水風呂の横にある扉の奥がサウナ室。壁や天井の木、そしてストーブ近辺のレンガの色味が、なんともいえない味わいをかもし出しています。前夜もこの日も、温度は90℃ほど。湿度はそれほど感じないけれどカラカラ過ぎるわけでもなく、無骨だけどまさしく絶妙な気持ちの良い熱さ。
この裸電球の下で、いったいどれほどの男たちが汗を流してきたのでしょうか…。
こちら、利用にあたって、時間設定などはありません。1000円の料金でそれぞれ居たいだけ滞在するサウナ。ほんの30~40分で帰る人も、数時間居る人も。常連の男たちが思いのままに時を過ごせる、きっとそれぞれの秘密基地なのでしょう。
壁に貼られたさまざまなポスター。
青い、気持ちのいい踏み心地のカーペットの上にあつらえられた、畳敷きの小上がりスペース。
奥には板敷きの部屋も。かつては大山サウナでもマッサージや食事も提供していたそう(今はどちらもなく、本当にシンプルなサウナ専門施設)。
表示板のカバーがない体重計。載ればしっかりと針は動きます。
最後に身だしなみをととのえる鏡前…。
オープンして40年余りというこの施設。サウナを愛し、ここに通った男たちの息づかいと、そんな男たちを黙って包み込み続けてきた「温もり」が、すべてのものから今も感じられるのです。
ここ数年、全国に次々と新しい施設が出来ている現在の日本。その一方で、こうして、ひっそりとですが“在り続けてくれている施設”もあります。これからもずっと…と願ってやまない、愛すべきサウナ。時間を作ってでも再訪したい、そう思わせてくれる場所が南の島にありました。