日本のプロ野球界きってのサウナ愛好家・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手に、サウナにまつわるあれこれを聞く当連載。毎月、背番号にちなんで12日に公開していきます。3回目の今回も、アスリートならではのサウナの楽しみ方や、サウナにまつわる「妄想」など、いろいろ教えてくれました。普段のクールな姿からは想像もつかない(!?)、満開のスマイルも必見です!

(未読の方は、#1#2も、ぜひあわせてお読みください)

◆今回も……最高のサウナを教えていただきました!!

――今月もさっそく、おうかがいしたいことがたくさんあります。

「本当ですか(笑)? どうぞ、なんでも聞いてください(笑)」

――まずは、今月もサウナで撮っていただいた写真を送っていただきましたが、これはどちらですか? めちゃくちゃ良さそうな施設ですね。

「ええと、これは東京・神楽坂に新しくオープンした『Boutique Sauna ARCH』というサウナです。一棟建てのサウナなんですが部屋は2つだけで、いい意味で小じんまりとした感じで。会員制・予約制なのでプライベート感もあって……良かったですよ」

――はい。石川投手の表情からもビンビンに伝わってきます。

「あはは、そうですか(笑)? でも、写真の通り、サウナ室は奥行きがあるので横になって寝られて、セルフロウリュ(※)もできました。ちょっと浅めだけど水風呂もしっかり冷たくて。なにより部屋が2つだけなので、すべてのスペースが広いんですよね。しっかり楽しめました」

(※セルフロウリュ=熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させること)

――石川投手もそうですが、スポーツ選手は体も大きいから、サウナ室などが広いのはいいですね。そして体感温度を思い通りにしっかり上げられるセルフロウリュも……実にいいです。

「はい。あと、ここは自分でサウナ室の温度も自由に設定できるんですよ。それもすごく魅力的だなと思って」

――それもいいですね。何℃くらいに設定したんですか?

「いや、僕はとくに設定しませんでした。90℃だったので、それでいいかな、って」

――え? 温度って普通は自分で自由に調整できないじゃないですか。もしできる施設だったら……「絶対100℃越えがいい!」とかリクエストしてもいいんじゃないですか?

「そうかもしれないですね(笑)。いや、行ったらその時点で90℃くらいになっていたんで、まぁ、それでいいかなぁ、と。『あとはセルフロウリュで調節できるかな』って」

――なるほど。まぁ、その欲張らない感じというか、力の抜け加減も石川投手っぽいですけどね(笑)。こんな良さげなところ、どうやって見つけられたんですか?

「あの~、ネットで見つけました。今年の5月、6月くらいかな? この施設がクラウドファンディングで支援者を募りながらオープンに向けて建築中っていう情報を見つけまして。なんかすごく良さそうだなって思ったんで、僕も支援してみようかな、と」

――じゃあ、オープンまで楽しみだったんじゃないですか?

「そうですね。めちゃくちゃ楽しみでした。それが、先日いよいよ完成したというので、『よし!』と思って行ってきました。2つ部屋があるっていいましたけど、今回はそのうちの広いほうの部屋で。サウナ室と水風呂があるフロアから1階上に上がると休憩ができるっていう作りでした」

――いわゆるメゾネットタイプになってるんですね、すごい! たしかに、これはめちゃめちゃくつろげそうです。

「はい。2時間くらいですけど、じっくりととのってきました」

――(笑)!! いいですねぇ、そのスマイル。ほんとに気持ち良かったんでしょうね。先ほどネットで見つけたとおっしゃってましたが、いろんな情報はご自身でネットで集めてるんですね。検索ワードとかは何と入力されてるんですか?

「普通に『サウナ』とかです。あとはTwitterとかのSNSで、いろいろな人の書き込みやリツイートされているのを見たりして参考にしてます」

――じゃぁ、練習がひと段落してスマホを見ると、タイムラインにサウナの情報が入ってきていたり?

「はい、めちゃめちゃ流れて来てます(笑)。新規のオープン施設や新たなサービスの話題とか、『プライベートサウナを作った』とか……。それを見るのも、実はわりと楽しみな時間で」

◆あふれ出るサウナ愛。妄想(!?)も止まらない!!

