◆広がり続けるアウトドアサウナ、そして「The Sauna」のこれから
――いま全国で次々に新たなアウトドアサウナ施設が生まれています。
「うれしいですよね。僕もここをやりつつ、全国にどんどん増えてくれるといいなってずっと思っていましたから」
――実際に新規にオープンしようとする人のお手伝いとかプロデュースなどもやってらっしゃいます。
「そうですね。理想はここ(=The Sauna)でヘルパーやスタッフとしていろいろ学んでくれた若者が各地でやってくれたら……“家系ラーメン”の暖簾分けみたいな感じになったら、すごくうれしいですよね(笑)。いま実際に、ここ出身で京都の京丹後でがんばっている子もいるので、そのへんはこれからも楽しみに(笑)。
ただ、アウトドアサウナの良さを提供したいと思っている方で、僕に何かを聞きたいと言ってくれる人には、お手伝いが出来る範囲でですけど、サウナの作り方やノウハウ、考え方も含めてすべて惜しみなく共有したいって思ってずっとやってきましたから。だから現在の状況はすごくうれしいし、これからも出来る限り僕も何か出来たらと思ってます」
――はい。新しい試みなども含めて「背中を見せる」的な存在のように、僕らの目には映っています。
「僕自身もまだまだ悩んでるし模索はしてますけどね(笑)。でも、こうやって少しずつ盛り上がっている中で思うのは、やっぱり僕が大事にしていることは分かってほしいし、言い方は難しいけど“変な感じ”にはなってほしくないっていうこと。僕がプロデュースしたりお手伝いしたところにはそのあたりをすごく重視してお話をしてきました」
――べべさんが大事にしていること。
「結局のところ、行きつくのは『ハード面とソフト面の両方がものすごく大事』っていうか、むしろ『人が大事』ってことなんですけどね。『大垣サウナ』や『サウナサン』みたいな……それこそ『ノスタルジックサウナ』写真集に掲載されている施設や『ウェルビー』のような、僕がリスペクトしてる施設でずっと伝え継がれてきたような心地よいサービスやコミュニケーション。お客様をどれだけ大切に思えるかってことなんですよね」
――はい。そうした皆さんの活動の結果、我々も各地ですごく豊かな体験ができるようになっています。
「今後も『The Sauna』はもちろんのこと、全国のアウトドアサウナでもそれを続けていって、たしかなカルチャーにしていきたいですね。あっ、そうだ。実は先日、フィンランド人の知人……それもサウナの業界にかかわりの深い人が『The Sauna』に来たんですが、めちゃくちゃ喜んでくれて」
――おぉ! あらためてのお墨付きですね!!
「最初1泊だけの予定で招待したんだけど、気に入ってくれちゃって、7連泊していったっていう(笑)。フィンランドからわざわざ来て、渋谷とか行けばいいのに、東京でも大阪でもなく、ず~っとココに(笑)。『最高だよ』って言いながら……とくにユクシとコルメ、ネリャを絶賛してくれました(笑)」
――なんか、直接は関係ない僕らまで誇らしい気持ちです(笑)。
「やってきたことが間違ってなかったなって思えたので、僕もめちゃくちゃうれしかったですね。7連泊の間に、サウナ好き同士でラムチョップを食いながらいろんな話をしました。それで、今度は僕がフィンランドに行ってきます! ちょっと思いついたこともあるんで、人と会ったり、久しぶりにいろいろと見たり聞いたりしてこようと」
――なるほど! また新しいもの、心地よいものを期待してしまいます。
「そうですね。これからも楽しいことを見つけながら、いろんな意味でアップデートさせていきたいと思います! 地道に、『中間管理職』として(笑)」
【The Sauna】
住所:長野県上水内郡信濃町野尻379-2 ゲストハウスLAMP野尻湖
営業時間:[宿泊利用]チェックイン=後3:00~チェックアウト=前10:00/[日帰り利用]月・火=休(祝日は営業)※サウナ利用はそれぞれ要予約
(ユクシ、カクシは2時間制、コルメ、ネリャは3時間制。料金、スケジュール等の詳細は、随時HPでご確認ください)
撮影=佐藤佑一