一般公開NG。ボートレーサー御用達、平和島宿舎のサウナに潜入!

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中村獅童さんをはじめ、神尾楓珠さん、オリエンタルラジオ・藤森慎吾さん、山之内すずさん、江口のりこさん、矢吹奈子さんが出演するテレビCMでもおなじみのボートレースですが、その裏には、熱く厳しい自分との戦いがありました。

ほんの500gが明暗を分ける世界

水上で激しいバトルを繰り広げるボートレース。エンジンを駆って、誰よりも早くゴールを切ることで勝利する競技だけに、選手自身の体重が軽ければ軽いほど有利にレースが運びます。そこで大事になってくるのが、それぞれの体重調整。男性レーサーは52㎏、女性レーサーは47㎏という下限があるため、どの選手も計量値ギリギリの体重で出走したいわけです。

「それ以下の体重になると、重りの入った調整ベストなどの着用が義務づけられます。そのため、体重調整を兼ねてサウナに入るという選手も多いです」とのことでした。重り入りのベスト(通称“オレンジベスト”)が操縦に与える影響は大きく、ほんの500gほどの重量ですら嫌がる選手も多いとか。

それで、サウナに──。そういえば、2023年のボートレースのCMでは、獅童さんがサウナで「熱くなれ!」と雄叫びを。神尾さん、藤森さんとともに人気熱波師・たまちゃんのアウフグースをうけていました。

「レース後に宿舎へ戻った後は、食事もそこそこに大浴場へ向かう選手が多いです。入浴時間は基本17時から21時ですが、早い選手は宿舎に到着後すぐ入っています」。

「風呂の後は、新宿舎になって設置されたトレーニング室で、ボートレーサーにとって大事な体幹を鍛える選手もいれば、すぐ横にあるリラクゼーションルームでくつろぐ選手もいます」(競走会)。

マッサージチェアーも人気で、順番待ちも出るとか出ないとか
リラクゼーション室の漫画は選手が自宅で読み終わったものを寄贈しているそう。ボート漫画の金字塔「モンキーターン」もしっかりと所蔵されていました

なお、ボートレースは、CMの「だれもが躍動する、スポーツ」というキャッチコピーにもあるよう、男女が同じレースに出場して競えるところが特徴であり、競技の魅力のひとつとなっているため、「風呂を時間差で利用することはなく、全国24カ所にあるボートレース場の宿舎では基本、大浴場と小浴場が設置されている」そうです。

「平和島の旧宿舎は大・小でスペックの差が多少ありましたが、新宿舎はほぼ同等の作りで、これまで小浴場にはなかったサウナも設置されました。近年の、女性レーサーの増加も考慮してのことです(2024年7月1日現在、ボートレーサーは男女合わせて1,601人。うち女性は260人)」。

サウナから戦いが始まっている!?

そして、いよいよのれんをくぐって大浴場へ──。

ダイソンのドライヤーは大浴場側に
体重調整には必須の体重計
サウナ後にはうれしい給水機も置かれていました

広く清潔な脱衣所の洗面台には、ダイソンをはじめ、人気メーカーのドライヤーが。サウナハットを持参するサウナ好きの選手も増えたそうで、超高速脱水機も設置されていました。

大浴場側
小浴場側

扉を開けた大浴場内は、8名分の洗い場とシャワースペースが1名分(小浴場は洗い場が6、シャワースペースが1)。扇型が珍しい浴槽(大浴場)は6~8畳ほどの大きさがあり、温度は疲れた身体にはちょうどいい、42~43℃に保たれています。

大浴場のサウナ
小浴場のサウナ。両方ともに大きさと仕様はほぼ同じ

また、奥にあるサウナ室は大・小とも6~7名が入れる十分な広さで、座面は2段。温度は90℃ほど

ストーブにはサウナストーンがズッシリと
ロウリュする際は先輩に気を遣いつつ……(笑)

セルフロウリュも可能というから、サウナ好きの選手にはたまりません。石造りの壁は蓄熱性も高そうで、ヒノキをあしらった落ち着いた室内も、来たる明日のレースに向けて瞑想するにはもってこいでしょう。

サウナ室の壁に付けられた小窓がかわいらしく、先客がどなたかをチェックできます(写真は大浴場側)

