4/23オープン! サウナヨーガン潜入レポ③インタビュー編

前回、前々回(#1#2)と施設潜入取材リポートを掲載してきた「サウナヨーガン福岡天神」のオープンが4月23日に決定しました。

場所は、地下鉄空港線天神駅から徒歩8分という好立地にある福岡の老舗ビジネスホテル「平和台ホテル天神」の9F。“YOGAN”の名の通り、いろんな意味で熱い、話題沸騰のサウナ施設です。

今回は「サウナヨーガン福岡天神」を経営する「株式会社グラフィックス」代表の川島匡晴さん。同施設の成り立ちから携わり、コンセプトや設計、施工まで関わった同社の梶原聖志さんに、オープンを控えた都市型サウナ施設のこだわりや楽しみ方をお聞きしました。

順次オープンする外気浴エリアからの眺め
目次

コロナ禍で考えたホテル内にあるサウナ

――客室だった「平和台ホテル」9Fを全面改装して完成した「サウナヨーガン福岡天神」。なぜホテル内にサウナ施設を作られたのでしょう?

川島「私どもは不動産賃貸の会社なのですが、コロナ禍で福岡のホテルの稼働率が軒並み10~20%台にまで下がった時期に、『平和台ホテル』さんをはじめとするホテル関係者の方々とお会いする機会がありまして。お客さんを呼び戻す一つの手段として“サウナはいかでしょう?”と提案させていただいたことが始まりです。それが2021年。実際に着工したのは2023年の1月でした」

梶原「最初のイメージとしましては、東京神楽坂の『ソロサウナtune』さんなどを参考にさせてもらいました」

メインサウナ室より。さまざまな座面の椅子が用意されている

――着工まで2年。紆余曲折あったことが想像されます。

川島「当初は“密”にならないことを考慮して8室の個室サウナを作る予定だったんです。そうした中、コロナ禍も収束の兆しが見えてきて、途中でパブリックサウナ2室と個室1室に変更しました。そこからが、まさに紆余曲折でした」

水風呂が作れない!? 紆余曲折あった船出

――ホテルという限られたスペース、もともとは客室であったことからご苦労も多かったのでは?

川島「設計段階で一番、悩んだのは防水です。下が客室なもので、水漏れは許されません。そこで、本来は床をタイル貼りにしたかったところをあきらめて“すのこ”敷きにすることで、それをはがすといつでも点検・補修ができるようにしたり。構造上、水風呂の重さに耐えられないことが分かったので、鉄骨を通して重さを分散させたりするなど、さまざまな工夫を凝らしました。水風呂は素材もFRP製のものにして、できるだけ重さを軽減しました」

――タイル張りや漆喰、水瓶などの水風呂では重すぎるわけですね。

川島「鉄骨で補強しないと平米(1m×1m)180㎏しか耐えられない。つまり18㎝の水しか張れない構造だったんです。そのため設計段階ではホテルのユニットバスのような水風呂が6人ぶん並んでいるイメージが出てきたのですが、それではお客さまが満足しないだろうと。水風呂はサウナの重要な要素の一つですから、やはり最低でも3人は入れるゆとりある水風呂にしたいと考えました。ほかにも単純に水風呂が6人ぶんということは、1つ数百万円かかるチラーの導入費用も6倍になりますし、水道代も莫大なものになる。防水とともに頭を悩ませたところです」

――そこで行き着いたのがFRP製の水風呂だった?

川島「そこから大分県で船舶の製造などを行っている服部商会さんという会社を探しまして、大人3人は入れる特注の水風呂を作っていただきました。大きさ見た目、デザインや質感、すべて満足しています」

梶原「後で聞くと、(神奈川県)横浜のサウナ施設『HARE-TABI SAUNA&INN』さんの浴槽も作られていた会社でした」

特注の水風呂

お客さまの目線になって設計&施工を

――ほかにご苦労は?

