千葉ロッテマリーンズ選手連載⑱ 種市投手、侍・完全リレー舞台裏

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練習でしっかり体をいじめつつ、オフはこのサウナで心をととのえた

――そう言えば前回の取材時に、沖縄・石垣島でのキャンプでは機会があったらテントサウナの施設に行ってみたいとおっしゃっていましたよね。

「あ、行きました。休養日に、2回ほど」

――そうみたいですね。スポーツ新聞で、美馬(学)投手や唐川(侑己)投手に誘われて、安田(尚憲)選手たちと一緒に行ったという記事を見ました。

「はい。先輩たちと……テントサウナでロウリュもたくさんして、アッチアチになって。海にドボンしてきました。海が水風呂っていう経験は初めてしたんですけど、これもまたサイコーでしたね」

――いいですね。海の波って、体が浮いたり沈んだりするじゃないですか。

「そうですね。ユラユラ〜、ぷかぷか〜っていうあの感覚が心地よいのもあって、とにかくず〜っと漂ってました。海面の波に体をまかせて。海の水がまたキレイで、海水温も20℃ちょっとくらいあって。

テントサウナでじっくりアツアツになったら、すぐ海へ。外気浴はそこそこに、もはやサウナというより海の中にかなりの時間、入ってた感じです」

――その後、沖縄本島・糸満市に移動されて。あの練習試合の期間中はどちらかへ?

「本島では、『琉球温泉 龍神の湯』とかにも行ったんですけど、実は今年の1月に、キャンプに先立ち私用で沖縄に行ったんです。そのときに恩納村の『GoMe』という施設の『THE ZEN』というサウナを体験しにも行きました。

山の中へ入って行くと、森の中に開けた場所があって。そこに、土壁のドームみたいなサウナがあるんです。そのサウナは屋根にも上れるし、すぐ横の水風呂からも海が見えるっていう」

――あぁ、やっぱり大自然系のサウナ。いいですね。

「見晴らしも最高ですし、その土壁サウナの中の熱さも、水風呂も素晴らしくて。都会を離れたところのサウナの醍醐味はやっぱり自然と景色だなって僕は思っているので。是非行きたかったんです。そういう、自然に触れられる施設の良さをすっかり楽しんだ1カ月、2カ月でした」

――自主トレ、キャンプで、戦う体のコンディションを“整え”つつ、いろんな新規開拓のサウナでチャージというか……心身の“ととのえ”もしてきて。そんなオフを経て、今は開幕に向けて準備も万端ですか。

「そうっすね。かなり順調にきてると思います。うん。もう問題なくシーズンに入れるとは思います。

あっ、そうそう。新規開拓といえば、熊本の『湯らっくす』にも行きました。九州での自主トレの移動の間に。前にお話ししましたっけ?」

――あぁ、伺いました。鹿児島でのトレーニングを打ち上げて、福岡へ移動するタイミングなどで、ワンチャン狙ってる、って。

「そうですそうです。ついに行きました。“西の聖地”へ。やっぱりサウナ好きとしては、一度は行ってみたいじゃないですか!」

――押しましたか? 「MADMAX」ボタン。

「押しました、押しまくりました! 時間がそんなに取れなくて、2セットしか入れなかったんですけど。

でもなんとか、数あるサウナ室から『メディテーションサウナ』とメーンのサウナ室を堪能して、その合間で3〜4回は『MADMAX』ボタンを押したんじゃないかな(笑)。

あのロープにつかまって、めっちゃ深い水風呂の中でものすごい放水に打たれまくりました。“コレかぁ〜”って、感慨みたいなものもありつつ(笑)、めっちゃ気持ち良かったです」

あらためて、2024年の目標を大宣言!

――ところで種市さん、最近はカーブも投げられているとのことですね。

「まだまだ練習程度に、って感じですけど、投げてますね。あんまり球種が多いタイプではないので、いろいろ自分の投げられるボールを増やすというか、試しながら探っているっていう感じです。

そんな中で、現状で一番しっくりきてるのが、カーブですね。モノにできたらなとは思っているんですけど」

――これまでの球種に加えて、新しい武器も手に入れて。改めて今季の目標を聞いてもいいですか?

「地方の新規開拓ですかね」

――いや、そっち!?

「あ、サウナじゃなくて、野球のですか(笑)? 失礼しました! 

いや、それはもう優勝と個人タイトルの獲得っていうところからブレていないので、そこだけを目指して1年間フル回転するだけです」

――まぁでも、1年間フル回転したら、全国の各都市を回るわけですから、結果として全国の行ったことのないサウナ施設をめぐる1年にもなるんですかね。

「もちろん、野球に支障が出ない程度に……ですけどね(ニッコリ)」

――満面の笑みですね。楽しみです。最後に、いまいま行ってみたいサウナってありますか?

「いろいろありますけど。今、頭の中に浮かんでる施設を言うと……実は『二コーリフレ』(「二コーリフレSAPPORO」)かもしれないですね。

ここ数年、あんまり行けてないんですよね。去年1度行ったときも、朝に1セットだけしたくらいなので。久々に、しっかりじっくり味わいたいなっていうのはありますね」

――3月29日からの開幕カードが、ZOZOマリンスタジアムでのファイターズ戦。ということは、1巡して4月中旬にはエスコンフィールドでのビジターゲームか。早々に叶うんじゃないですか?

「そうですね。直近の目標の一つに加えようと思います(笑)」

――チームも、背番号16も。開幕ダッシュ、期待してます!


種市 篤暉(たねいち・あつき)
1998年9月7日生まれ。青森県出身。八戸工大一高から2016年にドラフト6位で千葉ロッテに入団。2020年にトミー・ジョン手術で肘にメスを入れるも、昨季(2023年)は10勝を挙げて見事に復活。力強いストレート、鋭いフォークを軸に、今季もしなやかに右腕を振る。

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