朝霧JAMをアツく盛り上げた「サウナ・サンセット」をリポート

毎年10月の中旬頃に開催される「朝霧JAM」は、静岡県富士宮市で開催されるキャンプインフェスをうたう野外フェスティバル。開催20回目の節目を迎えた2023年は、2日間にわたって朝霧JAMの舞台となるキャンプ場に初のサウナエリア「サウナ・サンセット」が登場しました。今回は、実際に朝霧JAMで「サウナ・サンセット」を体験した模様をリポートします!

目次

猛烈な寒さだった朝のテントサウナ、心身ともに沁みる体験

初日は開場とともに現地入りし、自分たちが一夜を過ごすテントの設営完了後、新進気鋭のアーティストによるライブに酔いしれ、さらに、仲間達とBBQや焚き火を楽しむというアウトドアフェスの醍醐味を実践。寒さに震えながらも尽きぬ話は深夜にまで及びました。

キャンプインフェスである朝霧JAMでは、開催する2日間ともに参加する者はテント泊をします。2023年の朝霧JAMは初日の日暮れから猛烈な寒さが襲い……。十分な服装で寝袋に包まったものの、冷気で夜中に何度も目を覚ますほど。早朝、気温を確認するとなんと2℃でした。しかし、完全に心が折れそうな寒さを一気に吹き飛ばしてくれるたのが「サウナ・サンセット」です。

キャンプ場の最奥地に出現。「サウナ・サンセット」とは

「サウナ・サンセット」は、広大な朝霧ジャンボリーオートキャンプ場の最奥地に出現したサウナエリアのこと。このサウナを目当てに朝霧JAMに初参加したという人に話を聞くと、「ロケーションは最高だし、JAMの雰囲気も本当に楽しそうで……。そこに大好きなサウナもプラスされたから、富士山を見上げながらくつろぐことを想像して、迷わず参加を決めたよ」と。フェスの会場のなかでサウナを楽しめるなんて、想像しただけで最高ですよね!

テントサイトから歩いて約10分、受付に到着。辺り一帯が木々に囲まれていて、受付からはテントサウナはまったく見えません。

すべてはのれんの奥にあるのか……凍える体と高まる期待!

木々に完全に囲われ、ぽっかりと空いた空間にサウナ・サンセットが見える

のれんをくぐって歩くこと数分、煙突の煙とともにサウナが見えてきました! ととのい椅子が出迎えるように整列していました。

3種類のアウトドアサウナを体験!

こちらは静岡市に本社を置く株式会社シンカーのもの。実際にこのサウナカーのレンタルを行っているそう

まず初めに入ったのが、軽トラの荷台を改造して作られたサウナカー。さっそく脚立を登って中に入ります。

中は美しい板張りが施されていました。4名程で利用可能なサイズ感。後方に設けられた小さな窓から優しい朝日が差しこんできます。熱源のだるまストーブ周りに壁が設けてあり、ストーブとの距離が安全に保たれていました。

温度計に目をやると110度に近い高温。先ほどまで体にしみついていた寒さが一瞬にして溶けていく……。朝イチのロウリュが冷えた体に沁み渡ります。サウナ室がコンパクトな分、しっかりあたたまることができるサウナカーでした。

このバレルサウナは掛川市の「掛川開発株式会社」が販売しているもの

お次はバレルサウナ。最近、よく目にするようになったバレルサウナですが、筆者は初体験。外観がキュートで、心が躍ります!

複数種類のアロマオイルが用意されており、好みの香りでロウリュして楽しむことができるんです

サウナストーブはHARVIAのもの。ゆらめく炎の熱が空気を伝って全身を包み込みます。扉を閉めると、中は驚くほど静かでした。早速、ラドル(アロマ水をサウナストーンにかけるためのひしゃく)一杯のロウリュを。選んだアロマは、爽やかなかんきつ系です。

「ジュワァァ」アロマ水が蒸発する音が静かに響きます。同時に、バレルサウナの人気の理由を瞬時に理解しました。それは循環。蒸気の通り道が天井の丸みに沿って導かれるため、蒸気が降りてくるのが早い。そして下に降りた蒸気が、再び登っていく……。この熱気の循環によって、全身を効率的に温めることができるのです。ふと目を向かいの座椅子に目を移すと不思議なサウナマットが敷かれているのに気がつきました。触ってみると、通常のマットに比べ生地は薄い。表面はツルツルしていて、防水加工が施されたテント地のような質感。このサウナマットの詳細については、別記事にて……。

エリア内にはさらにテントサウナが種類別に2基ずつ。1つめは、磐田市でテントサウナをキャンプ場にレンタルする事業を展開している「サウナシーチャ」のもの。

このテントサウナで提供されるロウリュのアロマは、静岡茶の香り! 普段であれば廃棄してしまう遅摘みの葉を使用しているそうです。ロウリュをすれば香ばしいお茶の香りがテント内に満ち、体が目覚めていく感覚に。

ロウリュに耐えられるようにと、付属品の鉄板を重ねることが可能。耐久性の高いストーブは完全オリジナル設計!

2つめのテントサウナは、御前崎市の「エイケン工業」が製作したオリジナルテントサウナ「ガレージサウナ」。このテントサウナのフレームには、農業用ビニールハウスで使われている骨組みを採用しています。サイズは6人ほどが同時に利用できる広さでした。

また、テントと同様にストーブも分解することが可能で、メンテナンスや持ち運びが容易なのだそう。なんとラドル(ひしゃく)もオリジナル! ここでもロウリュをし、じっくり蒸されることができました。サウナストーンは三島の大沢石と呼ばれる溶岩石を使用。静岡茶のロウリュウに三島の溶岩石ストーン、静岡を感じることができるテントサウナです。

「サウナ・サンセット」の現場責任者である株式会社アウトオブドアの鈴木駿矢さんの話によれば「今回、サウナカーとバレルサウナ、テントサウナと3つのサウナを用意しました。サウナが3つセットで『サウナ・サンセット』です。“夕陽”のサンセットの意味も含んでいます! キャンプ宿泊者のシャワー代わりになればいいかな、と思っています」とのこと。また「さらにサウナ・サンセットのある位置は、キャンプ場の最奥地です。この辺りは木々に覆われているため、目隠し用の囲いを設置する必要がなく、サウナを体験するのにぴったりの場所なんです」と教えてくれました。

水風呂は富士山の天然水の掛け流し!

水風呂はこちら。大きなプールにたっぷりと水が張られています。これがまた冷たくて最高!

なんとこのキャンプ場の水道からは、富士山の天然水が流れ出るというではありませんか! この辺りの水は、富士山に降った雪や雨が長い年月をかけて玄武岩の層を通り湧き出たもので、バナジウムを豊富に含む名水として知られている。季節を問わず冷たい水が飲み放題なんです。そして、「サウナ・サンセット」の水風呂では、この天然水を掛け流しで利用できるのです。

富士山から湧き出た天然水が体に素早く吸収され、乾いた体がうるおいを取り戻していくのを感じます

十分に温まった体からは、外気との温度差で大量の湯気が上がります。“かけ水”をしてから水風呂入ると、キンキンに冷えているにも関わらず優しく肌を包む軟水に、思わず「気持ちい〜」と声が。今朝、震えて起きたことが嘘のような清々しさに包まれました。青い空が、最高な1日の始まりを予感させてくれます。

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