――そうした情報や投稿を見ているうちに…ご自身もサウナを作ってみたいなんて気持ちになったりしませんか?

「そうですね。まぁ、その欲望は結構あります(笑)、やっぱり。いつかは自分のサウナを持ちたいな、っていう」

――わかります。そして、けっこう具体的にイメージしちゃったりも……。

「そうですね。ちょっと妄想したりすることもあります(笑)」

――もしよければ、そのイメージを聞かせてください。

「えぇっと、あくまで妄想ですけど……。まず、水風呂は井戸を掘って」

――井戸から! でも、ものすごく共感します。

「やっぱり気持ちいいですからね、地下水の天然水は。その温度にもよりますけど、チラー(※)も入れたりして。それでサウナストーブは、電気のストーブと薪ストーブを用意して……」

(※チラー=水温を冷やすなどしつつ、温度を一定に保つ機械

――ストーブは2台も! そのサウナ室、めちゃめちゃ熱そうです。いいですねぇ。

「いや、電気のほうは普段使いのサウナ室用で、薪ストーブは庭などにバレルサウナ(※)みたいなのを作って置けたらな……って。そっちは特別な日だったり、休日などにじっくり楽しもうかなって思うんですけど」

(※バレルサウナ=大きな樽型のサウナ小屋

――なるほど、そもそもご自宅にプライベートサウナを、1つではなく2つ作って使い分けるということですか(笑)! いやぁ、いい!!

「いや、あくまでも妄想なんで(笑)。まぁ、今はまだできないですけど、いつか……野球を辞めたあととかにでも、そのくらいのができたらいいなっていう」

――いやいや。実にいいです。その夢が叶ったら、ぜひ遊びに、いや取材でうかがいたいです(笑)。

◆サウナとコンディショニング~登板にあわせたサウナの入り方

――さて、石川投手の「プロ野球選手ならでは」のサウナライフについて今月もうかがいたいんですが。今回はサウナを使った、体やコンディションのととのえ方について教えてください。たとえば、登板前後はどんな感じにサウナに向かわれてるんですか。

「いちばんガッツリとサウナに行きたいなって思うのは、登板した日の試合後ですね。以前もお話ししたと思うんですが、投げた日って、そのままだと本当に眠れないんですよ。興奮しているというか……」

――「アドレナリンが出ているのかも」っておっしゃっていましたよね。それを鎮めるために、登板後はやっぱり行きたい、と。

「はい。試合が終わって、少し休んだあとに行けたら理想的だなって。それで、3~4セットくらいすると、『あぁ、眠れそうだな』っていうか、落ち着いてくる感じです(笑)」

――登板の前に、気持ちをリラックスさせるために行く、みたいなこともあるんですか?

「いや、登板前日は行けても行けなくても、それはどっちでもいいんですよね。むしろ行かないかな。行くと早く寝ちゃうんで(笑)、ナイターだと起床時間から球場入りまで時間が空いちゃったり、コンディションが微妙になっちゃうこともあるので。前日は……行ったとしても、軽く入る程度にしています(笑)」

――やっぱり睡眠の質=コンディションに直結するから、そのあたりは調整されてるんですね。

「そうですね。登板した後もサウナに行けば普通に眠れますから。6~7時間ほど眠って、翌日は調整程度の軽い練習をします。その次の日は完全に休養をとって、以降は次の登板に備えてまたコンディションを整えていくっていう感じで。基本、今年は中6日で回していってるんですが」

――なるほど。そうすると登板から登板の合間の日々は、チャンスがあれば、という感じなんですね。

「はい。まぁ……でもまぁ、登板の前日以外は『できれば行きたいな』っていつも思ってはいるんですけど(笑)」

――睡眠だけではなく、たとえば食べ物なども、なにか登板前後で気を使われていたりしますか?

「あぁ、それも一応、考えながらやってます。だからサウナに行った時に食べるご飯も、登板日の前後でちょっと違っていたりはしますよね」

――どんな風に?

