「MOKU」タオルに今治サウナハット…コンテックス社製品の大ヒットには理由がありました! (#4)どうせやるなら、自分たちがつくる“意味”と“価値”があるものを!! 「今治サウナハット」開発秘話

<これまでの記事 #1#2#3も、ぜひお読みください>

「いいモノをつくり続ける」「新しいチャレンジでも、面白そうなことは恐れずやってみる」という会社の風土と「サウナが好き」「サウナの良さをいろんな人と共有したい」という近藤珠文さん、相馬蔵人さんの思いが見事に“結実”して生まれた「サウナMOKU」、施設さんとの「コラボMOKU」がサウナ愛好家の間で大人気に。お2人のアイデアは留まることなく、その後も次々に新たなアイテムがコンテックスから生まれてきました。

――サウナマスクや、サウナマットなどのいろいろな商品を「サウナ部」として手掛けられるようになって。私が驚いたし思わず「これはすごくいいな」って思ったのが「今治サウナハット『POCKET』」でした。

近藤さん:「そうですか! どれも『MOKU』と同じで、もともとコンテックスで作っている生地、タオル素材を生かしている製品です」

相馬さん:「『MOKU』のときと同じです。『この生地でサウナ用に、こんな風に』と」

サウナマスクもアジャスターを付けるなどさまざま試作をして作られています

――はい、そうですよね。でも、あのサウナハットを最初に目にしたときに「機能」や「特徴」が本当に素晴らしいなって思いました。

近藤:「ハットにつけたポケットですか? 『MOKU』シリーズのときもそうだったんですが、何か普通に作って出しても面白くない、という思いが常にあって。何か自分たちならではの“色”や付加価値を付けられないか、と」

相馬:「ただ“今治タオルでサウナハットを作りました”でもいいかもしれないいけれど、それではちょっと弱いし、少しつまらないな(笑)と。いろいろ考えました。サウナの中でも考えてましたね」

近藤:「それであるとき、腕に巻いていたカギが“熱っ!”ってなって(笑)」

――あぁ~。あるあるです(笑)。

相馬:「で、カギが入れられるポケットを付けたら……いいよね? って」

――そうなんです。あのポケットが私には衝撃的でした。カギだけじゃなく、人によっては飲み物の購入用やドライヤー用に小銭なども入れられます。

近藤:「サウナ好きの人に喜んでもらえる機能、それは新たな価値になりますから」

――そして、自分の好きな文字を刺繍で入れられる…あの“オーダーメード感”も嬉しかったです。

近藤:「そう言っていただけると僕らも嬉しいです(笑)。『MOKU』もそうですが、もともとタオル屋さんなので刺繍のサービスは普通にやってますから」

――でも、ユーザーそれぞれが自分の名前や好きな言葉を入れられる、いわば「世界にたった一つしかない」ものを作れるのは…相当ですよ! 1文字55円というのは安いと思います!!

近藤:「実際に購入される方の8割くらいは刺繍もオーダーされますので…たぶん、そうなんですよね。喜んでいただけるのは良かったです」

相馬:「ポケットが付いて、個人でカスタム……刺繍も入れられる。そこまでできたら最高だね、って話はしました。でも、それなりに大変なんですけど(笑)」

近藤:「先ほどもお話ししましたが、“刺繍班”が出来ましたからね(笑)」

――カラーバリエーションも多彩だけど、刺繍する糸の色も選べて。その“ユーザーファースト”ぶりが、すごいです!

相馬:「カラーバリエーションは最初、3色からスタートして。追加で生産するときに、1色とか数色ずつ増やすかたちで、いま8色で展開しています」

――どのくらいまで増やして大丈夫なんですか?

近藤:「相馬と相談しながら…色だけでなくデザイン的なものも含めて、相馬がやりたいものを挙げるだけ挙げて、僕が引き締めます(笑)。でも、要望が多ければ…聞いてしまうんですけど(笑)。『ターコイズが欲しい』という声が何件か届いたら『作れそうだね』って、ゴーサインになっちゃいますから(笑)」

1937年の創立以来“ものづくり”にこだわり続けているコンテックス。その伝統は今も生きています

その後も、「今治サウナハット『FOCUS』」(上述の『POCKET』より深めにかぶれる=よりサウナ室で自分に『FOCUS』できる=ハット)など、試作を重ねて多様な商品を開発するお2人でしたが、そこに新たなメンバーが加わります。この短期連載の#1でもご登場いただいた、東京営業所の会沢さんでした。「サウナ部員」が3人になったことで、また新たなチャレンジも始まることに…。

(次回へ続きます)

撮影提供/コンテックス株式会社

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