あ~これぞFINLAND! 湖畔にたたずむスモークサウナ小屋体験
最高級の洗練されたクラリオンホテルのサウナ、ボランティアが運営する全裸で入るソンパサウナ。ホントいろんな種類のサウナを体験させてもらったフィンランド初探訪なんですが、もうこれは一生忘れることはないだろう、たぶん僕が亡くなる寸前に頭によぎる記憶はこのサウナ体験じゃないかと思えるほどのサウナへ行きました。それがヌークシオ国立公園内の湖畔にたたずむサウナ小屋でのスモークサウナです。
このヌークシオ国立公園、クラリオンホテルから車で60分くらいで行けちゃうんですよ。もうそこは自然に囲まれた別世界でした。ムーミンがひょこっと現れても不思議じゃないくらいの大自然。僕が訪れた2022年11月は気温が例年より高く、いつもなら曇りや雨が多いらしいのですがピーカン、快晴だったんですね。日差しが温かく風も穏やかで公園内360°どこを見渡してどこの風景を切り取っても観光パンフレットトップページに掲載されるような風景。
そしてそんな中で入るサウナが前話でも少し触れたスモークサウナですから。スモークサウナが「King of SAUNA」と呼ばれていることにも前話で触れましたが、あの煤けた木のスモーキーな香りは、初体験から1年以上たった今でも鮮明に思い出せますね。スモークサウナって特別な薪を使用したり、高価な備品が必要とかじゃないんですね。サウナストーンが乗った薪ストーブでその石を温めて室温をあげるといった原理は、通常薪サウナと一緒なんですが、一つ大きく違うのがサウナ部屋に煙を逃がす「煙突」が無いんですよ。通常のストーブサウナで薪をガンガン入れたら当然「煙」が沢山出て、煙突がなければこれも当然モクモクすぎて目も開いてられないですよね。それこそ一酸化炭素中毒にもなりかねない。
スモークサウナは薪を燃やしていって、大量のサウナストーンの熱で室内をゆっくり暖めていきます。その過程で出る煙は「煙突」からではなくサウナ室内の小さな外気口、すき間からゆっくり外に逃がすんです。それにより、室内に煙はないんですが、スモーキーな香りは充満した状態になると。室内の壁や座面は煤だらけのため壁に寄り掛かったりすると背中に“すす”がかなり付くし、そのスモーキーな香りが被っているサウナハットにもかなり移るのですが、それがまたいい! 嗅覚と聴覚が覚醒された感じで静寂の室内でこのスモーキーな香りとサウナ小屋の外で囀る鳥の声を楽しむ時間はぜいたく過ぎました。
実は、今回紹介したサウナ以外にも体験したサウナや見学させてもらったサウナもあったので、年越して次の連載話での紹介も考えたのですが、さっすがに初探訪記が長すぎて、その間に日本国内で訪れた紹介したいサウナの話もあるので断腸の思いでここで終了!
今回初めてフィンランドへ行きましたが、ハッキリと言えるのは「また必ず行く!」ってことですね。もちろん初探訪で体験できなかったサウナにも入りたいですけど、それと合わせてもっともっとフィンランドの事が知りたくなりました。世界トップクラスのサステイナブルな取り組みや教育システム、芸術やスポーツ、食文化など。たぶんフィンランドのサウナで感じた肩のチカラがぬけている「人としての生活をリラックスして2000%楽しむ」ナチュラルさ、シンプルさがフィンランドにあって今の日本にはないものではないのかなと。
今回5泊7日のフィンランド初探訪でしたが、そんな遠くない近未来への再訪をヘルシンキ空港から飛び立つ羽田空港直行便フィンエアー上から誓うアマノでした。「モイモイFINLAND! キートスFINLAND!」