友野一希「スケートときどきサウナ」⑱大雨だった初kukka

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せっかちだからこそサウナで気分転換を

――実際コミュニケーションの場としては最適で、サウナで会議や商談を……というビジネスマンも増えていると聞きます。

「なんかわかります! 僕も例えば振り付けを考えている時、リンクの上で真剣に議論するのもいいんですが、意外とドライブしている時とか、それこそサウナ中にアディアが浮かぶことがありますし、カジュアルな場所の方が逆に議論が白熱することがありますから。そういう部分で、何事にも柔軟性のある海外の選手の方がブッ飛んだ発想が浮かぶのかもしれないですね」

――いつもの場所を飛び出すというか、切り替えも大事ですよね。

「僕、結構せっかちなんで、マイペースというものに憧れていて。ご飯食べるのも鬼速いんですよ。友達と一緒に行くと食べるのが速すぎる怒られるくらい。時間がもったいないというか、カッカッカッと分刻みでやりたいんで。あ、シャワーも秒、です!(笑)。だから、ゆっくりしたい時や考え事をしたい時には銭湯へ行って、サウナに入る。そういう切り替えをするようにはしています」

――さて、今シーズンも3月で終了します。先ほどスケートの話題が出たところで、ちょっと早いですが、来季の目標を聞かせてください。

「最近は事あるごとに『2年後の五輪(ミラノ・コルティナ2026冬季競技会)を目指す』と言っているんです。それは自分の中で明確に迫っている目標だからなんです。“何のためにスケートを続けるのか?”と考えた時に、そこしかないと思いましたし、目指すのはメダルを獲ることしかないなと。それなりに成績は残してきたつもりですが、やっぱ1番がほしいじゃないですか。そのためにも、来シーズンは爆発的なものをお見せしなきゃと肝に銘じています」

――「2年後」と言っても、案外すぐですからね。

「僕自身、正直、現役でいられる時間は限られていると思っていますので、あと2年間……命削って、じゃないですけど、これまで以上にスケートに本気で取り組んで、何としてでも結果につなげたいと思います。性格的に、こういうふうに自分で言って自分を奮い立たせないとやれないタイプなので。弱い人間なのでね、常に自分に発破をかけてやっていきたいです。あとは“どこまでいけるんだろう?”という自分への興味もありますし。やるからには、その先の自分を見てみたいです。というわけで、今シーズンも応援ありがとうございました!」 

【友野一希(ともの・かずき)】
1998年5月15日生まれ。大阪府出身。
4歳よりスケートを始め、ジュニア時代から表現力の豊かさには高い評価が。見ていて楽しくなるその演技で“氷上のエンターテイナー”“浪速のエンターテイナー”と称されることも。2022-23シーズンは、全日本選手権で3位。世界選手権6位。2023-24シーズンもさらなる高みを目指して、シリーズ第4戦中国杯第4位。1月に行われた「国民スポーツ大会」ではショート・フリー合計252.63点で逆転優勝を飾った。上野芝スケートクラブ所属。

取材・文/橋本達典
写真は友野さん提供です

お話に出てきた施設(出てきた順)

The Sauna

■住所: 長野県上水内郡信濃町野尻379-2 ゲストハウスLAMP野尻湖内
■営業時間:水曜〜月曜=前8:30〜11:30、後0:15〜3:15、後4:00〜7:00。※事前予約制、3時間貸切制
■定休日:火曜
■料金:平日=35,000円、休日=38,000円
The Sauna公式HP

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