日本のプロ野球界きってのサウナ愛好家・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手に、サウナにまつわるあれこれを聞く当連載。毎月、背番号にちなんで12日に公開していきます。4回目の今回も、アスリートならではのサウナの楽しみ方、利用の仕方について、いろいろうかがってきました。

(未読の方は、#1#2#3も、ぜひあわせてお読みください)

◆登板日、試合後のサウナで“ととのえる”ものとは?

――前回(#3)の取材の際に「登板した日は絶対にサウナに入りたい」とおっしゃっていましたが……。

「そうですね。『絶対に』ってことはないですが(笑)、気持ち良く眠って心身の疲れを取るためにも、登板当日はやっぱり入りたいです」

――ということは、昨日もサウナに入られたんですね?(※今回の取材は9月某日、登板日の翌日にリモートで行いました)

「はい。試合が終わってから少し体を休めて、そのあとに入りました」

©︎千葉ロッテマリーンズ

――ナイター後に体を休めてからというと、けっこう深い時間帯になりますね。

「ですね。昨日は夜中の1時くらいに入り始めて、3セットくらいかな。1時間半くらいです。ただ、じっくりガッツリっていうよりは、わりとサラっと入って、ササッと出るんですけど」

――わりとあっさりですね。まぁ、深夜ですしね。

「そうですね。登板当日はそんなに長くは入らないような気がします。でも、その日の調子や試合の結果によっては傷心気味なこともあるんで(笑)、そんなときはちょっとだけ長めになることもありますね。ちょっと長めの3セットに(笑)」

――フィールドではあんなにクールでポーカーフェイスなのに……。見えないところでメンタルのオーバーホールというか心のメンテみたいなことをしてるんですね(笑)。

「いやいや(笑)。でも、次に持ち越さないためにも、スッキリさせないとっていうのはやっぱりありますよね」

©︎千葉ロッテマリーンズ

――体をほぐしたりとかもされますか? あの……試合中もちょっとプレートを外して体を左右にひねって振ったりとか、よくされているじゃないですか。

「あぁ(笑)、あの動きはマウンドでのルーティーンなんで。さすがにあそこまではやらないですけど、でもサウナ室で軽くストレッチしたりとかはあります。ホントに軽くひねったり、足を伸ばしたりする程度ですが、周囲に人がいないときはやったりしますね。

それと、サウナ室に座ったときは、姿勢に気を付けたり意識するようにはしています。まぁそれも最初のうちだけで、座ってるといつの間にか頭の中は水風呂のことしか考えなくなってくるんですけど(笑)」

――そのうち、さらにだんだんと「無」になっていくやつですね。

「はい。やっぱり登板した日は、そういったいろんなリセットのためにもサウナに行かないとダメなんですよね」

――前回うかがったところでは、登板した翌日……つまり今日は軽い調整をされるということでしたが、どんなメニューを?

「ほんとに1時間くらい、ストレッチとかバイクを漕いだりとか。前日の疲労をとるための“ほぐし”の練習という感じです。日によってはそのあとウエイト(トレーニング)などをすることもあるので、その都度、身体の状態によって少し変わったりはしますけど」

――なるほど。ちなみにそんな日にあたる今日は、サウナへは……?

「行きたいですね(笑)。このあと夜に」

――はい(笑)。で、登板の翌々日……つまり明日は完全に休養日にされるということでしたが。

「はい。明日はトレーニングも練習もせず、完全オフにしています」

――そういう日は、サウナは?

「聞きますか? 行きたいですけどね。昼……いや、午前中とかからでも(笑)。だから、いろいろこの取材のあとに検索すると思います。貸切のところとかをちょっとあたってみようかなって(笑)」

◆「マルシンスパ」に爆誕した新サウナ室の心地よさ

――そんなふうに、サウナも使って調整しながら長いシーズンを乗り切られるんですね。ちなみに前回は東京・神楽坂に新しく出来た貸切系の施設のお話をうかがいましたが、それ以降で印象に残ったサウナってありましたか?

「『マルシンスパ』(「天空のアジト マルシンスパ」/東京・笹塚)が良かったです。この間、行ってきました」

「久々に行ったんですけど……最高でした(石川) (撮影/編集部)

――あ、リニューアルしたんですよね、マルシンスパ。

「そうなんですよ。貸切のサウナ室もできたっていうので、予約して行ってきました」

――新設されたというサウナ室ですか? うわ、いいですね。いかがでした?

