信じています。まだ、試写で確認できてはいないんですけど(笑)。

奥村 今回、初共演の方ばかりでしたが、全員優しかったですね。

善雄 マキタスポーツさんとか恐いかなとか思ったんですけど、シャイなだけでめちゃくちゃおしゃべりだったのでホッとしました。会話しているのまるでラジオ聞いているみたいで、面白い話してくれるので楽しかったですね。

©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

――撮影場所の「船橋グランドサウナカプセルホテル」には撮影以前に行かれたことはありましたか?

奥村 撮影前は行ったことなかったです。サウナで遠征するタイプじゃないですね。僕ら。もう僕は、笹塚の「天空のアジト マルシンスパ」と赤坂の「サウナ・リゾート オリエンタル」。あとは地元の最寄りのカプセルホテルの3つばかり。

善雄 僕も近いところばっかり。何かついでがあれば行くんですが。例えば旅公演の時に北九州や京都でその土地のサウナには行きます。用事で池袋に行ったらついでにサウナに寄ることはあるんですけど、サウナだけを目的に行くことをしないので。船橋に用事があったら行くと思いますが、行くのは初めてでした。

奥村 広いのがよかったですね。お風呂もサウナもそうですけど、休憩所や食事処も充実していて、居心地がすごくよかったなぁ。

善雄 スタッフの皆さんもキャストの皆さんも楽しんでいましたね。「これが仕事なのか、休みで来ていてカメラが回っているだけなのか時々、わかんなくなるね」みたいな話をずっとしていましたね。こんな現場ないなって。そもそも全員、館内着を着ていますし。全員リラックスしている現場だったなって思います。

次回#2ではお二人のサウナ話をお聞きします!

MIRRORLIAR FILMS Season3とは——
伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクトとして生まれた「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。 “変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢 36 名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開するプロジェクト。「サウネ」は現在公開中のseason3で見ることができます。

善雄善雄(Zenyu Yoshio)
1985年9月30日生まれ。富山県出身。
高校入学とともに演劇を始め、2004年桜美林大学文学部総合文化学科入学。在学中に劇団 「ザ・プレイボーイズ」を旗揚げ、10年間の活動の後、2015年に同劇団を解散。2019年復活。2017年に「堀善雄」から「善雄善雄(よしおぜんゆう)」に改名。役者だけでなく、#家で出来る演劇「ぶれる境界」、「歌浴曲ウォーズ」など舞台の脚本を手掛けるほか、[WEBサイト]永遠のオトナ童貞のための文科系マガジン「チェリー」にて「卒業をさせておくれよ」を連載中。

奥村徹也(Tetsuya Okumura)
1989年7月13日生まれ。岐阜県出身。
2008年、早稲田大学演劇倶楽部にて演劇を始める。卒業後、サラリーマン生活を経て2014 年「劇団献身」を旗揚げ。主宰と脚本・演出を務める。映画「アルプススタンドのはしの方」(脚本)やドラマ「生ドラ!東京は24時」[フジテレビ系](監督・脚本)など、役者だけでなく、監督や脚本家としても活躍している。

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劇団ゴジゲ
2008年、慶應義塾大学演劇サークル“創像工房 in front of.”内で結成。主宰の松居大悟が全ての作・演出を手がける。メンバーの出身地は、福岡・島根・沖縄・北海道・岐阜・富山となぜか地方に偏っている。「くれなずめ」「朱春」「かえりにち」など造語がタイトルになることが多く、近年は、曖昧で見落としがちな感覚や時間を、コメディタッチで描いている。2008年より年2~3回の上演を精力的に行っていたが、2011年「極めてやわらかい道」の後、3年間の活動休止。2014年「ごきげんさマイポレンド」より活動再開。2017年に初の3都市公演「くれなずめ」で2000人以上を動員。全国を視野に入れて、下北沢を中心に活動中。 「ゴジゲンのゴジtube」というYouTubeチャンネルも毎週更新中

文/奥澤しのぶ