「外気浴(かぜ)をもとめて」#9アイスランド・レイキャビク編

外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~

Ciao! ミラノ在住の木村です。

根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、今度はイタリア国内や欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けしております。

今回はアイスランドのレイキャビクへ行ってまいりましたので、その模様をリポートしたいと思います。
(前回のリポート #8 オランダ・アムステルダム編はこちらから)

目次

「火と氷の国」アイスランド

いつかは行ってみたいと思っていた国、アイスランド。そこは火山と氷河が共存する島であり、夏は緑豊かな大自然が、冬は神秘的なオーロラが楽しめる素晴らしい土地です。温泉大国としても有名で、物価はやや高め。ミラノからは首都レイキャビクまで飛行機で4時間半ほどです。

いつもは行き当たりばったりで、その町に着いてからサウナを探すことが多い私なのですが、今回はどうしても行きたかった2施設へ行ってきました!

「絶景サウナ」Sky Lagoonスカイラグーン

まるでテーマパークの中にいるような気分にさせる露天風呂。

まずはスカイラグーン。2021年にできたばかりの比較的新しい施設で、北大西洋を眺めながら入るダイナミックな露天風呂や絶景サウナが特徴的。大自然の魅力を五感で感じるころができる今人気のスポットです。

料金は、サウナ・露天風呂・Seven-Step Ritualが含まれる、営業時間中ずっと利用が可能なPureコースで、11,500 ISK(アイスランド・クローナ・日本円で約12,650円)から。他にもプライベート更衣室付きのSkyコースや、あまり時間の無い方向けに露天風呂だけ楽しめるPure Liteコースなど様々あります。
詳細は公式サイト(https://www.skylagoon.com/)より。

それではまずはサウナから。何といってもこのクリアな視界で海を目の前で拝むことができるのが魅力。ここまで大きく、かつ視界の良い窓付きのサウナはなかなかお目にかかれません。

アイスランドの海を眺めながらのサウナ。
ガラスを隔てているとは思えないほどクリアな視界で北大西洋を望む。

サウナ室の温度は約80℃、湿度が約50%で、しっかりと汗が出てきます。この素晴らしい景色を眺めながらゆっくり過ごすことがスカイラグーンの醍醐味かと思いますので、むしろ熱すぎないこのくらいの温度がちょうど良いと思います。

水風呂。水温は約12℃とのこと。

そしてスカイラグーンのオススメする「Seven-Step Ritual」がコチラ。この手順 に沿うことでさらに体験価値が高まります。

  1. The Lagoon(露天風呂で、ゆっくりと海の空気を吸い込む)
  2. The Cold plunge(サウナに入る前に水風呂で五感を目覚めさせる)
  3. Sauna(アイスランドの絶景を見ながらサウナに入ることで、毛穴を開き毒素を排出する)
  4. Cold Mist(ミストシャワーで汗を洗い流し、心身と魂を活性化させる)
  5. Sky Body Scrab(Skyボディスクラブを体に塗り、肌の角質を取り除く)
  6. Steam(温度55℃、湿度85%のスチームサウナで毛穴を開き、肌に浸透させる)
  7. Shower(スクラブを綺麗に洗い落とし、リラックス)

※Skyボディスクラブにアーモンドとゴマ油成分が含まれているため、アレルギーを持つお客さんのことを考慮し、いったん5の手順までいくと再度サウナへ戻ることはできないので注意が必要。

この7つの手順を経て再び露天風呂へ

露天風呂と海との境がわからないほど。素晴らしい景色。

今回、訪れた7月中旬は夏とはいえ外気温が寒いときで約10℃ほど。外気が寒いときほど温泉に浸かるのが気持ち良いものです。施設内は水着着用でカメラの持ち込みもOKなので、記念撮影も可能。また、温泉に浸かりながらのお酒を飲むこともできるので、思い思いの楽しみ方で滞在できます。

そしてスカイラグーンの魅力の1つはアクセスの良さ。レイキャビク中心部から近く、車でだいたい10分程度。アイスランドは北海道と四国を合わせた位の大きさの島なので移動が結構大変。公共交通機関で移動したい私にとっては、ぎりぎりバスと徒歩でアクセス可能なスカイラグーンはありがたかったです。

