<INTERVIEW>“新設したサウナ小屋、そして今後の「The Sauna」でやりたいこと…” LAMP野尻湖 支配人、野田クラクションべべーさん

◆「気持ちいい」だけでなく、さらなる楽しさをプラスしたサウナに

――前の2棟との大きな違いとして「コルメ」と「ネリャ」には、それぞれ独自の水風呂がありますね。

「そうですね。水風呂も休憩エリアも含めて、完全に貸切スペースにしたかったので、コルメとネリャ用には井戸を新たに掘りました。そうしたら、思っていた以上にいい水質の水が出まして。うれしいことに水質検査の結果、飲んでも大丈夫だっていう判定も出たんです。これはうれしかったですね」

――以前からある、沢から引いた「山の水」の樽の水風呂に負けず劣らず清冽です。

「はい。コルメとネリャを利用する方も、従来からある、あの沢の水の水風呂ももちろん使っていただけます。どちらも気持ちいいので…僕も体感では違いは分からないですけどね(笑)。どっちも最高の水風呂です。これは余談だけど、実はあの水風呂は岐阜の『大垣サウナ』さんの水風呂をイメージして作ったんですよ

――えっ!? でも、言われてみると「大垣サウナ」っぽいかも。

「一生懸命、思い出したんです。スタッフみんなで記憶をさかのぼって。『すこし青っぽいタイルで、浴槽の縁は大理石っぽい石じゃなかったっけ』なんて言いながら。浴室内だから、写真とか撮っていないじゃないですか(笑)。

たしかSAUNA BROS.さん、マグ万平さんたちと『ノスタルジックサウナ』写真集を作っていますよね? そういうビジュアルを思い出せるものがなかったので、必死に記憶をたどりました(笑)」

――そうでしたか。たしかに水風呂のエリアだけ、少し世界観が違う(笑)気もしましたが、なんで「大垣サウナ」の水風呂を?

「好きだから、です。理由はただそれだけ。『大垣サウナの水風呂』が、僕のアイドルだからです(笑)。いや、やっぱりサウナ作りにはそういう遊び心みたいなものを入れ込んで、愛情を注ぎながらやっていきたいという思いがずっとあるんです。

ほかにも、あの水風呂でいえば吐水口を『The Sauna』のシンボルであるクマちゃんの口にしたりしてますし。あの~、京都の『白山湯』さんや東京の『ロスコ』さんをはじめ、吐水口がライオンになってるの、すごくいいじゃないですか。あれをクマちゃんでやりたいね、って(笑)」

――クマは唯一無二ですね。最高です(笑)!

「コルメとネリャでいえば……小屋の扉の下にもうひとつ扉を作っていて。あれは、フィンランドのサウナの妖精“トントゥ”の出入口なんですよ。

水風呂の吐水口も含めて、そういう…気づかない人もいるかもしれないし、サウナの質それ自体にはあまり関係がないことでも、いろいろ面白いことをやっていきたいなって。

比べるのはおこがましいけど……ディズニーってそういうところありますよね。そういうワクワクすることを俺たちも提供したい。東京ディズニーランドにも、いろんな仕掛けが隠されてるじゃないですか」

――ありますね。

「サウナっていうと……今はもう、ブームもあって、世の中にいっぱいできてきてますよね。そして、僕らにはユクシやカクシをゼロから作ってアップデートしてきたという経験値もあるので、いわゆる『正解なサウナ』は、たぶん普通に作れるんです。

でも、せっかく僕らが新たに作るんだったら、そこに僕たちの関心や、面白いこと、気づいたら思わず笑顔になってしまうような素敵なことをプラスオンしていきたいなというのがあるんですよね」

<次ページ→:いちばん大事なのはコストではない!? サウナ作りに大切なもの>

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