――あ、本書の第1章=「はじめての人へ」と題した「1セット目」でも、そうした失敗のお話をかなり披露してくださっていますよね。
「そうですね。実は、こんなお話をしておきながら私も結構なビビりで(笑)、新しいところを訪問するときとか、最初のうちはかなり緊張していたんです。で、緊張していると、ととのわなかったりするんですね。心がギュゥ~っとなってしまって。なので、サウナや施設に行き始める人にいろいろ情報をお伝えできたらいいかなと思って。私の失敗から、先に学んでおいて(笑)、って」
――はい。わりと赤裸々(笑)に、いろいろタメになるお話が(笑)。
「脱衣室のロッカーの使い方から分からない、という方もいらっしゃるだろうし、施設によってはいろんなタイプもあるし。私も最初、東京の銭湯でよくある“サウナキー”を渡されたとき、あれが何に使うものか全然わからなくて、一人でドギマギ(笑)。あのときはぜんぜんリラックスできなかったですよね(笑)」
――ですね。読んでいて、そうしたところもちょっと笑ってしまうポイントです。ちなみに、今まででいちばんの失敗って?
「本当に困ったし恥ずかしかったのは、自動でカギが閉まってしまうロッカーで、タオルも服もすべて中に入った状態でカギがかかっちゃった時ですね。何も身に着けていない状態で、ロッカー前でとり残された(笑)。フロントへ行こうにも、“これ、ハダカで行くの?”っていう。もう本当にトホホってなって……(笑)。“大きい声で叫ぼうか”とか“めっちゃ早く走って行こうか”とか、かなりの時間、その場でボーゼンとしてたんですが(笑)、そんなときに浴室から出てきた方がいて。『すみません、申し訳ないんですけど、服を着ていただいたら、フロントの方を呼んでいただけないですか?』ってお願いして……」
――あはは。それはすごい大ピンチ(笑)。
「本当に。一時は“もう無理だ~”ってあきらめかけた(笑)。知らない人でしたけど、助けていただいて、本当によかったです(笑)」
――あ、でも、サウナやお風呂で会う人って、優しい方、多くないですか?
「そうなんですよ。なんか“助け合い”とか、気遣い合うみたいなのって多いですよね」