天野春果連載㉗「東名厚木健康センターと草加健康センターと私」

モイ~。

本日も祖師ヶ谷大蔵駅前にあるマイホームサウナ「自問自答」の休憩イスに横たわりながらこの原稿をスマホでポチポチ書いています。

2025年のGW中、ガラガラの電車内で何気なく見ていたスマホのニュースである記事を見つけ、「えええええぇぇぇぇっっ!?」と思わず声をあげてしまいました。そのニュースとは神奈川県厚木市にある「湯乃泉 東名厚木健康センター」(以下、東名厚木健康センター)が今年8月31日をもって閉店するというものでした。エイプリルフールからは1カ月ほど経っていましたが、「いや、これはフェイクニュースなのでは?」と信じられず、HPを調べるとやはり「閉店」とでてくる(汗)。そして、そこには店舗からの正式な文書が掲載されていました。

「湯乃泉 東名厚木健康センター閉店のお知らせ」

平素は東名厚木健康センターをご利用くださいまして誠にありがとうございます。

誠に残念ではございますが設備の老朽化により。2025年8月31日(日)を持ちまして

閉店させていただくことになりました。

28年間、お客様には永きにわたり格別のご愛顧を賜り、心から御礼申し上げます。

ありがとうございました

2025年4月30日 湯乃泉 東名厚木健康センター

もうショック過ぎて冗談じゃなく降車する駅を間違えてしまったくらいです。なぜ? どうして? 文書の中には「老朽化」が原因と書かれていたけど、そんなに深刻な設備状況だったのか……。そして、その進行を止めることはできなかったのか……。まさに病院の先生に突如、余命宣告を伝えられたような心境でした。

小田急線ユーザーの僕にとって東名厚木健康センターは、電車にフラっと飛び乗り、本厚木駅で降りて気軽に行ける「小旅行気分サウナ施設」でした。家から自転車に乗って10分で行けるマイホームサウナ「自問自答」はもちろん大好きですが、仕事がうまくいかず気分が沈んでいる、いつもの環境を変えてリフレッシュしたい、久しぶりに会う気の合う仲間との会合の場所としてなど、東名厚木健康センターは、僕にとってなくてはならない場所でした。

最寄り駅の本厚木駅から施設までは、シャトルバスが1時間に1本出ており、乗降場所に全く面識のオバちゃん達と並んでポツンと待つ。オバちゃん達のどうでも良い会話が嫌でも耳に入ってきて、ダンナの悪口とか、物価高騰のグチとかホントしょーもないどうでも良い会話なのに、何故かヒーリング音楽を聴いているかのように心が落ち着く(これってオレだけ?)。シャトルバス内にはAMラジオが流れていて、これまたどうでもいい番組MCの会話や、聞いたことのない演歌が何故か心地よい(これってオレだけ?)。小学生の時に通っていた床屋さんがいつもAMラジオを流していて、もう40年以上前のそんな記憶を思い出したりして。

シャトルバスは、1時間1本しか来ないから時間が合わない時は30分かけてトボトボ歩いていくこともあります。これまた全く風光明媚な場所でも何でもないんですけど、それがまた良いリフレッシュになるんですよね。

東名厚木健康センターとの数々の思い出を回想してたら、閉店してしまう寂しさも相まってもうメチャクチャ行きたくなってしまって、5月のド平日に行ってきちゃいました。本来は、渋谷にある僕が代表を務める会社のオフィスに行くつもりだったんですが、スタッフに「旅に出ます探さないでください」とだけLINEで告げて、会社へ行くのをブッチして気が付いたら、小田急線に乗り本厚木駅にむかっていました(社会不適合者!)。

湯乃泉グループの代名詞である、店バナー。この形状&カラーを見るとテンションあがりますよね! 僕は毎回意味もなく撮影しています(笑)
小田急線本厚木駅から施設までのシャトルバス。駅から送迎で、小旅行気分を引き立たせます
エントランスに掲出されていた「閉店のお知らせ」。僕以外のお客さんも「残念」「寂しくなるなぁ」「これからどこに行けばいいんだよ……」と惜しむ声をあげていました
目次

