<連載>【12,37】(イチ ニ~、サウナ~!)千葉ロッテマリーンズ・石川歩の『ととのう日記』:(#5) オフシーズンの野球&サウナライフ

日本のプロ野球界きってのサウナ愛好家・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手に、サウナにまつわるあれこれを聞く当連載。毎月、背番号にちなんで12日に公開していきます。5回目の今回も、アスリートならではのサウナの楽しみ方、利用の仕方についていろいろうかがってきました。

(未読の方は、#1#2#3#4も、ぜひあわせてお読みください)

◆シーズンオフのピッチャーは、地味な地獄の練習を!?

――おぉ~、ととのいつつも、スゴいことになっていますね……おヒゲが。

「あははは。すいません、オフに入って伸ばし放題です(笑)」

――いえいえ。トレードマークですから。ヒゲはいつから伸ばしていらっしゃいましたっけ?

「プロに入って、1年目ですね。最初は剃っていましたけど、伸ばしても大丈夫そうかな、って思った日から伸びています」

――あ、一応、最初は様子をうかがったんですね(笑)。誰かヒゲで憧れの人とかいたんですか?

「とくに誰かの真似とか憧れってワケではないですね。単純に、生えてきちゃうので、そのまま……って感じです」

――なるほど(笑)。オフに入ったということもあって、今は長めなんですかね。

「それもあります。まぁ、面倒くさがりなんですよね(笑)」

――はい、分かりました(笑)。では、今回もよろしくお願いいたします。今、秋季練習の真っ最中ですよね。投手のシーズンオフの秋練習とか冬練って「ひたすら走っている」みたいなイメージなんですが、合っていますか?

「あ、間違ってはいないですね。昔はそんな感じでした。今は器具を使ったりして効率的なやり方も増えてるし、コーチとかにもよると思うんですが、僕が若かった頃は、ひたすら走っていましたね。なんかもう……こんな言い方をするとアレですけど、ムダに走ってました(笑)」

――ムダに、って(笑)。いや、でも、打者は振り込んだり、打ち込んだり、守備練習もありますけれど……。

「そうっすね。ピッチャーはやることが他にあんまりないんですよ。投げる練習もしないわけではないけど、あんまり多く投げ込めないですし。だから、走るしかなかったんですよね。あ、でも、ノックは地獄のようにやらされました。めちゃくちゃ」

――地獄のように(笑)。

「はい。めちゃくちゃ数やるんですよ。“300捕り”みたいに。右側の捕球を300やって、終わったら左側に来るノックが300球。走らされまくったあとに、左右中それぞれ300みたいになると、もう地獄でした。

ランニングはトレーニングなどをみるコーチが担当で、ノックは投手コーチが担当。それぞれのメニューをコーチ同士が共有していなかったりもしたんで(笑)、ダブルでキツいみたいなこともありました」

――いいですねぇ、昭和感のある鬼練習。

「よくないです(笑)。でも、その成果もあって今があるとも思うので、まぁ、がんばって良かったなとは思います。僕は公立高の出身なんでそこまでキツくはなかったですけど、それこそ甲子園の常連みたいな強豪校出身の選手たちは、そういうのをホントに子どもの頃からずっとやっていたと思うんで、メンタルもすごいんですよね。根性が違うというか。鍛え方や鍛えられ方は、やっぱり違いを生むんだな、みたいにも思いますね」

――なるほど。ちなみに、今は走っていますか(笑)?

「まぁ、走ったり器具を使って鍛えたりと、来季に向けて計画的にトレーニングしています。シーズン通しての体の疲れをとったりケアしなくちゃいけないところもあるので、そのリハビリもしながらトレーニングに励んでる感じです」

――分かりました。で、合間を縫いながら、シーズンのオーバーホールで体を休めてもいる、という時期でしょうか。

「そうですね」

――サウナへも……。

「はい。やっぱりシーズン中に比べると、圧倒的に自分の時間が出来るんで。なかなか行けないところなどに練習や治療、リハビリの間を縫って、予定を組んで……」

――楽しそう!! めっちゃいい表情の写真、ありがとうございます!

