めちゃくちゃ薄くて軽いのに、髪や肌についた汗や水分をあっという間に吸い取ってくれて、なおかつすぐに乾く「MOKU」タオル。サウナ好きの間でヒット商品となり、その高い機能性もあって、今や全国のさまざまなサウナ施設でオリジナルの刺繍が入った「MOKU」を展開しているのは皆さんもご存じかと思います。

前回の記事(#1)で、この「MOKU」を作っていらっしゃるコンテックス株式会社の会沢愛未さんとお話しさせていただいたことを綴りましたが、それ以来、コンテックスさんのことがさらに“気になる存在”になっていた我々に、“運命”が訪れました!(←ちょっと大げさですね)。なんとコンテックスさんの本社がある愛媛県に出張に出かけることになったのです!

何か所かで用事を済ませて、時計を見ると……帰りの飛行機までまだ余裕があります。これは行くしかない! と向かったのがコンテックスさんの本社と工場の敷地内にある「コンテックスタオルガーデン」。

同社の製品がずらり並んでいて(もちろん「MOKU」も、「今治サウナハット」も!)、購入することもできるショールーム的なショップなのですが、そちらを一通り見せていただいたあと、会沢さんからお名前をうかがっていた「今治本社のサウナ部員」のお2人がいらっしゃるか尋ねてみたところ……なんと、お会いできてしまったのです!

コンテックス サウナ部の近藤珠文さん(左:営業ご担当)と相馬蔵人さん(右:デザインご担当)。お忙しいのに…ありがとうございました!

――お忙しいところすみません! はじめまして、「SAUNA BROS.」と申します。イベントでは会沢さんにもお世話になりました。

近藤さん(以下敬称略):「こんにちは。今日は出張ですか?」

――そうなんです。で、愛媛といえばコンテックスさんがあるな、って思って来てみたんですが…まさかサウナ部のお2人にお会いできるなんて!

相馬さん(以下敬称略):「(笑)。いやぁ、こんな遠くまで来ていただけてうれしいです」

なんていい人たちなんでしょう。こんな突然の訪問なのに…。

「よかったら、タオルができるところも見ていきますか?」…なんと、工場の内部も見学させていただきました!
たくさんの織機が稼働中。糸をこうして生地にしていくんですね
品質管理のため、室内の温度・湿度も常に調整。こんなふうに水分を噴射している箇所も!

――お2人で、あの多彩なバリエーションの「MOKU」タオルや「今治サウナハット」を手掛けていらっしゃるんですよね?

近藤:「『MOKU』じたいは、実は10年くらい前から生産しているタオルなんです。僕たちは、それをベースにサウナ好きの人やサウナ施設さんとのコラボ商品をいろいろと作らせてもらっています」

――そうなんですね! あの薄くて軽い魔法のタオル…ちょっと大げさですが、初めてみたときは感動しました。

近藤:「吸水力を持ったまま、あの薄さと軽さを実現するために、とても細い糸を使って特殊な織り方で作っているので、たしかにあまり見かけないかもしれませんね。たぶん作っているタオルメーカーはほとんどないと思います」

――え、そうなんですか? 今治でも?

近藤:「もともとタオルって糸の重さというか、商品の重さに応じて値段が決まったりする業界ではあるので、使い勝手の良さや工夫など商品の付加価値が価格に反映されずらいところがあるんです。なので、薄くて軽いタオルをわざわざ手間をかけて作るメーカーは、そもそもあまりないと思います(笑)」

何百本、ひょっとすると何千本? もの細い糸が、切れたりゆるんだり絡んだりしないよう、熟練の手先での調整も必要なんだそう

――え? そうなんですか!? でも、あれはすごくサウナ好きやお風呂好きにはありがたい商品です。

近藤:「コンテックスは、自分たちが欲しいもの、そしてそれを喜んでくださる人や必要と思ってくれる人がいるのなら、そういう商品は作っていくというスタンスの会社なので」

――素晴らしいなぁ…。そんな御社の社風というか土壌、バックグラウンドがあって、そこに「サウナ部」のお2人の情熱がプラスされ、「MOKU」の大ヒットにつながったんですね!

近藤:「今でこそいろいろな施設さんとコラボしたり、たくさんのサウナ好きの皆さんに知っていただけるようになりましたが、実は最初はここまでなるとは思っていなかったんです(笑)」

相馬:「そうですね。ただサウナを知って、好きになって…サウナとちょっと関わる仕事ができたらっていう思いだけでした(笑)」

近藤:「当時は売上のことは全く期待してなかったんです・・・どちらかというと、業務という名目でサウナ施設を巡りたかったという不純な動機の方が大きかったかもしれません(笑)」

――お2人とサウナとの出会いって?

相馬:「話すとちょっと長くなるんですが…あるとき、Twitterでプレゼントキャンペーンをやったんですね。そのときの賞品はタオルケットだったんですが、当選者の方がたまたまサウナ好きの方だったんです。それでその方から『コンテックスのMOKUをよくサウナで使ってる』っていうメッセージが届いて、“サウナか…僕も行ってみようかな?”って思いまして。近くのスーパー銭湯にあるサウナに入ってみたら、すごい気持ちよくて、“ヤバいな、サウナ”って思って。そこからですね」

近藤:「僕も相馬から“サウナがヤバい”って聞いて、行ってみたんです。そうしたら“なんじゃ、これは!”って(笑)。で、毎日のように行くようになりました」

相馬:「その1~2週間後に、『MOKU』にサウナにまつわる柄を入れた商品を作ってみたらどうかな、ってなりまして」

近藤:「実は、僕たちも『MOKU』を持ってサウナに行っていたんですが、あるとき『MOKU』じゃないタオルを使ってみたら、逆に『MOKU』の良さが分かったんです(笑)。このタオルは本当にサウナにいいなぁって。これをサウナ好きの人にスタイリッシュに届けられないか、と」

相馬:「サウナ室に入りながら、“ととのいイスを刺繍にしたらかわいいな”とか、ずっとイメージしたりして。そういう思いつきから4種の刺繍を入れたシリーズ『サウナMOKU』を始めることにしたんです」

その4種の刺繍がこちら。「サウナ部」「トトノイイス」「オロポ」「ととのい君」

近藤:「4種を50枚ずつ作って、試しに販売したら、発売初日で完売したんです」

――すごい!

相馬:「あ、そのときに2人でサウナ部も立ち上げたんです」

近藤:「そうそう。基本的に新しいことにもアグレッシブな会社なんですが、さすがに“個人の趣味”で提案するよりは“サウナ部”という名前での提案のほうが会社も動きやすいだろう、ということで(笑)」

――あはは! わかります、その感じ。でも、サウナを知って1~2週間で一気に商品化まで、というスピード感はすごいですね。

近藤:「“サウナでの心地よさ”を生み出せる品質の良いものをベースに、デザインや刺繍などの付加価値を加えれば、それがきっかけとなって届く人には届くんじゃないか、と思ったんです。“自分で責任をとります”といえばやらせてくれる会社ですしね」

自信満々ではなかったそうですが、でも「いいモノを作っている」という自負とともにスタートさせた「サウナMOKU」。間もなくお2人の思いが“届いた人”からの反響が返ってきたそうです。

東京・国立の「鳩の湯」という銭湯からの、「オリジナルの刺繍を入れた『MOKU』を作れないか?」というオファーでした。「サウナMOKU」、そして「コラボMOKU」シリーズのさらなる大躍進の始まりです。

(次回へ続きます)

撮影/佐藤佑一(商品写真はコンテックス株式会社 提供)