東名厚木健康センターの良いところ全部あげていきます

閉店お知らせ直後だったからか、シャトルバスには若い人たちが結構多かったですね。しかも、中には小さい子供を連れている家族や若い女性同士もいたりして、東名厚木健康センターがいかに老若男女に愛されているかが分かります。

エントランスで靴を脱ぎ、下駄箱に靴を入れるとき脱衣所のロッカーが「上段」か「下段」かが分かるようになっている、このシステム、僕、好きなんですよね。めちゃくちゃ細かい気づかいだとは思うんですけど、僕は(若干ですけど)「上段」好きなので、最初から「上段が使える」と思えるだけで、ほんの少しだけどほっこりうれしい。

これ、僕の仕事=「ホームゲーム来場者を増やすための工夫」にも通ずるものがあり、いかに「小さな些細なほっこりや気遣い、楽しみをホームゲームに散らし並べられるか」を意識しています。例えば、イベント会場でのサインボード。ただ単に、アトラクション名を記載するだけでなく、そこに選手の写真を、少しクスっとなるような。吹き出し入りで添付するとか。イベント会場内に流すBGMはそのイベントの「テーマ」が「動物」だったら、動物直結の曲=「犬のおまわりさん」とかだけじゃなく、HOUND DOGの「ƒƒ(フォルティシモ)」(※ハウンドドッグ=犬なので)をあえて流すとか。試合後に選手が、場内トラックを一周する時、選手が客席とハイタッチできる距離でまわるように指示を出すとか。こういう些細で細かな「ほっこり」をたくさんつくることが「居心地の良さ」を生み出すと思っています。

東名厚木健康センターは、今回閉店する理由にもなっている「老朽化」が進んでいるため、施設自体は新しくはないものの、清掃はとても行き届いており、清潔感があり居心地が良いんです。下駄箱の他にも、案内ボードにいろんなポーズのラッコちゃんが使用されていたり、サウナ室入室前後にパクっと頬張れる氷ブロックが置かれていたり、サウナ室内は、4段になった席以外にも出入口に近い0段の場所に2つだけ切り株のような席が設けられていたり。

もちろんメインディッシュのひとつであるお風呂は、8種類の薬草を入れた薬湯を毎日やっているし、生薬が詰まった布袋が湯船に浸けてあり、生薬の匂いがたちこめていて、これは他のスーパー銭湯では味わえない。数分浸かっていると陰部がヒリヒリしてくるのもたまらん(笑)!

年配者に対する配慮なのか、ぬるめの風呂が多くてゆっくり長く入ってられるのも、初老アマノ的には良き! 油断しているとウトウト寝ちゃいますからね。

後は何と言っても麦飯石サウナ。とにかく熱い! 薬湯に入った後だと特にピリピリして「電気風呂」ならぬ「電気サウナ」みたいで刺激的。そして、サウナ後に出るあまみが尋常じゃない! 「オレのからだ、大丈夫!?」って心配になるほど全身、あまみまみれになる!

特に僕が好きなのは、屋外に設けられた休憩スペース。スペース自体は決して広くはないし、身体を水平にできる、インフィニティチェアなど1台も設置されておらず、どこにでもあるプラスティックのホワイトチェアが、一方方向に向かって整然と並べられているだけなのに、その椅子に座って外気浴していると、磁石のN極とS極が吸い寄せられるようなフィット感があるんですね。冬とか外気温度が低い時は、休憩スペースの真横にある露天の「草津の湯にドボンとすれば、本場、草津から直送した温泉にも入れちゃう。

施設から、宣伝費もらってるレベルで褒めまくってますけど(笑)、それくらいすべてが心地よいんですよね。炭酸風呂に入る僕の横で、気持ちよさそうに浸かっているおじいさんを見て「このおじいさんの憩いの場所も8月末でなくなっちゃうんだな」と思うと、胸が苦しくなりましたよ。高級レストランでの食事や海外旅行など「非日常」体験って気分転換、リフレッシュにはなるとは思うんですけど、それより「日常の中にある少し非日常」のほうが、得難いと思うんですよね。東名厚木健康センターの存在によって、どれだけの人が「明日もまた頑張るか―」と少しだけでも、前向きになれたことか。僕も、その内の一人として閉店まで残り少なくなった施設を、噛みしめて味わいました。

いたるところにラッコちゃん。閉店まで残り少なくなった東名厚木健康センターの想いでに、顔ハメパネルで撮影したかったけど、1人だったので撮影できず残念!
サウナ後は大広間の食堂へ。名物「ラッコ飯」が神奈川で食べれるのもあとわずか。と分かっていながら食べたのは豚丼!(笑)
宴会場でのエンタメも毎日充実。日常の中にちょっとした非日常を味わえるのは、この上ない幸せなのだ

草加健康センター×南葛サウナクラブ」コラボイベント決定!

