「行きたくなる」と話題になったり、行った人が「また来たい」と口にする。そういうサウナ施設には、必ず、熱い情熱やホスピタリティーを持った“仕掛け人”がいます。長野県信濃町・野尻湖畔にたたずむ「The Sauna」には、この人。“べべさん”こと野田クラクションべべ―氏。

2019年2月に1号棟「ユクシ」、翌年の夏に2号棟「カクシ」をそれぞれ自らの手で作り上げ、自然と一体になれることの素晴らしさをこの地から日本中に発信。そして、請われれば喜んで全国各地へ出向き、さまざまなアウトドアサウナのプロデュースも手がけてきました。

さて、今年に入って「The Sauna」から新たなニュースが届きました。3号棟「コルメ」と4号棟「ネリャ」が完成。また、トレーラー式のサウナも設置されたとのこと。

拡張とアップデートを続ける「The Sauna」、そしてべべさんがいま目指しているものとは? ひょうひょうとしながら、でもサウナについては相変わらず熱い――べべさんへのロングインタビューをお届けします。

(現在発売中の「SAUNA BROS.vol.4」でも、たくさんの写真とともに「The Sauna」の魅力を紹介しています。ぜひあわせてお読みください!)

より豊かな体験を、より自由に――2つの新サウナ棟に込めた思い

桟道を奥へ進むと、3号棟「コルメ」と4号棟「ネリャ」が見えてきます!

――前回、「ユクシ」と「カクシ」を取材、撮影させていただいたのは真冬でした。

「そうでしたね。お久しぶりです。真冬の雪ダイブも良かったと思いますけど、緑の季節も気持ちいいでしょう(笑)?」

――いや、最高です! 今回は野尻湖にぷかぷか浮かばせてもらいつつ、3号棟「コルメ」、4号棟「ネリャ」もじっくりと堪能させてもらいました。この2つの小屋を新たに作ろうと思ったきっかけは?

「コルメとネリャは、貸切限定にしているんです。ユクシとカクシのほかに、貸切で利用できるサウナ小屋を作りたいなって思ったんですよね。それには2つの理由、思いがあって。

まずは、今まで2時間という単位で利用してもらっていたのを、3時間にしたかったんです。もちろん2時間でも、アウトドアサウナの魅力を十分に満喫はしてもらえるんですが、もう少しゆとりがあると、また全然違う世界を体感してもらえるので」

利用時間が1時間増えれば、野尻湖をはじめ自然を味わう時間が…!!

――たしかに。喜びや発見は確実に増します。

「これまでに利用していただいた方でも、最初の1~2セット目では普通にサウナ室のベンチに座って熱さを味わっていた方が、水風呂に行って外気浴をしてっていう感じでセットを重ねているうちに……皆さん、どんどん“自由”になってくるんですね(笑)。

いちばん低い座面よりさらに下の……床面に寝転がったり、ストーブの真ん前に座って、炎をじっと見つめていらっしゃったり(笑)。そうなったあとは、水風呂や休憩も、もう思いのままに(笑)」

フィンランドのモンデックス社製ストーブが発する熱はパワフル。揺らぐ炎、薪の音に香り、換気や座面の位置、天井の高さ・・・コルメ、ネリャとも最高の居心地!

――思いのままに、解き放たれる感じ(笑)。

「そう。表情もね、皆さん素晴らしいんですよ(笑)。そういった一段階、質の違う体験をしていただきたいなと。もうひとつは、貸切だったら完全プライベートなので、よりさまざまな方に、本当に好きなスタイルでサウナを楽しんでもらえるだろうな、という思いです。コロナ禍もあって、サウナを取り巻く環境も雰囲気も少しずつ変わっている。そんな中で、なんの気兼ねもなく、仲間と自由に楽しんでもらえるサウナがあるといいなって。

極端なことを言えば、ペットの犬…ワンちゃんとかも、リードだけちゃんと繋いでもらえばいいですよ、ってしています。利用者の方にとっても、施設側の僕らにとっても、可能性が広がるんですよ。もちろん、最低限の常識やマナーは、大前提としてありますが」

一棟まるごと、板塀に囲まれ、利用中は完全なプライベート空間に!

――すごい、進化してますね。

「サービス的な面では、そういった意図がありました。最近嬉しかったのは、赤ちゃんをゆりかごのようなベビーベッドに寝かせて、お父さんとお母さんが交代で面倒を見ながら、かわるがわるサウナを堪能してくれたご家族がいて。コレはいいな、こんなことができる時代になったんだ・・・みたいな(笑)」

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