雰囲気はアットホーム。料金もお手頃だったり……と、サウナ好きにとってとても身近な存在といえる「銭湯サウナ」。お店によって、それぞれさまざまな個性や特徴、味わいがあります。そんな「銭湯サウナ」のカラフルな魅力を、主に東京の銭湯を訪ねるかたちで深堀りする特集シリーズ「GO! 1010-37!!」。

今回ご紹介させていただくのは、東京・品川区にある、全国初の“健康増進型銭湯”でもある「新生湯」さん。品川区や隣接する大田区にかけてのエリアは人気の施設がひしめいているのですが、その中でも愛好家の支持がアツい銭湯サウナの一軒です。

さて、この新生湯さん。公式HPやTwitterのプロフィール欄を見ていただくと分かるのですが、“おもしろ発想”とか“動と静”といった気になるワードが随所に踊っています(上述した“全国初の健康増進型~”もそうですね)。とにかく情報やピースフルなポイントが多いのですが、まさしく「百聞は一見に如かず」。皆さんも行ってみたら驚いてしまうと思いますし、納得もしてしまうはず。

このシリーズでは基本的に1軒の銭湯につき2回に分けて掲載させていただいていますが(※原則として26日と10日に更新)、この方式にしておいて良かったと、いま思っています(笑)。ということで、見どころ盛りだくさんの新生湯さん。まずは「前編」からご一読ください!

◆先見の明!? 17年前に、すでにこんな発想を!!

東急大井町線/池上線の「旗の台駅」から徒歩5分、また都営地下鉄浅草線の「中延駅」からも徒歩圏内(10数分くらい)と、アクセスも便利な新生湯は、昭和10年に「新井湯」という名前で創業された老舗の銭湯。昭和26年に現在の地に移転して「新生湯」という屋号にされたそうです。

以降、何回かの中普請(※なかぶしん。内装や設備などの補修工事やプチ改装のこと)を経て、今から17年前の平成19年に、現在の店舗に大リニューアル。美しい宮造りの外観は古き良き銭湯の味わいですが、暖簾をくぐると“これでもか”とばかりに多種多彩な浴槽、さまざまな快適な設備がスタンバイしています。

ロビーや外壁に掲示された立体的なイラスト。これを見るとすぐに入りたくなって……はやる気持ちをいつもなんとか抑えます(笑)

「創業以来、家族で銭湯をやってきました。兄が社長として継いで、僕は普通に就職してサラリーマンとして働いていたんですが、設備もだいぶくたびれてきていたので、『これは本気で改装をしよう』となり、17年前に僕も会社を辞めて一緒にやることにしたんです。その改装にあたっては、勉強も兼ねて、約半年間で200軒近くの銭湯を回りました」(新生湯/新井重和さん。以下同)

上の写真のイラストのように、フロントから向かって右手の浴室が「大地の湯」、左手が「太陽の湯」という現在の姿に生まれ変わったそうです。ちなみに「大地の湯」と「太陽の湯」は週替わりで、男湯と女湯になります。どちらも快適なのですが、今回は「大地の湯」の方からご紹介させていただきます。

「都内のいろんな銭湯に入ってみて思ったのは『ゆったりと休憩できる場所が欲しいな』ってことだったんですよ。当時は“ととのう”なんて言葉もなかったし、サウナと水風呂の後に外気浴するなんていう考え方も知らなかったんだけど、あれば絶対に皆さん気持ちいいだろうな、って直観的に思ったんだろうね(笑)。だからデザイナーの方に『常識外れなくらいデカい休憩スペースを作ってくれ』ってお願いしたんですよ」

その言葉どおり、どちらの浴室にも特徴の異なる広い休憩用のエリアがあるのですが、「大地の湯」にはこのウッドデッキ。これ、すごくないですか? 17年も前に、こんな外気浴スペースを銭湯に設けていたなんて!!

「大地の湯」は浴室から露天スペースに出ると、上へ続く階段が!
銭湯のサウナで、サウナ専門施設も顔負けの広いウッドデッキがあるなんて!! 手前側にもイスがあり、この階上だけでも10人以上は周囲とゆとりをもって外気浴が可能。まさにととのい放題

「サウナだけじゃなく、お風呂に入ったあとにゆったりできるといいじゃないですか。絶対に作りたい、と。でも銭湯や温浴施設を多く手掛けているデザイナーさんだったので『目が行き届かなくなりますよ』とか『清掃が大変になってしまいますよ』なんて気にしてくれたんだけど、それでもいいから、って(笑)」

イスの種類も実に豊富。好きなタイプで(空き具合によっては)好きな体勢で思いのままに!!

「まぁ、完成してみたら、清掃や管理はかなり大変でしたけどね(笑)。ただ、作る前だったり、やってみる前から加減してしまったら、お客さんは喜ばないんじゃないか? って思って。いったん作ってみて、問題があったら対応しようじゃないかと。図面も何度も修正してもらいました。今となってみたらこのくらいが普通だし、やって良かったなって思ってます」

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