南葛SCプロモ部長・天野春果⑱行ってきましたよぉ、東京から3時間のフィンランド “The Sauna”へ

モイ~。

本日も祖師ヶ谷大蔵駅前にあるマイホームサウナ「自問自答」のととのいチェアに横たわりながらこの原稿をスマホでポチポチ書いています。

毎月1回の掲載で担当させてもらっているこちらの連載ですが、先月8月は一回お休みさせてもらいました。

理由は、「7月で一度連載ストップ」という連絡を僕がSAUNA BROS.編集部から受けたと、なぜか勘違いしてしまい「原稿を書いていなかった」という(汗)。

ホントは「仕事が忙しく執筆作業している時間がなかった」とか売れっ子みたいなこと言いたいんですけど、実際はめちゃくちゃサウナへ行っていましたし、何なら毎年恒例の熊本SAUNA&クワガタ採集旅へも行ってました、ハイ。今月には、サウナ大好き芸人・マグ万平さんの番組「のちほどサウナで」に、前号でも紹介した南葛サウナクラブが特集に組まれたりしました。万平さんとは昨年GWに幕張メッセで開催された「超サウナ会議」に一緒に出させてもらって以来、1年ぶりの再会。僕は今をときめく日本代表サッカー選手・三笘薫だろうが田中碧だろうが会ってもまったくテンションが上がりませんが、万平さんと会うとある種、アイドルに会ったときのような緊張感と高揚感に包まれるというサウナジャンキー。一番テンション上がるのは、熊本・湯らっくすの西生社長や錦糸町ニューウイング吉田支配人と写真撮ってもらったときですから(笑)

話逸れましたけど、先月連載をすっ飛ばした間、サウナにまつわることがいつも以上にありました。本日はその中でも一番の体験となった長野県「The Sauna」一泊二日サウナ旅についてお届けいたします。

目次

普段プライベートは共にしない会社メンバーと行ってきた

サウナ好きの人、特にSAUNA BROS.読者で「The Sauna」を知らない人っていないんじゃないですかね。まさにThe Saunaは、サウナ界の大谷翔平。そして全国に約1万カ所あると言われるサウナ施設の名で、一番シンプルな店名。サウナに「The」って付いてるだけですから。こんな単純なワードの組み合わせなのに2つのワードが連なるだけでサウナ界の王者の気品漂うとは、これまさにサウナ界のシャインマスカットですよ。(……あっやべ、渋谷「渋谷SAUNAS」のほうがs付いてるだけだからシンプルか笑)

ちょっとミーハーチックですが、僕はそのサウナ施設の人気や特徴みたいなものを知るのにサウナ検察アプリ「サウナイキタイ」の【イキタイ】【サ活】数をチェックしています。

The Saunaは、長野県上水内群信濃町という長野駅から車で1時間はかかる、新潟県とのほぼ県境にあります。しかも、サウナ施設利用は完全予約制のためフラッと訪れてサウナに入れるわけではありません。それなのにサウナイキタイの【イキタイ数=17379】【サ活数=7880】(2024年9月26日現在)ともにハイスコア。利用者の感想書き込みは口をそろえて皆「すんばらしい!」「ここはフィンランドか!」「再訪確定!」のオンパレード。否が応にも期待で胸が高鳴ります。

実は今回のThe Sauna訪問は、一人ではなく、今年2月に立ち上げた僕が代表を務める会社「TWS」のメンバー4人と行く……言わば「サウナ社員旅行」。

メンバー4人全員が、元川崎フロンターレスタッフだったので、長く一緒に活動しているから気心知れている仲です。ただ僕らってプライベートで集まるとか、仕事終わりに「皆で食事行くかー」とかないんですよ。仕事時間が十分濃密なのでプライベートTIMEにわざわざまた顔を合わせる必要がないというか。仲が悪いとかでは全然ないんですけど、楽しく仕事ができているからその時間がプライベートみたいなものなので。よくコンビ芸人とかも普段一緒に遊ばないとか言うじゃないですか。たぶんそんな感じじゃないですかね。

そのため今回4人みんなで「サウナ行こー!」なんてめちゃくちゃレアなことなんです。

4人のうち、スタッフの恋塚を抜かして3人が大のサウナ好き。3人は日常的にサウナへ行ってますが、恋塚はサウナ初心者のため「The Saunaへ行く」となってもさしてテンション上がっていませんでした。

でも結局、The Saunaへせっかく行くのなら、The Saunaのスタッフの方と今後のサウナ企画につながる会話ができたらいいなーと考え、知り合いを通じてThe Saunaを運営する株式会社LAMP代表・マメさんを紹介してもらい現地で会うことになりました。

……そうなると結局、プライベートじゃないじゃん(笑)!