「この写真は、木更津の「つぼや」さん(※「サウナきさらづ つぼや」)に行ったときのですね。僕らの本拠地の千葉なのに行けてなかったこともあったし、サウナ室の熱さや水風呂の評判を聞いて本当に行きたかったので、最高でした。

オフはシーズン中と違って自分で予定を立てるんで、ちょっとダブルブッキングとかしちゃうこともあるんですが(笑)、詰め込み過ぎず、ゆっくりいろいろ巡っていこうと思ってます」

◆“食わず嫌い”を反省!? サウナの奥深さに感服!!

――ダブルブッキング(笑)?

「そうなんです。なんか、ときどきカブっちゃって、『あ、やべぇ!」ってなります(笑)。メモ帳を買って、そこに書き込んで、っていう風にするようになりました」

――行きたいところややりたいことが多いんですね、オフは。シーズン中は「つぼや」さんのように、行きたくてもスケジュール調整が難しいところもあるでしょうし。

「そうですね。あとは、新しく出来たところなんかもやっぱり訪問してみたいんで」

――最近、ほかにも“新規開拓”されたところはありますか?

「東京に新しく出来た施設にいくつか行きました。恵比寿にできた『Ledian Spa』(※「Ledian Spa Ebisu」)とか、同じく恵比寿にある『サウナ禅』とか」

――いかがでしたか?

「どちらも気持ち良かったですけど、個人的な感想としては『サウナ禅』がすごく良かったです。予約して行く、いわゆる貸切スタイルの個室サウナなんですが、そういうタイプのお店の中では1、2を争うくらい良かったなって……」

――それは気になります! どんなところが良かったですか?

「いろいろあるけど……まず水風呂の温度をリクエストできるんですよ。オプション料金にはなるんですが。それで、サウナも横になれるくらいの広さでセルフロウリュ(※)もできて。そのロウリュの水に混ぜるアロマも僕の好きな『rento』のものがあったりして」

(※ストーブの上に積まれたサウナストーンにアロマ水などをかけて蒸気を発生させるロウリュが自分で行える。熱い蒸気により、室内の湿度と体感温度が一気に上がり、快適な発汗が楽しめる)

――水風呂の温度をオーダー? いいですね、それ。何℃くらいにされたんですか?

「はい。氷を入れて調整するスタイルなんですけど。10℃がいいとか、12℃、いや14℃! みたいに。僕は12℃にしました」

――背番号じゃないですか!

「あ、ホントっすね。とくにそれは意識していないですけど(笑)」

――相変わらず、ブレずに“キンキン”が好きなんですね。

「はい。やっぱり相当な冷たさがあると、その分熱いサウナ室を楽しめますから。それで、その浴槽のところに、インフィニティチェアもあって、空気も回ってるんでしっかり休憩もとれるんですよね。

個室になっているスペースは全体的にコンパクトな造りなんですけど、1人には十分な広さですし、動線も含めてかなり計算されているなって思いました」

――この「サウナ禅」は出来たばかりですか?

「たぶん、5カ月前とか半年前くらいだったかと思います。予約しなくちゃいけないので、好きなときには行かれないというか、思い立ってすぐ行くとかは出来ないんですが、その分、人が多過ぎるということはないんで。いや、けっこう好きです」

――わかりました。ありがとうございます。

「あ、そうだ。新規開拓といえば、神田の『サウナラボ』(※「SaunaLab Kanda」)へも行きました」

――あ、初めて行かれたんですね。

「そうなんです。あそこって水風呂がなくて、シャワーと『アイスサウナ』っていう冷たい空気で体をクールダウンさせるんですが、それは水風呂好きの僕には合わないかなと思って、これまで行ったことがなかったんです」

――いかがでした?