「めちゃくちゃ良かったですね。5~6人くらいは入れそうなサイズで、2段あるベンチも座面が結構広くて。今回、僕は1人で行ったんで、かなりゆったりと使えました」

――石川さんは熱いサウナ室がお好みですが。

「その新しくできた貸切のサウナ室もかなり熱くて、最高でしたね。ストーブも見たことのないタイプのもので、エストニア製らしいんですが、自分で温度を調節できるんです。そのうえ、セルフロウリュ(※)もできるんですが、その熱い蒸気だけじゃなく、熱い風も送ってくれる仕掛けになってるんです」

(※ストーブの上に積まれたサウナストーンにアロマ水などをかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」を自分で行える。熱い蒸気により、室内の湿度と体感温度が一気に上がり、快適な発汗が楽しめる)

――セルフロウリュ&熱波! それって、もうアチアチで、ゴキゲンじゃないですか! 

「はい。2時間制なんですが、時間いっぱいまでたっぷり味わいました。水風呂と外気浴は前からあるサウナ室と共用なんですけど、貸切サウナも含めて、マルシンはやっぱりいいなって再確認しました(笑)」

10階にあるマルシンスパ。エレベーターが少々ゆっくりなこともあり、階数表示が1フロア上がるたびに……テンションも⤴!! (撮影/編集部)

――貸切ではない、従来からあるサウナ室もリニューアルしたと聞いて、我々も行きたいなって思ってはいるんですけど……。

「その、以前からあるサウナ室も良かったですよ。ちょっとのぞいたくらいですけど」

――見てきたんだ(笑)! どんな感じに変わってました?

「もちろん(笑)。そんなに混んでいない時間帯だったんですけど、それなりに人はいましたね。そっちは改装前と大幅には変わってないんですけど、ちょっと広くなったような印象です。あと、ストーブの前に座れるスペースが少し増えてました」

――教えていただいてありがたいですが、正直、うらやましいです(笑)。

「ふふふ。マルシンは前から好きな施設なんですが、ここ何年かはやっぱり人が多過ぎるので行かなくなっちゃっていたんですよね。でも、今回新しく貸切のサウナ室が増えたことで『なら、また行ってみようかな』っていう気になったんで。あれ(=貸切のサウナ室)、すごくいいと思いました」

――わかりました! 我々もぜひ行ってみたいと思います。ありがとうございます。

◆サウナよりアツい!?あの球場での登板後は? 所沢&浦和近辺のおススメ施設

――さて、毎回うかがっている「遠征先でのサウナ」についてですが、前々回の「札幌」、前回の「仙台」ときて、今回は「所沢」=ライオンズ戦のあとのサウナについてうかがえたらと思います。

「ライオンズ戦は、東京の西部……立川近辺にあるホテルがチームの宿舎になるんです。チームのバスでベルーナドームから移動してくるので、所沢というよりは都内=その近辺のサウナへ行ったりすることのほうが多いです」

――なるほど。

「立川の『ミナミ』(「サウナ&カプセルイン ミナミ 立川店」)とか、早い時間に試合が終わったときは『立川湯屋敷 梅の湯』っていう銭湯へ行ったり、とか……」

――「ミナミ」は学芸大学駅など都内に数店舗がありますが、どこも併設のジムも使える施設ですよね。

「ジムは使ったり使わなかったり、です(笑)」な「ミナミ」の立川店 (撮影/編集部)

「そう、そういうこともあって、僕らにとっては“安定のミナミ”ですね(笑)。学芸大学のミナミは去年の秋に外気浴もできるようになったんで、どこへ行くか迷った挙句、結局、学芸大のミナミに……なんてことも割とあるくらいで(笑)」

――「立川湯屋敷 梅の湯」は、どんなところがお好きで?

「やっぱりサウナがしっかり熱くて、サウナ室の湿度もしっかりしているところ……とくにロッキーサウナ(※)の湿度がすごくいいんですよね。それと銭湯にしては広いところが好きですね」

(※「ロッキー山脈」のようにサウナストーンが山積みにされ、上から定期的にロウリュの水がかかる「オートロウリュ」システムのサウナストーブが設置されたサウナ室。なお、「立川湯屋敷 梅の湯」は2階の浴室にあるサウナ室がロッキーサウナ)

「銭湯には外気浴ができないところも少なくないけど、梅の湯はそれもできる」ところも好きなポイントだそうです (撮影/編集部)

――良い銭湯サウナも把握していて。その守備範囲の広さというかサウナ愛の深さに、本当に共感とリスペクトを覚えます(笑)。

「いやいや(笑)。あとは、登板日以外でベンチに入らずチームと別行動になるときなどに、先に上がって所沢の『ベッド&スパ』(「ザ ベッド&スパ 所沢」)に行ったこともありますね。ここもサウナ室が2つあってそれぞれ違った気持ち良さがあるし、水風呂も冷たく、外気浴もできて……あそこもめちゃくちゃ良かったですね」

