マグ万平さん、柳橋弘紀さん(「のちほど」チーム)とSAUNA BROS.編集部で制作を進めている「ノスタルジックサウナ写真集」。現在、クラウドファンディングを実施しつつ、同時進行で取材も行っています。

日本各地に点在する各施設への訪問・撮影を行うなかで、あらためて感じたそれぞれの“グッ”ときてしまうポイントを挙げさせていただく短期集中企画の7回目は長崎・佐世保市の「サウナサン」さんです。

お読みいただいたあと、もしよろしければ皆さんからも「こんなところが好き」「ココがたまらない」という声をぜひお聞かせ願えればと思っています。よろしくお願いします!

(このページで便宜上何点か掲載している写真は、編集部員がスマホで撮ったものです。念のため。写真集では、プロによる思わず息をのんでしまうものを、あますことなく掲載します!)

・建物の前、そしてフロントですでに感じる「実家に帰ったか」のような安心感

佐世保駅から歩いて10分ほど。潮の香りがやや濃くなってきたなと思う頃合いで、ビルの屋上に設置されたその大きな看板が目に入ります。

「サウナサン」さんは昭和57年(1982)に創業され、今年で40周年目に突入。ご存じの方も多いと思いますが、看板をはじめ館内外の随所で来訪客を迎えてくれるイラストのおじさん(通称=サンちゃん)のモデルは、創業時の支配人で先代社長(現社長のお父様)です。

その微笑みを見るだけで、まず心が和みまくります。実に柔和で、親しみやすくて。さて、入口をくぐり館内に入ると、目の前のフロントには同じくらいにこやかに迎えてくれるスタッフの方が。まさに実家に帰ったかのような、ほっとする瞬間なんですよね。関東に住んでいることもあり数度しか訪問したことはありませんが、もし近くで暮らしていたら、幾度となく訪ねてしまうだろうなぁ……そう思ってしまいます。

安らいだ気持ちでロッカールームへ。そして浴室へと進みます。この浴室エリアがまた、心地よくてたまりません。館内着やバスタオルなどを入れる棚一つ一つに付された「広田中」「早岐中」「祇園中」「旭中」などのプレートは、市内の中学校の名前なんだそう。常連さんは皆さん、自分の出身校の棚を使うんだろうな……なんて、またしてもほっこり。

浴室内に一歩足を踏み入れると、そこは明るい光に包まれた空間。造られてから数十年が経っているとは思えないほど、どこもかしこもピッカピカ。床のタイルも目地も、壁もカランの蛇口も、新品だと言ってもぜんぜん信じてしまうレベルで、この瞬間も、いつも心が躍ります。どれほど丁寧に掃除や手入れをされているんだろう。そう考えると同時に、俺もきれいに使わなくちゃね……なんて思いが胸をよぎったりもしてしまいます。

・ストレスのなさ、快適さへの工夫。ホスピタリティだらけのサウナ室

メインのサウナ室も抜群の居心地の良さ。広さも、温度と湿度……いわゆるセッティングも、その熱さをつくりあげるストーブの重厚さも、ファンの皆さんが書き込みなどで記されているとおりだと思います。そして個人的に好きな点がほかにもたくさん。

たとえば、座面。4段ある階段式の座面の「高さの差」が実はあまりないので、セットごとに違う段に座れば微妙な違いの熱さが楽しめるとともに、最上段と最下段ではかなりの温度差も感じられるという……。また、各段の奥行きが広く、前後左右の人と背中や足がまったく触れないのも快適です。

最上段の背の部分やサ室両側の壁の部分にカーペットのような厚めの布が張られているのも珍しいのですが、これもグッときます。壁面に肌が触れてしまったときの「ウヒャ~!」とか「アツッ‼」ていうアレがないんですよね。

そして最前部というか、最下段のストーブ前のエリアに「足湯」があるのですが、これも大好きなところ。かなり温度高めのお湯が循環していて、ここに陣取り足を浸けていると最上段も顔負けなくらい発汗します。一度体験すれば、「あぁ、足って普段、温まっていないんだな」と痛感されるはず!

浴室側の壁にかなり広めに設けられた窓も、いいんですよね……。すぐ横にある水風呂が視界に入ってくる幸せ。皆さんにもわかっていただけますよね。

ストレスのなさや、快適さへのさまざまな工夫……。さまざまなホスピタリティが、キリがないほど目に入ってくるのです。熱さによる気持ちよさだけじゃなく、そうした“やさしさ”に包みこまれているような感じ。この心地よさ、控えめに言って最高なんです。

・親子2代で名だたる名店から学び、落とし込んできた

水風呂の水も、冷たいだけでなくまろやかさもスゴいのですが、これも給水時や循環時に竹炭、およびサンゴと珪藻土をブレンドした特製フィルターを通すという独自の改良、その名も“サウナサン・システム”によるもの。ほかにも薬草スチームサウナ室の絶妙な温度からくる心地よさだったり、細かく冷たい水のミストで体をクールダウンできる「最後の雨」と呼ばれるギミックは、試行錯誤の末に生まれたもの。そうしたアップデートは浴室を出て、階上にある休憩スペースなどでも随時行われています。