「いやぁ、めちゃめちゃ良くて、すっかり反省しました(笑)。サウナ室が、言葉で言うのは難しいけど……湿度や香りなどが他のサウナとは全然違う居心地の良さで。

この違いって何なのかなって考えたんですけど、分からなくて(笑)。でもとにかくすごいクオリティーだなって思いました。冷たい『アイスサウナ』もめちゃめちゃ良かったですし。もっと早く行っておけば良かったなって心から思いました」

――以前に、名古屋の「ウェルビー栄」の「アイスサウナ」は好きっておっしゃっていましたよね。

「はい。気持ちいいんですよね。水風呂に入ったあとに、さらにあの『アイスサウナ』に入る感じで、めちゃめちゃととのってます。あと、東京の『サウナセンター』にも同じような『ペンギンルーム』っていう冷たい部屋があるんですが、そこも大好きですね」

――サウナ、奥深いですからね。このオフもいいところや面白いところを開拓されたら、是非教えてください。

◆ナニワの施設は…サウナ好きにとってはアミューズメントパーク!?

――毎回うかがっている「遠征先でのサウナ」についてですが、今回は「大阪」についてうかがえたらと思います。

「関西も好きなところはいっぱいありますね。あの~、とくに大阪なんですけど、関東のサウナと比べて“アミューズメント感”がすごいあるんですよ」

――なんとなく、分かります。

「『アムザ』(※「サウナ&カプセル アムザ」)とか、「ニュージャパン」(※「ニュージャパン 梅田店」)とか。「ニュージャパン」は、浴室に入ってすぐにあるプールやBARとかがもう、あんなの他にはないじゃないですか。それとスチームのサウナ室の中に水風呂があったりして、あの水風呂に入ると体は少しひんやり冷えてるのに、首から上は熱いとか……。面白いなぁって思うんですよね」

――それらは1階にあって、2階やその上のフロア、屋上まで階段で上がっていくと、本当にいろんなサウナ室や設備がありますよね。

「裸で階段を上がったり下りたりするのも面白いですよね。そもそも体を洗うカランやシャワーが2階にあるので、最初に2階に行かなくちゃいけないというのも……」

――若干、不便というか。

「はい(笑)。でも、その不便さも、なんかちょっと面白いというか楽しめるんですよね。そこがスゴイなって。

そういう、アトラクション的というか、エンタメ感が満載なのに、メインのサウナ室はしっかり熱いし、水風呂もめちゃくちゃ冷たくて気持ちいいし。いやぁ……好きですね」

――では、「アムザ」はどんなところが?

「『アムザ』は……なんだろう。外気浴がしっかりできるし、水風呂もしっかり冷たいのも含めて種類が豊富で。大きなメーンのサウナ室で行われるロウリュと熱波のサービスもすごく好きですね。あと、セルフロウリュができるサウナ室や、妙に気持ちいいスチームサウナとか、サウナ室もいろいろあるのもいいです」

――全体的にスケールもデカいですよね。下駄箱の数とかスゴいじゃないですか。

「あれ、たまげますよね(笑)。なんか、そういうのもあって、大阪のサウナは、けっこう長居しちゃうことが多いです」

――あ、分かります(笑)。石川選手は、普段はサウナ室→水風呂→休憩というのが3セットくらいですよね。

「そうです。東京とかではそうなんですけど、大阪だと4セットとか5セットとか、普通にやっちゃいます。あとは熱波のサービスも、大阪だと、あれば必ず参加しちゃいます(笑)。ほかにも『大東洋』とか、オリックス戦だったら神戸でもゲームがあることもあるんで……」

――大阪、神戸、それに京都も……!? たしかに1回ではとてもじゃないけど語り尽くせないですね(笑)。では関西のサウナについては、次回もうかがえたらと思います。

「分かりました(笑)。いろいろ思い出しておきます」

――実は……今回は監督が替わられたことなども聞きたかったんですが、それも次回に(笑)。

「はい。僕も吉井(理人)監督との野球もすごく楽しみなので、ぜひ次回にいろいろお話ししたいです」


【石川 歩(いしかわ・あゆむ)】

1988年4月11日生まれ。富山県出身。右投右打。滑川高から中部大、東京ガスを経て、2013年ドラフト1位で千葉ロッテに入団。2014年に新人王。2016年に最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレート、シンカー、カーブ、スライダー、フォーク等多彩な球種と精緻な制球力を武器に活躍。

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