川崎フロンターレ事業部長天野春果#9/フィンランド探訪最終話

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新たなる挑戦を決心させた陸上イベント「Rick&Joe」

フィンランド初探訪レポートを書き終えたので、ここからはなぜフロンターレを離れ新たな道に進もうと思ったのかを書きたいと思います。

答えズバリ言いますと……

【自分の道を極めたい】です。

僕は大学生生活をアメリカで過ごし、その時に「スポーツが街を豊かにし、人々がスポーツにより笑顔になる」を体感しました。

その時に「これを母国・日本でも生み出したい」と自分の人生をかける目標を見つけました。

そんなクソアツい想いを持ちながらも採用してくれるJリーグクラブはなく、たまたま目にしたサッカーマガジンに書かれていた記事の一行「富士通川崎フットボールクラブがJリーグ参加表明。川崎に2つ目のプロサッカークラブを目指す」を見て、当時のGMに「僕を獲ってほしい」と直談判し、こんな社会性のない人間をなぜか採用してくれたことから川崎フロンターレでの活動がスタートしました。

途中、2002日韓W杯や2020東京オリンピックの際にクラブを計5年は離れましたが、これら国際スポーツ大会、別組織での経験も川崎フロンターレでの活動に活かし、計27年やってきました。

同じ画が描けるクラブスタッフ、サポーター、川崎市の皆さんにも恵まれ、沢山のアクションプランも実行できました。

ただ、ここ数年「地域プロスポーツクラブの事業者として、そして自分の掲げた目標達成のため、今以上にもっと自由に、プロフェッショナルに活動したい」という想いを強く持つようになりました。

そんな想いを心に持っている時に【Rick&Joe】という陸上とコラボしたホームゲームイベントを開催するにあたってタッグを組んだ【合同会社TWOLAPS】の代表・横田真人さん(以下、真人くん)に出会いました。2021年秋のことです。

出会いのきっかけは、2020年にフロンターレを引退した中村憲剛が真人くんと雑誌か何かで対談をして、対談後に「アマノさんとスポーツの考え方が似ていてすごく気が合うと思う」と真人くんの連絡先を教えてくれた事でした。

実際に会って話してみると、「自分が専門の陸上中距離を通して陸上界、スポーツ界をもっと親しみやすいものに変えたい」と言うアツい想いを持った人でした。

真人くんスゲーなと思ったのは、自分が目指す頂を「登りたかったなぁ」と絵空事にするのではなく、実際に、リアルに達成するため所属していた会社を辞めて自らが代表となる会社を立ち上げ、先頭切って突き進んでいる姿です。

陸上、その中の中距離走と言う、言い方は悪いですがサッカーと比べてマイナーな種目をどう魅せていくのかを考え、実践している姿は相当刺激を受けました。

2022年、TWOLAPSが主催する中距離選手を集めた新感覚エンターテイメント大会&イベント「Middle Distance Circuit」に真人くんが招待してくれて見にいったんですけど、衝撃でしたね。「なるへそ、マイナー競技と呼ばれる中距離をこうやってエンターテイメントするのか」と。もちろん今後もっと発展させていく余地のあるイベントだったんですけど、イベントを見ながら【自分が描いた画は自分の手でカタチにするのが最良】と言われているような気がしました。

そしてこのイベントを体感して「自分の目指す頂に辿り着くために自分の考えをもっとカタチにしやすい体制を整えよう。働き方改革をしよう」とフロンターレを離れる決断をしました。

とはいえ、フロンターレでの活動期間も長くクラブや街やサポーターへの愛情が強くあるので悩みましたよ、実際は。でも色んなアイデアがポンポン浮かぶ頭とそれを実行していくカラダが最高潮の今、決断しないと後々悔いると思い、Rick&Joeイベントを終えた1週間後の2022年11月頭に、2023シーズン終了を持ってフロンターレを退職する意思を吉田社長に伝えました。

実は上記したフィンランド初探訪のためヘルシンキに向かう羽田空港のロビーから吉田社長に電話して伝えました。理由はフィンランドまでモヤモヤを持っていく事なく、フィンランドのサウナでしっかりととのうためという(笑)!

それなので僕がフロンターレを退職するのは横田真人のせいです(笑)!

と言うのは冗談で、僕も人生折り返し地点を過ぎて、残りのスポーツ人生も今以上にアグレッシブに生きて、頂を目指したいなと!

TWOLAPS代表の横田真人くん。ヘラッとした感じですがとても芯が強い人だなって思っています。ちなみに陸上界イチのフロンターレガチサポーターと言われる東京オリンピック女子1500m日本代表・卜部蘭選手はTWOLAPSでトレーニングしています
2023年10月に駒澤陸上競技場で開催された「Middle Distance Circuit」の様子。トラック上に観客席を設けより中距離の迫力を楽しめる工夫をしていました。競技後のアスリートとの触れ合いも!

サウナの話からかなーり逸脱しSAUNA BROS.に掲載するような原稿じゃ無くなってしまいましたが、大好きなSAUNA BROS.WEBで心の内を話させてもらいました。

来月はサウナの話と、立ち上げる新会社についても少し話できればと思っております!

それではモイモイ〜。

天野春果(あまのはるか)
東京都出身。1993年からワシントン大学でスポーツマネジメントを学ぶ。帰国後は富士通川崎フットボール(現川崎フロンターレ)に就職。以降、”J最強企画屋”としてサポーターに愛されてきた。2024年1月をもって、27年間勤めた川崎フロンターレを退社。
※川崎フロンターレ事業部部長・天野春果「企画屋アマノ〜アイデアのととのえ方〜」今までの記事はこちらから!

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