僕が代表を務める会社TWSのメンバーと初の社員サウナ旅行へ。結局、仕事しちゃいましたけどね

そこは東京から3時間で行けるフィンランドだった

The Saunaへ長野駅から車で向かったんですけど、結構な山道を抜けていきました。まだ9月なのでもちろん雪は積もっていませんが、これ冬だとタイヤにチェーン巻いてないと絶対現地辿りつけないだろうっていう急勾配もチラホラ。

普段、街中にあるサウナ施設へ行き慣れているので「こんな自然に囲まれたところにホントにサウナ施設あるの?」と疑心暗鬼な気持ちになります。

ほどなくして野尻湖が姿を現し、湖に隣接するようにThe Saunaの建物が現れました。

到着したのが夕方だったため、野尻湖に沈む夕日がマーベラス!! 湖に沈む夕日って別に箱根の芦ノ湖でも東京の奥多摩湖でも見たことありますが、野尻湖はなんか「日本っぽくない」んですよ。2年前フィンランド政府観光局・沼田晃一さんの導きでサウナ大国フィンランドへ行かせてもらいましたが、フィンランドで見た湖に沈む夕日にそっくり!

「いやもうそっくりというかフィンランドじゃん!!」って思っちゃいました。

たぶんそう見えたのは野尻湖って湖畔に商業施設とか高層のゴチャゴチャした建物が全然建ってないんですね。建っていても平屋か2階建ての別荘くらいなので落ち着いた感じなんですよ。「東京から車で3時間で来られる場所にフィンランドがあるとは……」これはホント驚きでした。

その後、The Saunaのマメさんと合流し、施設を案内してもらいました。サウナ棟は現在5棟あります(前にテレビで見た時、3棟だったのに拡張してるっ!)。

1号棟 Yksi(ユクシ)、2号棟Kaksi(カクシ)、3号棟Kolme(コルメ)、 4号棟Neljä(ネリャ)、 5号棟Viisi(ヴィーシ)

サウナ棟の解説とかは雑誌「SAUNA BROS.」やその他SNS記事とかでも見たり読んだりしたことある人も多いと思うので割愛。サウナ以外で「これは最高!」と思ったポイントをお知らせします。

①サウナ室に入る際に着用するサウナパンツやタオルはフリーレンタル。サウナ着のままサウナ棟へ移動してもいいんですけど、有料でタオル地のポンチョを借りることができます。今年2月に北海道十勝でアヴァント体験したときもホテルでポンチョをレンタルできたのですが、ポンチョ被ってサウナ施設をうろつくだけでかなりテンション上がることが判明。観光地ホテルでよく「浴衣サービス」してるじゃないですか。サウナ版のそれって感じですかね。ポンチョ着てると写真を何枚も「撮って、撮って」とメンバーにせびってしまう自分がいました。

②それぞれのサウナ棟は「デッキ」で繋がっているんですね。土の上を歩かなくていいから足は汚れないし、そもそも冬は雪で地面は覆われるから何段か高くなっているデッキがないと行き来がままならないだろうなと。機能性も大事なんですけど、木製デッキがサウナ棟を繋いでいることで自然に調和したサウナ施設がデザイン化されていてビューティホー。特に夜はライトアップされるからそこらじゅうが「映えスポット」でした。

③敷地内の2カ所くらいで「焚火」してるんですよ。火のまわりに休憩用の椅子が設置してあって、他のお客さんたちは椅子に横たわりながらボーーーーーーーっとズーーーーーーーっと焚火の炎を見つめてました。まだ9月なので夜になってグッと気温が下がることはなかったんですけど、火のまわりに人が集まる集まる笑。昆虫採集の方法で「灯火採集」っていうのがあって夜に森の中で白い幕を張って光を当てるとカブトムシ、クワガタが寄ってくるんですけど、なぜかそれを思い出しました笑。