その土地の魅力をフルに活かしたサウナで、ここまでクオリティの高い施設は初めてだったので、ちょっと衝撃でした。サウナはもちろん大浴場が好きな方にはオススメです。個人的にも生涯忘れられないサウナの1つとなりました。今回は夏の昼の訪問でしたが、夜や冬に訪れても素晴らしい景色を観ることができそう。人気施設なので、あらかじめ訪問予定のある方は、ぜひ事前オンライン予約を。

「世界最大の露天風呂」The Blue Lagoon ブルーラグーン

そしてもう1つの施設はこちらのブルーラグーン。アイスランドの象徴と言っても良いほど多くの方に知られる「世界最大の露天風呂」。ビョークといった同国を代表する歌姫なども訪れる施設です。同国の玄関口であるケプラヴィーク国際空港の中にも大きな看板や、ブルーラグーンの公式ショップ(ブルーラグーンオリジナルの保湿クリームなどが購入可能)があるなど、まさにこの国の看板スポット。

圧巻の景色。©️Blue Lagoon Iceland

空港からは20km、市内中心部からは50kmの位置にあり、私が探したときは公共交通機関ではアクセスができなかったため、レンタカーやツアーバス(バスチケットだけのツアー)での訪問となります。市内中心地から見て、空港と同じ方向にあるため、個人的には空港からの直行や空港に向かう途中に寄るのがオススメ。

料金については、曜日や時間帯、コースによって異なりますので詳細は公式サイト(https://www.bluelagoon.com/)から。

青が混ざった乳白色の温泉 ©️Blue Lagoon Iceland

さて、このブルーラグーン。どのくらい広いかというと5,000平方メートルという巨大さで、青が混じった乳白色の温泉が特徴的です。水着着用で入る露天風呂エリアはいくつかエリアが分かれており、1m20cm以下の浅いエリアがあったり、温泉の温度も36℃から40℃まで細かく分かれていたりなど、自分の体調や気分によって、エリアを変えることができることがその魅力。また、基本的には携帯電話持ち込みOKなので、写真撮影も可能ですが、一部携帯電話持ち込み不可のゾーンがあるなど、温泉をゆっくりと楽しみたい人への配慮も嬉しいポイントです。

エリアごと細かく設定された温度

そしてサウナです。露天風呂に沿ってサウナ室が全部で3つあり、フィンランド式、溶岩サウナ、スチームサウナとそれぞれ趣向が違います。

フィンランド式サウナ
温度は80℃、湿度は55℃でだいたい定員10人くらい。セルフロウリュが可能です。

サウナ室からも露天風呂を眺めることが可能

・溶岩スチームサウナ
溶岩に覆われたスチームサウナ。中は六角形となっており、真っ暗。足元からマグマを感じさせる蒸気が音と共に湧いてきて不思議な感覚。スチームサウナとしては少し温度が高めのように感じました。個人的にイチオシのスチームサウナ。

アイスランドならではの溶岩スチームサウナ

スチームサウナ
そして、スチームサウナがもう1つ。8人くらいが入室可能で、温度が肌感で50〜60℃でしょうか。外気が冷たいので、暖をとるときにおすすめです。

ブルーラグーンは家族みんなで一緒に楽しむには最高の場所という印象でした。世界各国からの観光客が集まっており、インド・中国・ヨーロッパ・ラテンアメリカの人たちを多く見かけ、ワールドワイド規模での人気ぶりが伺えました。

どの場所を切り取っても写真映えするブルーラグーン。2時間くらいの予定で訪問したのですが、ついつい倍の4時間程度滞在してしまいました。こちらも大変人気の施設なので、訪問する際は事前のオンライン予約をおすすめします!

あとがき

サウナ飯として、ぜひスカイラグーンに訪れた際に食べてほしいのがトマトスープ。実は地熱を利用してのトマト栽培が盛んなアイスランド。そんな美味しいトマトを利用したスープとパンと水(飲み放題)で、1,490アイスランド・クローナ(約1,650円)と良心的価格でした。

【木村 光留(きむら・みつる)】
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。お気に入りは、出身地・静岡県にある「サウナしきじ」。(twitter:@buraraorange)

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