水風呂に目覚めたのは……◯◯◯の頃でした。
――先ほど「大学時代に本格的に好きになった」とおっしゃいましたが、それ以前にもサウナに入ることはあったんですか?
「そうですね。あまりよく覚えていないですけど、小さい頃からたまに入ってはいましたね。今もなんですけど、水風呂が子どもの頃から好きだったんで。野球チームのみんなと、地元の土浦近辺のスーパー銭湯に行ったりしていました」
――かわいい記憶ですね。でも小学校の頃から水風呂好きということは、サウナ室、水風呂、休憩というルーティーンの中では、やはり……。
「水風呂に入る瞬間がいちばん好きですね。サウナ室にいるときも、“いかに水風呂に気持ちよく入れるか”に重点を置いて……わりと(12分計の)秒針とにらめっこみたいに過ごしています。『あと1分』を、もう何分間も繰り返します(笑)。
水風呂から出たあとの外気浴も、わりと長い人も多いじゃないですか。10分近くとか、それ以上だったり。でも、僕はそんなに長くはしないです。せいぜい数分くらいです。
それよりは、やっぱり水風呂で長い時間を過ごしてます。そんなにキンキンじゃなかったら……16〜17℃くらいとかだったら、5〜6分くらいは普通に入っていたいというか」
――かなり長いですね。
「はい。フワ〜っ、てなるくらいまで入っていたいタイプです。施設には1人で行くことがほとんどですが、いつも水風呂でプカ〜っ、と1人の時間を楽しんでますね」
――こんなことを聞くのは野暮かもしれないですけど……水風呂のどこがそんなに好きなんでしょう?
「どこなんでしょうね(笑)。う〜ん、なんでか分からないけど、好きなんですよ。水風呂に入ると、疲れが1回、全部取れる気がするんですよね」
――なるほど。たしかにブルペンで毎日のように準備をする鈴木投手の場合は、体のリフレッシュ、リセットに、水風呂は向いているかもしれないですね。
「はい。水風呂もそうなんですけど、気持ちよくサウナで過ごせた日は睡眠の質が絶対に良くなるんですよね。中継ぎだと、いつどのタイミングでマウンドに上がるか分からないので、毎日、いいコンディションをどれだけ維持して試合に臨めるかっていうのはすごく重要なんですよ。
なんか疲れたなって思ったときとか、登板した日とかは、寝れないことも少なくないので。すぐ眠れるっていうのは、僕にとってサウナの最大のメリットですね」
サウナに行けなくても、ホテルで一人で楽しんでます
――やはり、登板時は眠れないこともあるというのは、興奮というか、アドレナリンが出ているみたいな感じなんですか?
「たぶん、ハイになっているんだと思います。実際にマウンドではものすごく集中しますし、体の出力も上がりますから」
――鎮めるために、サウナや水風呂がいいというのは、それこそ石川さんも種市さんもよくおっしゃっています。今季もそういった試合はもうあったんですか?
「やっぱりありますよね。この間の対ソフトバンク戦では連投もしましたし(※4月2日、3日)」
――それでは、あの連投のときもどこか福岡のサウナに……?
「いや、あのときは行かれなかったんですよ。めっちゃ行きたい気持ちはあったんですけど」
――あのカードは、シビれる試合でしたよね。特に3日は延長12回の死闘を戦っての勝利。鈴木投手は10回にマウンドに上がり、守り切りましたが。
「あの連戦は、なぜかめっちゃ眠かったんですよね。サウナには行きたかったんですけど、なんか体がもう動かなくて。だからホテルで自分で水風呂をやりました」
――おお。そこまでというのは……アドレナリンが出るレベルとかを超越して集中されてたんでしょうか?
「分からないんですけどね。でも、とにかくクタクタで」
――ホテルで水風呂というのは、アツいシャワーを浴びて、バスタブに張った水風呂、みたいなことでしょうか。
「いや、バスタブにアツいお湯を張って、それに浸かって。そのあとお湯を抜いて、水を張って、って感じです」
――むしろ、それの方が大変なのでは? という気もしますが。
「いや、そうかもしれないですね。『だったら、サウナに行けよ』みたいな(笑)。でも、僕はサウナじゃなく、お湯と水風呂の交代浴もよくしますよ」
――はい。
「さっきも言ったように、試合に臨むにあたって、体をリセットというかいい状態にするために、ゲーム前に球場の浴場で、アツいお湯の浴槽と水風呂の交代浴をすることもあります」
――なるほど。やっぱり水風呂、めっちゃ大事なんですね。