The Saunaの文字が全然ない!  サウナ施設によっては施設名をそこかしこで目にするんですけど、The Saunaは、サウナ施設の入り口付近に1つだけ象徴的な木彫りの「The Sauna」があるだけでうるさくないんですよね。でもそれが心地よくて。

受付にも宿泊棟にも施設名が掲示されてなくて、むしろ運営会社の「LAMP」のほうが目にすることが多いから、全く知らない人が来訪したら施設名を「LAMP」だと思っちゃうんじゃないですかね。

The Saunaの目の前に広がる野尻湖。2年前にフィンランドで見た風景が! 東京から3時間で行けるフィンランドが長野にありました
施設にThe Saunaの文字は全然なく、運営会社の「LAMP」のほうが目立っている
施設内には焚火を囲んで休憩できる箇所が。人はなぜ火に魅せられるのか!
全てのサウナ棟がウッドデッキで繋がっている。夜はライトアップされてさらに幻想的に

4号棟Nelja(ネリャ)の実力

The Saunaは、施設予約をしても全てのサウナ棟利用ができるわけではなく、利用(予約)できるのは1~5棟あるうちの一つの棟のみというシステム(時々例外あり)。今回僕らTWS軍団は【4号棟Nelja(ネリャ)】を利用しました。

前述したデッキを歩いてネリャに行くんですけど、簡単な木製の外壁と「Nelja」と書かれた表札があり、その中にサウナ小屋が建っているため、さながら「家」って感じ。サウナ小屋の横のスペースには共有スペースにある水風呂とは別にネリャ専用の水風呂もあるため、サウナ出た後すぐ水風呂に入れるのはありがたい。施設スタッフが最初ついてきてくれてサウナ室の利用方法を教えてくれます。サウナ室内は3段になっていて一番上段の3段目に座ると天井に頭が付くんじゃないかっていうくらい低い。薪サウナのセルフロウリュなので、水をストーブにかけるともう一気に温度があがります。

2年前にフィンランドで体験したサウナでは室内の人たちが談笑していて、初めて会った人にもどんどん話しかけてくる。サウナ内はとても和気あいあいとした雰囲気。「あーサウナがコミュニティ形成にとても役立っているんだなー」と感じました。でも日本のサウナ施設だと「黙浴」が推奨され、談笑してると怪訝な顔されたり注意されたり。コロナ禍ではもちろんしょうがないけど、なぜだかコロナ禍でなくなった今もそこは継承されてるという。

もちろんわかるんですよ僕も。ある種「瞑想」のような空間を楽しむということを。個室サウナである「自問自答」がマイホームサウナの僕ですから。でも最近の流れってサウナ=静寂な施設ばっかりで「心のストレスを解放しにいこう」って行ったサウナ施設で「ストレスを逆に溜める」こともしばしば。

先日行った某サウナ施設では、一緒に行った仲間とととのいチェアに横たわって小声でヒソヒソ話していただけで係員がすっ飛んできて、僕の目の前で人差し指を口の前にあてて「シーー」ってやられました。もうね、朝の校門で校則違反がないか見張っている学校の先生のようですわ(今はそんな昭和なことやってないか)。

あるサウナ施設のスタッフから「なぜ施設側が黙浴を推進するのか」をきいたことがあるんですよ。理由は「知らない者同士がしゃべることでトラブル(揉めごと)の原因になるから」と。

これも僕、理解できます。そういう場面に出くわしたこともありますし。でもこれこそ今の日本を象徴している対処法だと思うんですよね。リスクマネジメント。リスクを減らしていって、どんどん減らしていって結局は「0ゼロ」=何もやらない、っていう。何もやらなければリスクはないからね。

フィンランドで体験した知らない者同士が「裸の付き合い」の環境も手伝って短時間で仲良くなる、分かりあう、笑い合える。そもそもフィンランド人たちは時にサウナ室内である「いざこざ」をリスクだなんてとらえてないと思うんですよね。日本とフィンランドにあるこの差を「国民性の違い」っていう言葉で片づけてしまっていいのかと思ってしまいます。

