公開中の短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season3』の9作品の一つ、「サウネ」はサウナ好きの松居大悟が監督・脚本を務め、長年続いたサウナの最終営業日に集まった人々の悲喜こもごもを描いた作品です。そんなサウナ映画をSAUNA BROS.が放っておくはずがありません!……ということで、「サウネ」インタビュー特別編を送ります。#1#2はメーンキャストの善雄善雄さん、奥村徹也さんのお二人、#3#4は松居大悟監督、#5#6は清水みさとさんから、撮影エピソードやご自身のサウナライフについて、たっぷりお届けします。

©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

――サウナが大好きな清水さんが、やはりサウナが大好きな松居大悟監督の、サウナを舞台にした作品にご出演!

はい(笑)、そうなんです。最初にお話をいただいた時は「え、本当? 嬉しい」って。松居監督の映画はこれまでたくさん拝見していて。とくに「私たちのハァハァ」「アイスと雨音」「君が君で君だ」などは、観ていていつも「あ、私この映画、好きだなぁ」って思っていたんです。いつか松居組に参加できたらな、って思っていたら、まさかこんなに早く、それもサウナが舞台の作品で実現しちゃうなんて。まったく予想できなかったんで、本当に嬉しかったですね。

――魅力的な作品、多いですよね。松居作品のどこにいつも魅かれますか?

言葉にするのは難しいんですけど、松居作品って……小細工している感じじゃないというか。誰か一人の特別な何かにスポットを当てるというよりは、登場するキャラクターそれぞれの一直線の日常を描いているような気がして。そしてその一人一人がとても魅力的に見えるんです。そういう感じがすごく好きなんですよね。「あぁ、いいなぁ」って。いつか……と思っていたんですが、実際に監督にお会いしてみると、すごく肩の力が抜けた、柔らかい方でした。

――今回の作品は、あるサウナ施設の最終営業日の人間模様を描いています。

はい。そのとても切ない一日を、それぞれの日常の一部として、淡々と。閉店ということをお客さんには知らせず、いつも通りに過ごしてもらおうと頑張る施設の人もいれば、今日こそ告白するぞって意気込む常連さんもいる……。すごく切ないのにどこか甘酸っぱかったり、頑張ろうとしてちょっと空回りしてたり、みんなのベクトルが花火みたいに散っていて、この作品もすごく好きだなって思いながら演じていました。

――清水さん、ヒロインです。その常連さんに告白される、施設のスタッフ役。役名は、え~と……。

はい「みさこ」です。

――みさこを演じて、いかがでしたか?

彼女もサウナで働くことが好きで、一生懸命な女性なんですよね。でも大好きなサウナで働いていたからこそ、大好きなものが突然なくなることに出くわしてしまう。やっぱり悲しいだろうな、って。どうしたって悲しいんだけど、でもこの作品とみさこに勇気をもらったのは、彼女たちがそれでも前を向いていくところかな。かかわっているお客さんを幸せな気分にしようっていう思いが、悲しいっていうだけじゃなく、その先にある希望を見せてくれるというか。お客さんに「ありがとう」って気持ちを伝えることで自分も前に進める。そういう勇気というか考え方をもらった気がしています。

――清水さんは、普段はお客さんの立場でサウナに行かれているわけですが。

はい。だから今回の役柄を演じたことで、貴重な経験というか、施設の方がやっていらっしゃることを新鮮に感じたりしました。この「サウネ」では使われていないんですが、フロントでお客さんをお迎えするシーンも撮ったんです。「いらっしゃいませ」って言いながら下足箱のカギを受け取って、代わりにロッカーキーを渡すんですが、そのキー番号が320番で。棚を見たら……ものすごい数のロッカーキーがフロントの内側にあるわけですよ(笑)。「320? どこ?」って。慣れももちろんあるんでしょうけど、施設の方ってこれをいつもあんなにパッとやってくれるのはスゴいな、とか。

――そうですよね。本作はお客さん目線で描かれていますが、このストーリーを施設側の人の目線で紡いだドラマ「ネッパ」も制作されているそうで。そのフロントでのシーンが、そちらで見られたらいいですね。楽しみにしたいと思います。さて、ほかにもこの映画では、サウナについてとてもリアルな描写がいっぱい出てきます。

「そうそう」「それそれ」みたいなシーンは多いですよね。私も撮影しているときから「あ、そんなところまで描くんだ」って思っていました(笑)。とくにサウナ室のシーンなどは本当にリアルな浴室を再現しているんじゃないかなって。アウフグースを受けた後に、サウナ室を出た男たちが散っていく方向とか(笑)。汗流しをして水風呂に行くとしても、みんな少しずつ違うルートでバラバラと行く感じとか。さりげなく、でも結構リアルだなって(笑)。面白かったですね。

あと、サウナが特別な場所っていう方もいれば、そうじゃない人もいますよね。セリフとかにもちょっとずつそれがちりばめられているのがすごくいいなって。

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――「ただのサウナでしょ」「だけど、ただのサウナじゃないんだよ」みたいなやり取りとかですよね。観ていて、「おお!」って思いました。あと、施設の人を好きになっちゃったり、好きまで行かなくても親近感を持ってしまうところなども……実はひそかに共感します。

あ、分かります。私も、施設の人と仲良くなっちゃうっていうのは“あるある”です。いつも浴室の掃除をしてくれてるおばちゃんとか、フロントの方とか。きっとそういうこともこの施設であったんだろうなとか、一人一人に笑顔で挨拶してたんだろうなって、想像しながら演じましたね。

――撮影をされた「船橋グランドサウナ」が、この作品に本当にぴったりで。

最高でしたね。あの雰囲気はたまりませんでした。浴室もサウナ室も、休憩処のリクライニングシートとかも、すごく味わいがあって。普通に、一人のサウナ好きとして見ても、とても魅力的な施設だなって。

――そういう意味でも、この作品を楽しまれたんですね(笑)。

はい(笑)。泊まり込みの撮影で、スタッフ陣も全員、船橋グランドサウナさんの館内着姿で撮影していました。やっぱりみんなサウナが好きだから、皆さん似合っていて(笑)。それで、1日目の撮影が終わったあと……やっぱりみんなサウナに入りたいわけなんですよ。

――はい。

私たち女性陣も、やっぱりあの素敵なサウナに入りたくて。それで「女性用タイム」みたいなのを作ってくれたんですが、男性スタッフの人数と女性スタッフの数を比べたら、だいたい5:1くらいで。

――はいはい。

撮影用にお借りしている時間も限られているんで「女性用タイム」が30分くらいになっちゃったんですよ。もちろんそれでもすごく嬉しかったんですけど、「いや、船橋グランドサウナに入れる機会なんて、もうそんなにないんじゃないか」と。そこで、ちょっと考えまして――。

船橋グランドサウナさんは男性専用施設。そのサウナ室を体験できるチャンスを前に、清水さんが考えた作戦とは――? 次回#6では、その顛末、そして撮影時の他キャストとのエピソードなどをお送りします!

清水みさと

1992年3月5日生まれ。奈良県出身。
女優。サウナ・スパ健康アドバイザー、サウナ・スパプロフェッショナルの資格も取得。サウナをこよなく愛し、「清水みさとの、サウナいこ?」(JFN系列21局)も好評放送中。