「基本的に、僕はなんでも食べるんですけど。まぁ『サウナめし』としては中華とかが好きですね。チャーハンとか。あとは施設によって、そこの美味しい定食とかを頼んだりしていますね」

――いいですね、中華。施設によっては…ということですが、「ここのアレが旨かったな」って思い出せるものは何かありますか?

「『ヨコヤマ・ユーランド鶴見』(神奈川)の生姜焼き定食ですかね。いま真っ先に思い出しました(笑)。あと思いつくのは……『サウナセンター』(東京)のカレーかな。あそこはハムエッグも有名ですけど、目玉焼きも旨いんですよ。その目玉焼きをトッピングしたカレーがおいしかったですね」

――なるほど。そういったメニューがお好みだとして、登板日の前後では…それぞれどんなものを?

「登板した後は、好きなものや食べたいものを気にせずに頼むんですが、登板前は、そうですね……2日くらい前から生モノは食べないようにしたり、油ものも控えるようにしてます。で、糖質も低めというか、抑え目に」

――そうすると、具体的にはどんなメニューに?

「和食の定食……焼き魚定食とかにしたりしていますね。登板日が近いときのサウナめしとしては」

◆遠征先の好きなサウナ~仙台編~

――ありがとうございます! では、最後に、前回から聞き始めた「遠征先のサウナ」についてもうかがいますね! 前回は札幌でしたので、今回は仙台をお願いします。

「仙台もいくつか好きなところがありますけど、やっぱり『キュア国分町』(「サウナ&カプセル キュア国分町」)が好きですね。4段のベンチがある大きなサウナ室で、サウナストーブが左右に2つ、ドーンとあって。湿度もしっかりしていて、あのアツアツさがたまらない。一番上の段が空いていたら、間違いなくそこに直行します(笑)。水風呂も水質がすごくいいし、わりと深くて水に動きがあるから冷たいですし、外気浴もできて。あそこも最高ですよね」

――1階のフロント前には、楽天イーグルスの選手のサインとか道具が飾られてますよね。

「ありますよね。松井(裕樹)投手とか、銀次さんとかの。サウナでお会いしたことはないですけど、やっぱりみんな好きなんだなって(笑)。僕も、隙あらばというか、遠征時はチャンスがあれば毎日でも行きたいサウナ施設です」

――ほかにも仙台では行きつけが?

「そうですね。ほかのホテルサウナとか、ジムの『ジェクサー』のサウナとかにも行きますが、やっぱり『キュア』が多いですね、仙台では。あとは、楽天のファームに近いところにある『汗蒸幕のゆ』という温浴施設が気になっています(笑)」

――気になっている?

「はい。イースタンリーグの試合に出場したときに、楽天の横尾(俊建)選手に『この球場のそばに、いいサウナがあるんすよ』って教えてもらったんです。彼も結構サウナが好きで行ってるらしいんで、今度行ってみたいな、と」

――おにぎり君(=横尾選手の愛称)、声をかけてきてくれたんですか? やっぱり、球団の垣根を越えて、球界全体でサウナ好きのネットワークが広がっているのは…いいですね。

「そうっすね、僕もそれはすごくいいことだと思います(笑)。ほかにもアウトドアサウナで『MARUMORI-SAUNA』という施設など気になっているところもあるんですが、仙台の都心部からは少し距離があるので……でも、いつか行きたいなと」

――分かりました! 今月もありがとうございました。ペナントレースもいよいよ大詰めです……!

「そうですね。あと何試合かは登板する機会があると思うので、投げる試合は全部勝つつもりで。最後まで上を目指して、引き続き全力でやっていきたいと思います」

【石川 歩(いしかわ・あゆむ)】

1988年4月11日生まれ。富山県出身。
右投右打。滑川高から中部大、東京ガスを経て、2013年ドラフト1位で千葉ロッテに入団。2014年に新人王。2016年に最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレート、シンカー、カーブ、スライダー、フォーク等多彩な球種と精緻な制球力を武器に活躍。