「外気浴(かぜ)をもとめて」#8オランダ・アムステルダム編

外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~

Ciao! ミラノ在住の木村です。

根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、今度はイタリア国内や欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けしております。

今回はオランダのアムステルダムへ行ってまいりましたので、その模様をレポートしたいと思います。
(前回のリポート #7 イタリア・パルマ編はこちらから)

目次

オランダ〜アムステルダム〜

オランダの首都アムステルダムは、美しい運河のほかフェルメール、ゴッホ、レンブラントの作品を収蔵する美術館やアンネ・フランクの家、飾り窓地区といった観光地で有名な街です。ちなみに「ダム」という英単語は、堤防を意味するオランダ語を語源とし、アムステルダムとはアムス川の堤防という意味とのこと。

今回も現地へ到着したあとに、Google Mapsでリサーチをしていたら良さそうなスパ施設が見つかりました。

Spa & wellness “DECO”

アムステルダム中心部にある44年の歴史を持つスパで、アムステルダム中央駅から徒歩12分のアクセス。運河沿いを散歩しているとすぐ到着します。

DECOの入口。運河に面した一見住宅のような外観。

パッと見の外観はヨーロッパによくあるオフィスビルのように見えますが、中に入るとゴージャスな雰囲気が漂っておりました。

DECOの内装。豪華な雰囲気を感じさせます。

このゴージャスな内装。そのルーツを紐解くと、かつてフランス・パリのセーヴル通りにあったデパート「Au Bon Marché」まで話はさかのぼります。

デパートは1920年に完成しその一時代を築きましたが、50年以上の時が経ったのち解体計画が上がりました。その際、当時のDECO経営陣がパリへ向かい、交渉の末にデパートの内装に使用していた装飾品をアムステルダムまで持ち帰り、元々あったこの建物(こちらも1890年代にできた歴史ある建物)にリノベートした結果が現在のDECOだそう。

当時のAu Bon Marché。窓枠やカウンターが現在のDECOの内装に使用されています。

そのせいか、DECOの中に入ると、ゴージャスな内装かつ木のぬくもりを感じさせるとともに、なぜか心地よい、懐かしい感覚を感じることができます。

さて、温浴施設に関してです。男女兼用のロッカールームを抜けると、スチームサウナ、フィンランド式サウナ、赤外線サウナ、プール、足湯等があり充実のラインナップです。サウナ室の注意点としては、男女混浴という点、また衛生上の都合により水着着用NGであるという点が挙げられます。ドイツのサウナ入浴法に近いイメージです。

フィンランド式サウナ

2室あり、1室(こちらのほうがやや大きめ)は100℃で室内は少し薄暗い。木の枕を使用して寝そべっている人もいました。もう1室は80℃の設定で、2室ともにサウナ室内はとても綺麗です。

スチームサウナ

温度40℃〜50℃のスチームサウナです。

赤外線サウナ

赤外線の熱放射を利用して体を温めるサウナ。ボタンを押すとあたたかくなり、一定時間で終了する仕組み。そこまで熱くは感じないので、体の状態に合わせてサウナと併用するのに最適です。

80℃設定のフィンランド式サウナ。
プール。水深は150cm。水温はそこまで冷たくは感じませんでした。冷たすぎる水風呂が苦手な人(私もその一人)にはちょうど良いかも。
中庭の外気浴スペース。アムステルダム中心地での外気浴は格別です。

所感として、私がこれまで訪問したヨーロッパの温浴施設の中でも、特にサウナ浴→水風呂後の休憩スペースを重視しているようでした。館内には、体を拭いたあとにガウンをはおり、そのまま座ることができる場所が至るところにあったのですが、そういった場所で読書をしているマダム達がいたのが非常に印象的。

また、平日の日中帯に伺ったせいか、観光客が少なく、老若男女問わず地元民の憩いの場所となっていた点も印象的でした。そこまで混んでいないため、非常に静かでリラックスした時間を過ごすことができます。

歴史ある施設の一部を再利用することで他と差別化したユニークなサウナ施設をつくる発想は、サステナビリティの観点からも重要ですし、なかなか興味深い施設です。本格的なサウナで、内装は豪華。しかもリラックスできる。家の近くにあったら普段使いするサウナでした。

最後に料金について。入場料は4時間で27.5 €(約4,200円)。また、学生向け料金もあり、こちらは22€(約3,400円)と少しリーズナブル。タオル等のレンタルも行っていたので、手ぶらで行っても安心です。また、Shiatsu等のマッサージも人気のようなので、詳しくは公式ホームページ(https://saunadeco.nl/en/)からチェックしてみてください。
※館内は携帯電話の持ち込みは禁止されております。掲載した写真は施設様より頂いております。

あとがき

欧州で生活をしていると、ベジタリアンやヴィーガンの人口が多いことに驚きます。今回のアムステルダムは学校のクラスメイト達と訪れたのですが、そのグループ内にもヴィーガンのコロンビア人がいました。そんな彼女のリクエストで訪問したのが、世界のヴィーガンが憧れるアムステルダム発祥のハンバーガーショップ。その名も「VEGAN JUNK FOOD BAR」。(https://www.veganjunkfoodbar.com/

ヴィーガンジャンクフードとサステナビリティな包装資材で若者の関心を集める、いま注目のレストランです。味も美味しいので、ぜひアムステルダムのサウナにお越しの際は、ヴィーガン版サウナ飯として、いかがでしょうか?

サウナ後にオランダが誇るビール、ハイネケンで乾杯。後ろに写っているカラフルなポテトが、VEGAN JUNK FOOD BARのメニューです。(ちょっと見えにくくてすいません…)

【木村 光留(きむら・みつる)】​
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。お気に入りは、出身地・静岡県にある「サウナしきじ」。(twitter:@buraraorange)

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