外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~
Guten Tag (グーテン・ターク)!ドイツ在住の木村です。
根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けしております。
今回はドイツ・ミュンヘンへ行ってまいりましたので、その模様をリポートしたいと思います。
(前回の #10 ドイツ・ベルリン編はこちらから)
南ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘン。国内で3番目に大きな都市で、毎年9月から10月の頭にかけて開催されるオクトーバーフェストでも有名。BMW本社・博物館があるほか、人気観光地ノイシュバンシュタイン城にも近く、旅行者で賑わう町です。
超大型ウォーターパーク ”テルメ・エルディング”
ミュンヘンの拠点、ミュンヘン中央駅からS バーン(日本でいう普通列車)に乗って1時間ほど郊外に出たエルディングという土地に、今回の目的地「テルメ・エルディング」があります。サウナとプールなどが併設した超大型ウォーターパークで、グーグルマップのレビューで星の数が42,000(2023年10月現在)を超えるなど(しかも軒並み高評価!)、多くの方からの支持を集める人気施設です。
丸一日滞在していてもすべて回り切るのが難しいほどの大型施設。サウナの数だけでも全部で24室あり、まさにサウナの楽園です。多すぎて、とてもすべてを紹介することはできませんが、特に私の印象に残ったサウナは以下の通り。
ロシア式バーニャ(バーニャ=ロシア語で「サウナ」の意味) (温度:70℃)
100名以上収容可能な大箱で、特筆すべきはそのサウンドシステム。アウフグースの演目によって曲調は変わりますが、私が訪れたときはテクノが流れており、まるでクラブにいるのではないかと感じるほどのサウンド。日本ではなかなかできない体験です。
・レイクサウナ(温度70℃、湿度10〜20%)
ガラス張りのサウナで、隣接した天然湖にまるで浮かんでいるような感覚に。
・ケロサウナ(温度85℃、湿度5〜7%)
ヨーロッパ最大のケロサウナハウスで、フィンランドとロシアから運ばれた樹齢250〜300年のケロ(立ち枯れた松)の幹が500本も使われた北欧建築の傑作。
・高温サウナ (温度100℃、湿度5〜7%)
テルメエルディングで1番熱いサウナ。湿度も低く、一瞬で大量の汗が出てきます。
そのほか、世界各地の特徴を取り入れたサウナがたくさんあり、様々な土地を旅行した気分になれます。
・アルペンシュタットル
民族音楽が流れるサウナ。
・ヴィラトスカーナ
伊・トスカーナ地方を彷彿させる地中海ハーブの香り溢れるサウナ。
・メディテーションサウナ
仏像と瞑想音楽により、アジアを想起させるサウナ。
・トロピカルサウナ
木々に囲まれ、熱帯雨林の音が流れる湿度高めのサウナ。
全部で24室あるサウナはすべて特徴付けられていて、丸一日いても飽きることはありません。
世界記録への挑戦
さて、そんなテルメ・エルディングでこの10月、サウナフェスティバルが開催されました。フェスティバルの目玉は、1つのサウナへ同時に世界59カ国の人が入るというもの。先ほど紹介したバーニャで開催され、見事世界記録を更新。いろんな国の人が行き交うドイツならではの大記録となりました。
本当に、ここまでの大規模のサウナ、ウォーターパークはなかなかお目にかかれないので、ぜひサウナ好きのみなさんには一度足を運んでいただきたい施設です。ちなみにプールとサウナでエリアが分かれていますが、サウナエリアは16歳以上が入場可能。ドイツなので水着不可、携帯の持ち込みも不可なので、デジタルデトックスには最適です。 サウナエリア内にはビーチの砂浜テイストの休憩エリアや、全裸のまま泳ぐことができるプール(中でドリンクを飲むことも可能)もあり、サウナ後にゆっくりするスペースも充実。
あとがき
ミュンヘン名物オクトーバーフェストにも足を運んできました。民族衣装を着てビールを飲みながら、みんなで歌うTake Me Home, Country Roads。とても素晴らしい体験です(ドイツ人のクラスメイトがカラオケで同曲を歌う理由がようやくわかりました)。
ぜひテルメエルディングでサウナに入ったあと、オクトーバーフェストでビールを飲んで喉を潤してはいかがでしょうか。
【木村 光留(きむら・みつる)】
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。現在はドイツ・バイエルン州に滞在中。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。(twitter:@buraraorange)
Therme Erding (テルメ・エルディング)
施設情報や料金、メニューは公式サイト(https://www.therme-erding.de/en/)から。