「外気浴(かぜ)をもとめて」#10 ドイツ・ベルリン編

外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~

Guten Tag (グーテン・ターク)! ドイツ在住の木村です。
今月よりドイツに生活の場を移しております。

根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けしております。
今回はドイツ・ベルリンへ行ってまいりましたので、その模様をリポートしたいと思います。
(前回の #9 アイスランド・レイキャビク編はこちらから)

目次

ヨーロッパのニューヨーク「ベルリン」

ドイツの首都ベルリン。イーストサイド・ギャラリー(ベルリンの壁が当時のままで残る野外アートギャラリー)といった観光地はもちろん、国内の他都市と比べ少しだけ安い物価も手伝い、アーティストが集まる文化発信地。ヨーロッパのニューヨークなどと形容されることもある土地です。

さて、今回はベルリン郊外にある「SATAMA」へ。アウフグースの世界大会「AUFGUSS WM 2023」の開催初日に行ってまいりました。

はじめに、1週間にわたって行われた同大会で、なんとウェルビー今池所属の「WAT Yuma&Mayuka」さんが団体戦を優勝! 
日本チームにとって歴史的な大会となりました。本当におめでとうございます!

AUFGUSS WM 2023 決戦の地「SATAMA」

絶好の秋晴れと共に出場国の国旗がお出迎え

ベルリン中心部から車で1時間(電車の場合、乗り継いで1時間30分)ほどの郊外、シャルミュツェル湖にほとりに、世界のアウフグースシーンにとって重要な場所「SATAMA」があります。

私が住んでいる南部バイエルン州からは少し距離があるのですが、ドイツにはドイチュランドチケットという月額49ユーロで同国全土の電車(主要都市間の特急を除く)、バス、地下鉄が乗り放題というお得なチケットがあるため、それを駆使しての訪問です。

今大会は16カ国、80チームが参加。日本からも応援に訪れた方がちらほらいらっしゃいました。入場チケットが前売り時点でソールドアウトするなど、大会の注目の高さがうかがえます。

入口で受付を済ませたあと、優先チケット交換券を5枚分受け取ります。 これは会場のサウナシアターのキャパシティーの関係上、チケットを持っている人が優先してサウナ室に入れる仕組みとなっているためです(チケットを持っていない人も並ぶことで入場できることもある)。

初日の出場者たち。午前の部から3枠、午後の部から2枠選びます(撮影/Ryszard Rak)

それぞれの開始時間の10分ほど前に会場のサウナシアターの前に並び、15分程のアウフグースを受けて、プールや池で体を冷ましてから、外気浴をする。1日この繰り返し。アウフグース好きにはたまらないイベントです。
私は座って熱波を受けていただけなのに、1枠参加しただけで疲労困憊。この環境で仰ぎ続ける選手の方々の凄まじさを感じざるを得ませんでした。

世界大会に来たのは初めてでしたが、各国の選手、アウフグースをそれぞれの世界観で見事に表現し、かつ、 ものすごく高いレベルで競っており、初日だけでしたが最先端のアウフグースを少しだけ垣間見ることができました。

熱戦の行われたサウナシアター内部(撮影/Ryszard Rak)

1日を通じ、個人的に感じたことは、まさにライブShowであること。アウフグースの基本技術はもちろん、いかに観客との一体感を出せるのか、というのも大事な採点ポイントなのだそう。ストーリー性(脚本) 、照明と自身の動きとのタイミング、そして物語を観客に伝えるための演技、セリフ(国際大会の場合は、さらに英語表現)など、かなり多くの要素が必要とされる総合芸術の世界でした。これまで映像で見る機会もあったのですが、映像では伝わりづらい熱波の体感温度とアロマオイルの匂い、会場との一体感など、現場でこそ体験できる素晴らしいライブコンテンツでした。

大会の熱戦の模様はこちらから。
AUFGUSS-WM公式Facebookページ(https://www.facebook.com/aufguss.wm

今回、優勝チームを輩出した日本。ぜひ近い将来、日本での世界大会開催をみたいものです。そのとき大会をホストするのはどのサウナ施設になるのか、そう考えるのも楽しいひとときでした。

「SATAMA」施設紹介

それでは、舞台となった、SATAMAの施設紹介を。全部で9つあるサウナはそれぞれ自然を感じさせるウッドテイストを基調としながらも、特長のあるサウナ室ばかりで1日滞在しても飽きないものばかり。温度も40℃〜120℃と幅広いのもうれしいポイントです。

・SAUNA THEATER

ベルリン地区最大の大箱シアター。定員は160名で、温度は80〜85℃。2013、2016、2018年もアウフグース世界選手権が開催されるなど、名実ともに世界のアウフグースの中心地。

サウナシアター。世界最高峰の照明設備を誇ります(撮影/Ryszard Rak)

・SIBERIAN BAYNA

シベリア式バーニャ(バーニャ=ロシア語で「サウナ」の意味)。温度は70℃。

(撮影/Ryszard Rak)

ほかにも、鉱山の雰囲気を味わうことができるSTOLLN SAUNA(70℃)や、ガラスの中の焚き火を囲むようにして座るTULI SAUNA(80℃〜90℃)、そして120℃にも達するSATAMA 1番の高温サウナ MAA SAUNAなど盛りだくさん。

鉱山を感じさせるSTOLLN SAUNA
 TULI SAUNA内の焚き火

そして、サウナ後の水風呂にはおしゃれなプールと、自然豊かな湖と、両方のパターンがあるのが嬉しいところ。

施設中心部にあるプール(撮影/Sebastian Gotthardt
サウナ後は湖でクールダウン。天候によってコンディションが変わるのが自然で良い

ドイツではウォーターパークといって広大なエリアにたくさんのサウナやシャワーと水風呂と外気浴スペースを併設したサウナ・プール施設が多いのですが、SATAMAの場合、都心部にある施設とは異なり、本物の自然の中でリラックスできるのが素晴らしいポイント。もちろんドイツなので、サウナ室内では水着着用NG。そのためスマートフォンの持ち込みもNGなので、日頃のリラックスにもってこいです。

大会期間中でなくとも、普段からアウフグースを定期的に行なっているそうなので、ぜひベルリンの近くにお越しの際は寄られてみてはいかがでしょうか。

料金については、季節・曜日・入場時間帯で異なりますので詳細は公式サイトにて。
SATAMA (https://www.satama-saunapark.de/en

まさにアウフグースの熱演が行われている最中のサウナシアター

あとがき

ドイツといったらソーセージが有名ですが、特にベルリンに訪れた際にぜひ食べていただきたいものはベルリン名物。Curry 36という有名なチェーン店があり、私もベルリンに行った際には一度は必ず寄るスタンドです。リーズナブルで、お財布にも優しく、フライドポテトとセットで注文するとお腹もいっぱいになるので、とても重宝します。

カリーヴルスト。山盛りのフライドポテトとともに

【木村 光留(きむら・みつる)】
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。現在はドイツ・バイエルン州に滞在中。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。(twitter:@buraraorange)

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