サウナ室の快適さにも秘密兵器(⁉)が!
たとえ前代未聞でも、お客さんが最も喜びそうなことにチャレンジしてみる……「ウッドデッキ」に象徴される、そんな考え方が施設全体に貫かれている新生湯。いわゆるサウナのルーティーンでいうと紹介順が前後してしまいましたが、外気浴の前の「浴室」や「サウナ室」にも、もちろん新井さんの思いとこだわりが詰まっています。
「17年前のリニューアルの前からサウナはあったんですが、これも全部、改装時にバージョンアップしました。熱さというか温度をしっかりしたものにしつつ、湿度もあると気持ちいいな、って思ったんです」
サウナ室の温度は「大地の湯」側、「太陽の湯」側ともに、95~100℃の間をキープ。ちなみにこちらのサウナストーブは、遠赤外線ヒーターに特殊な蒸発皿を付随させた、いわゆる「コンフォートサウナ」なので、新井さんの言葉どおり、室内は温度とともに十分な湿度が保たれ、とても心地よいセッティングです。
「それと、うちは『岩塩サウナ』っていう名前にしているんですけどね、ストーブの前にヒマラヤの岩塩を置いてるんですよ。これも17年前からやっています。関西のほうの業者さんに岩塩の持つ効果を聞いて、試してみようかなって思って」
その「岩塩の効果」とは何かというと……岩塩は熱を受けると遠赤外線を発生させますが、遠赤外線による熱というのは空気を温めるのではなく、その空間にある物体=サウナ室でいえば人間の身体に直接届く性質を持っています。
もともと熱源が「遠赤外線ヒーター」なのに、その前に岩塩を置くということは、遠赤外線をさらに増幅させるということ。めちゃくちゃ効果的に身体を温めてくれる、ってことです。
ほかにも岩塩には、温めることでマイナスイオンやいい香りも生み出す効果があるといわれていますし、さらには視覚的にも……光を受けたときの美しさは気持ちを落ち着かせてくれます。
室内全体の調光も抑え気味なため、没入しやすいです。テレビは設置されていますが、いったん集中してしまえば、「あ~、スイッチが入っているな」という程度にしか感じません(※あくまでも個人の感覚ですが)。いろんな年代のいろんなサウナ好きが、それぞれ周囲を尊重しつつ、自分の時間を楽しんでいます。熱さをくれて、穏やかにもなれる。いやぁ、この「岩塩サウナ」、本当にいい雰囲気なんですよ。
バランスのとれた熱さや湿度、香りなどさまざまな効果の相乗作用で、気が付くといつの間にかしっかりと大量発汗している、そんなサウナ室なのです!
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