ちなみに、ボートレース平和島公式YouTubeチャンネル「湾録(ベイロク)SIDE-B」にアップされた「新宿舎潜入」の回で案内役を務めた日本モーターボート選手会東京支部長の長田頼宗選手も、体重調整にはサウナが欠かせないようで、基本は「8分、5セット」とのこと。

プロフィール上で168cm、56㎏の長田選手でさえ5セット……。ボートレーサーの身長は受験時で175cmまで。減量に手こずる選手も多いだろうと想像します。逆に、小柄で身長の低い女性レーサーは、増量してからの微調整に苦労すると聞きました。 たかが500g、されど500g。戦いはサウナから始まっているんですね……。

1mと深めの水風呂で一気にととのう

大浴場側の水風呂
小浴場側の水風呂

サウナ室の扉を開けるとすぐ目の前にある2畳ほどの水風呂は、水深1mくらいと深め。

先の長田選手いわく「冷水機(チラー)が付いていないため(水温は)そのシーズンによる」そうで、取材当日の温度は身体にやさしい20℃でした。

ほかにも、宿舎に戻ってバタバタしている選手やレース当日の朝、身体を温めたい選手のための各階にシャワー室も新設。ヘアスタイルに気を遣う若手の選手にも好評だとか。

サウナ室前にはサウナマットも
大浴場、小浴場ともに内気浴用のイスは2脚。座れない選手は浴槽のふちに腰掛けてととのうとか

「ゆっくり身体を休めてもらって、いいレースを見せてくれることが一番ですので、今後も選手の意見を取り入れながら、よりよい新宿舎にしていきたいです。徹底的に自己管理されたボートレーサーたちの奮闘を、ぜひレース場でご覧になってください」。

サウナと一緒にボートレースを楽しもう

10月には、勝率上位選手が出場する、歴史・権威ともに最高峰のSGレース「第71回ボートレースダービー」(10月22~27日、ボートレース戸田)を筆頭に、ボートレース桐生で開催されるG1レース「開設68周年記念赤城雷神杯」(10月6~11日)など、関東各地のボートレース場で注目のレースが目白押し。

ボートレース平和島では大人気の女子戦「マクール杯ヴィーナスシリーズ第18戦」(11月25~30日)も開催されます。

ボートレース場の入場料は、基本的には100円。舟券も100円から。しかも、最大18頭立ての競馬の3分の1の数、6艇立てなので予想しやすく、初心者でも安心。レース場は開放的で、ボートレーサーや芸能人のトークショー、アーティストやアイドルのコンサート、お笑い芸人によるイベントなども開催されます。

「下は10代から上は70代まで選手層も幅広く、多くのみなさんが共感できると思います。保護者同伴であればお子さんも入場できますので、ボートのエンジン音を聞いてレーサーを目指した選手もいるくらい迫力のあるレースをご家族、ご友人、カップルで体感していただけるとうれしいです」。

最近テレビやネットで話題のイケメンレーサーや女性レーサーを推すもよし。旅行がてら全国24カ所にあるレース場を見て回るもよし。サウナ好きは、サウナや温浴施設に出向いた際に、レース場を覗くもよし(今回お世話になったボートレース平和島は「天然温泉 平和島」が併設。また、ボートレース鳴門の隣にはサウナを備えた「鳴門あらたえの湯」があります。

この秋は、レーサーたちの日頃のストイックな自己管理に思いをはせつつ、ボートレース場に出かけてみてはいかがでしょう?

日程や選手プロフィールなどの詳細は、BOAT RACEオフィシャルウェブサイト(https://www.boatrace.jp/)をチェック!

撮影/山口京和
取材・文/橋本達典

「天然温泉 平和島」の詳細はSAUNA BROS.WEBで!

SAUNA BROS.の連載でおなじみ黒羽麻璃央さんが「天然温泉 平和島」のサウナを堪能する記事はこちら。

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天然温泉 平和島
■住所:東京都大田区平和島1-1-1 ビッグファン平和島2F
■営業時間:前11:00~翌前10:00(入浴終了=翌前9:30、岩盤浴終了=後10:00)、年中無休
■料金:大人=2,300円、小人(3歳~小学生)=1,000円、幼児(3歳未満)=300円 ※土日祝は大人=2,800円
※詳細はは公式HP(https://www.heiwajima-onsen.jp/)をご確認ください

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