――入った瞬間、座面が高めなのがすぐに分かって嬉しくなりました。2段目に座ると、頭と天井の間は、こぶし1つ分くらいかもしれません。
「スレスレですよね(笑)。座面を高く、天井に近くしたのも狙いの一つです。ロウリュの蒸気をしっかり味わえますし、座った時にストーブが低い位置にくるので、熱さが下のほうからしっとりと全身を包み込むようにやってくる。それをしっかり感じていただけたらと」
――壁や天井の色だったり、光が抑え気味なこともあって、以前よりもさらに“没入”できる気もします。
「壁や天井は、座面と同じくヒノキなんですが、黒く塗りました。ロウリュのできるストーブにするにあたって、サウナ室全体を“フィンランドの小屋”っぽいイメージにしたかったんです。それで、全体のトーンを落として、じっくりと自分の世界に浸っていただこうと」
――ストーブの上に盛られたストーンも迫力があります。
「石も、全体の雰囲気に合わせて、シンプルなタイプというよりは、少しワイルドなイメージのものにしました。雑味のある感じというか…いい意味でちょっと田舎くさい感じになったんじゃないですかね(笑)」
さて、こちらのサウナ室は、大和さんのコメントにもあったように1時間に3回のオートロウリュが(20分おき:毎正時と20分、40分)。このオートロウリュがまた、かなりワイルド! 水の量が…多いです!!
「ロッキーサウナで“ちょっと物足りないな”って思われている方もいらっしゃるんじゃないかなと思って、そこもギリギリまでやってみようと(笑)。普通は5秒間くらいのところも多いと思うんですが、倍の10秒間にして、水量も多めに設定してます」
――さらに…1回だけじゃなく、何回か噴き出すようになってませんか?
「そうですね。1度のロウリュの際、1分おきに3回、水が出るようにしています。それぞれ10秒間ですね」
――やっぱりそうですよね。コレ、最高の熱さがきますね。
「オートロウリュなんですけど、セルフでロウリュしているときの感じを味わえるようにしてみようかなと。1回、2回、3回…って、皆さん、おかわりでやられるじゃないですか(笑)。あの感じです」
――はい。かなりガツンとくる熱さがブワーッときます。
「それを少しでも多く味わっていただきたくて、本当は12分おきぐらいにロウリュが出るようにしたかったんですが(笑)、それだとさすがに石が少し負けてしまって温度が下がっちゃうんですよね。でも20分おきなら大丈夫だったので、どなたも何セットかするうちに当たるだろうということで、この間隔にしました。
実はその3回のオートロウリュに加えて、スタッフによるロウリュとアウフグ―スもやらせてもらってるんです。あまりスペースも広くないですし、技術もないんですが、だいたい1時間に1回、アロマ水を足して、気持ちで煽がせていただいてます(笑)」
――それも嬉しいですね。アロマ水はどんな種類のものを?
「白樺、ミント、タール…いろいろご用意して日によって使い分けています。今のところお客様にも喜んでいただけていて、スタッフも『やりがいがある!』と頑張ってますので(笑)、よろしければぜひ体験していただければと」
熱さも雰囲気も香りも最高のサウナ室でじっくりと発汗したら…以前は内気浴をする人がよくいたスペースに新設(移動)された水風呂へ!
「そのあとの休憩も含めて、できるだけ動線が良い場所に…と、この位置にしました。水風呂のスペース全体を高めの壁で覆って、入り口を少し狭くしています。ちょっと洞窟の水風呂に入るような、そんなイメージを持っていただけたらいいなって」
――たしかに。少し“隠れ家”っぽい雰囲気があります。
「スペースに限りがあるので、以前も今回もそれほど広さはとれないんですが…改装前は正方形だったのが少し細長くなったことで、一度に入れる人数はちょっと増えたかもしれません」
――そうですね。奥行きが快適です。水も相変わらずやわらかく、そして冷たくて。
「ありがとうございます。そこは変わらずにいいコンディションを保ちたいと思っています。そして、熱くなった体をキュっと引き締めてもらって、そのあとの休憩に向かっていただけたら、と」
そうなのです! 実は今回の男湯の改装では「サウナ室のアップデート」とともに「外気浴スペースが新たに設けられる」とうかがっていたのですが……これが想像をはるかに超えたものが爆誕していました。もう、「トピックス」というか「サプライズ」レベルです!
次回更新の「#2」(来週公開予定です)では、その「外気浴スペース」について、ご報告したいと思います!
【改良湯】
住所:東京都渋谷区東2-19-9
営業時間:月~金=後1:00~深0:00、日・祝=後0:00~11:00(最終入場=閉店の30分前)
定休日:土
料金:入浴料480円+サウナ料金450円(大小タオルセット付き)
撮影/佐藤佑一