そんな思いが募っていたアマノだったので今回は気の合う仲間とThe Saunaの最高なサウナ室内で仕事の事やプライベートなことも声のボリュームを気にすることなく語り合えるシチュエーションはここ最近感じたことないくらいの解放感と多幸感でした。「あーThe Saunaってただ単にサウナやロケーションが良いだけじゃなくって『心の解放』を味わえるからさらに素晴らしく感じるんだな」ってサウナ後にインフィニティチェアに寝そべって木々の隙間から見える澄んだ星空を見ながら思いました。

4号棟ネリャのサウナストーブにロウリュ
天井が低く室内が温まるのが早い!
おっさん2人が同じサウナハットかぶって同じ体育座りして仕事のこと、プライベートなこと語り合う図
インフィニティチェアーに寝そべって満天の星空を見上げれば嫌なことなんてすべて吹き飛んじゃうな

ラム麻婆(マーボー)

4号棟サウナを約2時間堪能した後、シャワーを浴びて夕食へ。過去すでに一度、The Saunaに来たことがあったTWSスタッフのヒロキから「アマノさん、The Saunaがすごいのはサウナだけじゃないんですよー」と言われました。「ラム麻婆(マーボー)っていう絶品料理があって、食ったら昇天しますよ」と容赦なく期待値を上げまくってきます。夕食会場は受付デスクのある母屋一階にあり、他のテーブルの人たちも軒並み「ラム麻婆」を頼んでいました。僕ら4人ももちろん全員ラム麻婆を注文。程なくして厨房スタッフが運んできたラム麻婆は見た目「ドライカレー」な感じ。麻婆豆腐ではないので豆腐は入っていませんが代わりに野沢菜がトッピングされています。麻婆の下に隠れている白米と合わせて上にかかっている麻婆を一口パクリ。「うまっ!」サウナで汗をかいてるから塩っけの強い味がより美味さを引き立たせてる! ラム肉を使っているので臭みとかあるかと思いきや全然ない! 羊の肉なのに「うまっ!」「うまっ!」正味1分で全部たいらげました(笑)。聞けば、このThe Sauna名物、代表のマメさんが考案したとのこと。最高なサウナに最高なサウナ飯もつくってマメさんサウナ殿堂入り決定です。ちなみにこのラム麻婆、あまりの美味さが評判に評判を呼び、今ではオンラインストアで冷凍で買えるそうです。僕は現地でも売っていたのでお土産として買って帰りました。

野尻湖の沈む綺麗な夕日、満天の星空の下でのサウナ、美味しいサウナ飯ともうここまでパーフェクト! 心の底から「あぁこうやって仲間と一緒に楽しい時間を共有するのもいいものだな」と幸せをかみしめながら宿泊部屋へ。部屋は6畳和室。大人の男性が4人。布団を敷いたらほぼ足の踏み場無し。この時、嫌な予感はしてたんですわ。長距離移動もありアルコールも入っていたのでみんな眠たくて22時には部屋の電気を消して就寝。その10分後に地響きのようなイビキの大合唱が開演。しかもエンドレス。アマノ寝そびれてしまい朝方まで寝れませんでした(笑)。

「サウナ室で話し相手がいなくても次は一人で予約して来よう」と心に強く誓ったのでした。

それではモイモイ~。

母屋1階にある食堂。
これが絶品、ラム麻婆!マジで飛びます!!
イビキ大合唱でほぼ寝てないアマノ。6畳一間に4人ってサッカー部の合宿やん(笑)。朝6:00に起きて結局みんな仕事しました

天野春果(あまのはるか)
東京都出身。1993年からワシントン大学でスポーツマネジメントを学ぶ。帰国後は富士通川崎フットボール(現川崎フロンターレ)に就職。以降、”J最強企画屋”としてサポーターに愛されてきた。27年間勤めた川崎フロンターレを退社後、新会社Two Wheel Sports(略してTWS)を設立。代表取締役社長に就任した。
※天野春果連載「企画屋アマノ〜アイデアのととのえ方〜」はこちらから

自問自答 祖師ヶ谷大蔵店
■住所:東京都世田谷区祖師谷3丁目32−14 YAMATOYA BLD 1F
■営業時間:24時間営業
※男性専用、会員制のサウナ施設
※その他詳細はこちらから

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