さまざまな形態のサウナ施設のサウナ施設の中でも、身近な存在といえる「銭湯サウナ」。お店によって、それぞれさまざまな個性や特徴があります。そんな「銭湯サウナ」のカラフルな魅力を、主に東京の銭湯を訪ねるかたちで深堀りする特集シリーズ「GO! 1010-37!!」。
今回は、東京・品川区にある「新生湯」さんの後編。品川区や隣接する大田区にかけてのエリアは人気の施設がひしめいているのですが、その中でも愛好家からアツく支持されている一軒です。
この新生湯さん。男湯と女湯が週替わりで入れ替わる方式で、フロントから向かって右側が「大地の湯」、左側が「太陽の湯」という名称です。前回記事(#1)では、サウナ好きなら思わず狂喜してしまうほど破格なスケールのウッドデッキで外気浴を楽しめる「大地の湯」側を紹介させていただきましたが、今回は「太陽の湯」にクローズアップ。
熱心なサウナラバーだけでなく、地域のさまざまな人に愛される理由が、こちらの浴室にもギュギュっと詰まっています!
秘密兵器(!?)を発見! 「流れるプール」
脱衣室を抜けて浴室に一歩足を進めると、まず視界に飛び込んでくるのが一風変わった形状の大きな浴槽。ステップを数段降りていくと、体温より少しぬるめの温度で、深さはだいたい大人の腰ほど。目の前のボタン式のスイッチを押すと、ゆっくりと水が動き始めます。はい、こちら「流れるプール」なのです。
平成14年に施行された「健康増進法」を受けて、東京都では「街のさまざまな施設を地域の健康増進拠点として活用していく」事業をスタートさせました。その呼びかけに一早く応じたのがこの新生湯さん。平成19年に実施したリニューアルにあたり、健康に効果の高い炭酸泉を導入するなどの施策とともに、この流れるプールもラインナップ。都が推進、提唱した同事業の第1号となり、さらには全国初の「健康増進型銭湯」に。
ゆっくりとですが、しっかり負荷も感じる水流に逆らって歩く「歩行浴」ができます。1周およそ10メートルほどなのですが、この10メートルの水中歩行は地上での運動に換算するとおよそ150メートルほど歩くのと同じくらいの運動量になるそう。無理なく腰や膝、股関節等の運動になるほか、リハビリなどにもぴったり。また、チビッ子たちもニコニコしながら歩いたり、ちょっと足を浮かせて泳いでみたり。老若男女がそれぞれの楽しみ方をしています。
サウナ好きである筆者も、この流れるプールは大好きです。「大地の湯」側と同様、この「太陽の湯」側も、地下水かけ流しの快適な水風呂があるのですが(水温は通年21℃くらいですが、バイブラによる動きがあるため体感温度はもう少し低いです)、その水風呂からこのプールに移動する「冷々交代浴」を、ルーティーンに加えたりもしています。
ちょっとクセになる心地よさがあるので、もし訪問される方がいらっしゃったら是非一度お試しください!
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