東名厚木健康センターは、8月末で閉店してしまいますが、湯乃泉系列で埼玉県草加市にある「湯乃泉 草加健康センター」はもちろんこれからも営業します。前号で書きましたが、今年5月、サッカークラブ「南葛SC」の事業本部長を務める“野人”こと「岡野雅行」が草加健康センターでブロワー熱波研修をさせてもらいました。そして、それが縁で、なんと草加健康センターと南葛サウナクラブのコラボイベントの開催が決定!

創業37周年をむかえる草加健康センターの記念イベントのひとつとして、来たる7月29日(火)、「一日まるまる南葛サウナクラブDAY」を草加健康センターで実施させてもらうことになりました。これってすごくないですか? 聞けば、草加健康センターがスポーツチームとコラボするのは初とのこと。埼玉県内の施設ながら浦和レッズ、大宮アルディージャを差し置いて、葛飾区のサッカークラブのイベントを提案してくださった草加健康センターの斎藤社長、SSKさんに大感謝です!

実施内容リリースは、南葛SC公式HPから7月7日(月)に発信される予定ですが、フライングして少しここでお伝えしちゃいます(笑)

イベント当日は、南葛サウナクラブ所属の選手、そして野人や僕らクラブスタッフが草加健康センターのサウナ室で出張「南葛熱波」を行います! 南葛サウナクラブのホームサウナ「サウナレインボー新小岩店」は男性専用施設のため、南葛熱波は「男性限定」で実施していましたが、「一日まるまる南葛サウナクラブDAY」では何と初となる「女性限定・レディースTIME」も実施します! 女性サウナ好きの方から、多数実施リクエストがありましたので、遂に実施できて僕もうれしい!(参加者は水着着用)

その他にも、南葛サウナクラブトークショーや草加健康センターとのコラボグッズ販売なども予定していますので、詳細情報解禁をお待ちください!

僕が東名厚木健康センターに通いだしたのは10年前。その時は、まだ川崎フロンターレに所属していたので「同じ神奈川だし一緒に何かできたら良いなー」なんてポヤァっと考えていましたが、時が経ち、東名厚木センターは閉店してしまうけど、南葛SCという東東京に位置するクラブで活動することで、距離的にはそんなに離れていない、草加健康センターとお近づきになりコラボイベントができるなんて。こんな未来が待ち受けているとは10年前には想像していなかったなぁ。人生って面白いですね。

東名厚木健康センターへの想いを胸に草加健康センターと楽しいイベントになるようにガッツリ準備しますよ。イベント報告はまたこちらで報告いたします!

それではモイモイ~!

7月29日(火)「一日まるまる南葛サウナクラブDAY」の舞台となる草加健康センター。
開催時間は、8:30~17:00予定。南葛サウナクラブ初となる女性限定「南葛熱波レディースTIME」も実施決定! 詳細は7月7日(月)南葛SC公式HP発表をお待ちください
現在、イベント企画を調整している草加健康センター木村さん(左)と斎藤社長(右)。サウナ施設の方ってなんで、明るくておおらかで面白いことが好きな人が多いんですかね
南葛SCというサッカークラブを知ってもらうためには「サッカー」だけにこだわってはダメ! 多くの人と心開いた状態で交流が可能なサウナはクラブを知ってもらう最良な場所だと思っています

自問自答 祖師ヶ谷大蔵店
■住所:東京都世田谷区祖師谷3丁目32−14 YAMATOYA BLD 1F
■営業時間:24時間営業
※男性専用、会員制のサウナ施設
※その他詳細はこちらから

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