川島「あとは動線でしょうか。客室が15室並んでいた細長いスペースであり、なおかつ外気浴スペースに出る扉や柱の位置なども最初から決まっているため、そちらも苦心しました。動線が整っていないサウナはお客さまのストレスが溜まりますし、限られた中でも広々とした内気浴スペースを確保したい。そうしたさまざまな手直しもあり、最終的には図面を20~30回書き直していただいたことで、着工まで2年を要してしまいました」

――すべてを叶えられない。どこかあきらめなければいけない中にも「お客さまのために」という思いがたくさん詰まっている。中でも一番PRしたいところはどこでしょう?

川島「『サウナストーンに鹿児島の桜島産の溶岩石を使っている』、『屋上に外気浴スペースがある』、『音振動を導入したプライベートの個室サウナ』などたくさんありますが、やはり『サウナ室』でしょうね。特にメインサウナは、フィンランド式と遠赤外線式のストーブを2基導入してるので、あくまで個人的な見解ですけど、熱さが長続きすると思います」

梶原「メインサウナはMAXで100℃ほど。毎時0分と30分に、2つのストーブのオートロウリュが重なる時間の熱さがたまりません」

川島「我々自身もサウナが好きですから、“こんなサウナがあればいいな”という思いを形にしたつもりです。オープン後、至らないところ、気づかなかったところがあれば、すぐにアップデート。たくさんのお客さまに気に入っていただけることを願っています」

サウナストーンには桜島の溶岩石を使用
蒸気発生器(左写真)の上には熊本・阿蘇の溶岩石が置かれている

サウナヨーガンならではの楽しみ方

――商談や会食前、観光の途中といった、ちょっとした‟スキマ”時間にも活用してほしいとの思いから、料金プランは、7173(サウナ7分、水風呂1分、外気浴7分の3セット)でととのえる1時間のショート(平日1400円、土日祝日1800円。延長30分毎+500円)が基本。「サウナヨーガン福岡天神」ならではの楽しみ方は何かありますか?

川島「『ビジネスや出張の“スキマ”でととのえる』と謳っているとおり、サクっとサウナを楽しめるところが一番の売りですが、ほかにも『サウナヨーガン福岡天神』の魅力は、サウナ後すぐに寝られることではないかと思っています。質のいい睡眠を約束してくれることがサウナの効能の一つ。『平和台ホテル天神』に宿泊していただければ、ととのって、自分の部屋で、どなたの目も気にすることなく深い眠りにつける。カプセルホテルでは味わえない楽しみ方ではないかなと」

梶原「車や電車で帰って寝るでは、せっかくのととのいがもったいないと思うんです」

川島「そのため心地いい眠りを送っていただけるよう、サウナ室内の音楽もメディテーション系の癒される音楽を選びました。内気浴スペースにある椅子も座り心地に定評のあるLafumaのリクライニングチェアにするなど、細部にもこだわっています」

サウナヨーガン福岡天神の入口

梶原「音といえば、コンサート専用ホールでも使用される音響拡散体を設置して、耳からもととのえるよう考えて、各スペースの照明にもこだわりました。まだ音響は微調整中ですが、体感しにいらっしゃってください」

川島「1年前に客室もリノベーションしましたので、『サウナヨーガン福岡天神』ともどもご利用いただきますと幸いです。周辺には、ラーメンも食べられる屋台系の居酒屋さんなどの飲食店もたくさんあります。毎年5月3日~4日にかけて行われる『博多どんたく港まつり』や福岡の春の風物詩『水天宮春大祭』ももうすぐです。ゴールデンウィークは、福岡でお待ちしております」

サウナヨーガン福岡天神
■住所:福岡県福岡市中央区舞鶴1-5-6 平和台ホテル天神9階
■営業時間:前10:00~後10:00(最終受付 後9:00) 定休=無
■料金:平日=1時間1,400円 延長30分毎+500円、土日祝=1時間1,800円 延長30分毎+500円、プライベートサウナ(150分・定員3名・予約制)平日=9900円、土日祝=13,200円
※プライベートサウナは同性グループまたは家族での利用が可能
詳しくは公式HP https://yogan-sauna-fukuoka-tenjin.jp/price/

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