「ザ ベッド&スパ 所沢」も、独自のサービスやギミックも多く愛好家にアツく支持される施設です (撮影/編集部)

――ベル―ナドームといえば、晩秋やオープン戦の時期は寒いけど……。

「(察して、食い気味に)そうです、暑いんですよ、夏はめちゃくちゃ」

――まさにサウナ並みですよね(笑)。

「いや、以上ですよ。サウナ以上(笑)。アンダーシャツはイニングごとに着替えますし、帽子やユニフォームも他の球場での登板試合より多く用意して、かなり頻度多く替えますから」

――サウナ好きの石川さんとしては……。

「(食い気味に)『サウナが好きだから余裕だろ』ですか? 全然そんなことない。あそこは真夏はめちゃくちゃキツいです(笑)!」

――失礼しました(笑)。あっ、埼玉つながりでいうと、実はマリーンズってファームの試合などで同じ埼玉の浦和球場を使われますよね。

「そうですね。僕も一軍帯同しないときなどは、浦和で練習したりもしますが、そのとき、帰りにまた違うところに行くこともあります。『草加健康センター』(「湯乃泉 草加健康センター」)とか、あとは池袋の『レスタ』(「タイムズ スパ・レスタ」)や『かるまる』とか」

――いいですね。隙あらばというかチャンスがあれば名施設、人気施設へ(笑)。

「いや、全然そんなに頻繁にっていうことではないですよ。でも……まぁ、どこも好きですね(笑)」

「草加健康センター」でこの看板を見て頷いちゃう人も多いはず!? そう、やっぱり“NO SAUNA & BASEBALL NO LIFE!!”ですね (撮影/編集部)

◆このオフにやるべきこと。行くべき(!?)サウナ。

――試合の緊張や、コンディションを保つ練習&調整の日々。長いシーズンを終えると疲労は相当なものだと聞きます。すぐに秋季練習などが始まるとはいえ、オフの間はそうした疲れをリフレッシュすることも大切かと思いますが。

「そうですね」

――以前に、オフには機会があれば「The Sauna」(長野)や「白銀荘」(北海道)などに行きたいと話されていましたが、ほかに今、気になるサウナはありますか?

「あ、それで言うと、昭和系のサウナが結構好きなんですけど……『大垣サウナ』(岐阜)とかに行ってみたいですね。前回の取材のときに、サウナ関連のクラウドファンディングも気になるものはチェックしたりするっていう話もしたんですが、『ノスタルジックサウナ』の写真集をつくるというプロジェクトにも賛同して、この間、その写真集が届いたんです」

大垣は、“水の都”ともいわれる地。水風呂好きな石川さんはきっとトリコになると思います…… (撮影/編集部)

――はい。実はその写真集の制作チームに我々も名を連ねているんですが、支援してくださった「サポーター」の中に石川さんの名前を見つけたときはビックリしました(笑)。

「そうですか(笑)。あの写真集、すごく良かったですよ。掲載されているところ全部に行きたいなって思いました。その中でも、まずは昔からずっと行きたいと思いながら行けていない『大垣サウナ』と、『サウナきさらづ つぼや』(千葉)へ行ってみたいなと」

――「つぼや」さんも、行かれたことはない?

「はい。やっぱり『大垣サウナ』と同様に、行きたいのにタイミングが合わなくて行けていないんですよ。何年前だったか『サウナを愛でたい』(BS朝日)で放送されたことがあって、それを見たときからずっと行きたいって思っているんです。あとは、やっぱり千葉にある施設さんということもあるので」

「つぼや」も問答無用な熱さ…いわゆる昭和ストロング”な名店です (撮影/編集部)

――そうか。マリーンズはずっと「ALL FOR CHIBA」ってスローガンも掲げてますよね。ただ千葉県は実は広いので、(幕張から木更津も)相当距離はありますけどね。

「いや、近いうちに行きたいです」

――分かりました。ありがとうございます。1年の“オーバーホール”も兼ねて、ぜひ!

「そうですね。シーズンが終わったとはいえ、また来季に向けて練習はすぐに始まりますから。引き続き前と上を見て、来シーズンへのいい準備を進めていきたいと思います」

来季へ向けて、充実のオフに期待します!! (撮影/編集部)

【石川 歩(いしかわ・あゆむ)】

1988年4月11日生まれ。富山県出身。右投右打。滑川高から中部大、東京ガスを経て、2013年ドラフト1位で千葉ロッテに入団。2014年に新人王。2016年に最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレート、シンカー、カーブ、スライダー、フォーク等多彩な球種と精緻な制球力を武器に活躍。