「とにかくお客様に“気持ちのいいものを提供したい”んですよね。なので、先代社長……親父も自分も、いろいろな施設にうかがっては教えていただいてきました。親父は大阪のニュージャパン スパプラザさんだったり、名古屋のウェルビーさん、自分も福岡のウェルビーさんや鹿児島のニューニシノサウナさん、関東のさまざまな名店などにお邪魔しては、いい点、素晴らしい点は貪欲に持ち帰って。少しずつだけどこの店に落とし込んできたんですよね」と現社長。

「皆さん、いろいろと惜しげもなく教えてくださるんですよ。ありがたいことに」と笑う社長。数年前から熊本の「湯らっくす」さんやさまざまな施設でアウフギーサーにも指導してもらい、自らサウナ室でタオルを振られてもいます。それに伴い、サウナ室のセッティングや水風呂のコンディションなども、さらに改良されてきたそう。

・来てくれた方に提供したいのは「心の贅沢」と「おかえりなさい」の思い

「親父が常々言っていたことがあるんです。『お客さんのあとを付いて歩くくらいの感じで、使われたものを、すぐに直せ』ということと『来てくれた方に、忙しい日々の中で、ちょっとでも心の贅沢ば提供したい……』ということ。実はこの2つはつながってることなんですよね。体や髪を洗ったときの泡なんかがタイルの上に残っていたら危ないし、ちょっと違和感みたいな感じが残るじゃないですか。だから、掃除とか手入れは常に徹底する。そうしたことの積み重ねで、皆さんも“来てよかった”“また来よう”って思ってくれるんだと思うんですよね。だから良いこと……ハード面の改良はできる範囲ですが続けていきたいけど、ソフト面=僕も含め、全スタッフのお客さんへの思いやおもてなしの心、みたいなものは決して変わらずにと思ってやっているんです」

むしろ「プラスしていくことも大事だけど、マイナス要素をいかに減らせるか」を大事にしている、と。

「あの名店と言われたスパプラザの会長の言葉もあるじゃないですか? 『人は人でしか癒されない』っていう。僕らも、まさしくその考え方ですよね、大切にしているのは。だからサウナサンの武器は全従業員さん。それと、言い方は変かもしれないけど、いろいろと気づかせてくれる常連さんも武器。とにかく“人”を大事に。階段のところに額ば入れて飾ってますけど、あの“おかえりなさい”の精神を守っていきたいと思ってるんですね」

館内全体に漂う温かみ、ぬくもりの源はそこにあるんだなぁ……と納得するとともに、胸がキュンとしてしまいます。

・「サウナサン」は「サウナさん」? うらやましいほどの施設と利用者の関係

レストランのメニューも、ひとつひとつが手作りでめちゃくちゃ美味しいし、少しフロントで接客の模様を拝見していても「この時間にいらっしゃるなんて珍しいですね!」「どうぞごゆっくり」と、なにか一言を添えられていました。そんな風に声をかけられると、それはやっぱり特別な場所になるよな、なんて思ってしまうのでした。

あ、余談ですが、社長のイントネーションが気になって聞いたんです。「サウナサン」という店名の発音を。するとこんな答えが。

「え、どうやろ? でも皆さん『サウナサン』は、さらっと……『サザエさん』と同じ発音で呼んでくれてますね(笑)。あまり考えたことがなかったけど、言われてみれば人の名前みたいに――『サウナさん』って呼んでくれてます」

まさしく気の置けない、とっても身近な感じが伝わってくるのは私だけでしょうか?

はい。またしてもざっくりになってはしまいましたが、そんな「サウナサン」さんのたまらなさを、じっくり撮影させていただきました。ここまでに記したような、目に入るものはもちろん、ボイラー室などたぶん誰も見たことのないところにも足を踏み入れさせていただいたり。自分たちで言うのもなんですが、こちらでも胸が熱くなる写真がたくさん撮れたと思っています。

もし皆さんも「このカットがあれば見てみたい」「掲載してほしいのはこういうところ」などのご意見があれば、お聞かせいただけたらと思います。この記事に関するツイッターのつぶやきなどへのリツイート、インスタグラムのコメント欄や引用ストーリーズなど、ぜひお待ちしています!

ノスタルジックサウナ写真集制作委員会Twitter
SAUNA BROS.公式Twitter
SAUNA BROS.公式Instagram

この「ノスタルジックサウナ写真集」プロジェクトでは、クラウドファンディングも実施しています。この記事や、こちらのクラウドファンディングのページを読んでいただいてご興味やご共感をいただけた方は、ぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします!

 

<次回は岐阜県大垣市の「大垣サウナ」さんについて記してみたいと思います>