2025年1月26日(日)でに静岡県静岡市の静岡競輪場で開催された「THE BANK SAUNA FES in SHIZUOKA」に行ってきました。
競輪場は1周400mのバンクの周囲を金網で囲われていますが、広々とした空間。天気にも恵まれ、空が高くて気持ちがいい。街中にこの空間、なんとも不思議な感覚です。サウナエリアを企画からプロデュース、集客、マーケティングを担当した株式会社Huber.テントサウナとたき火(通称テンタキさん)に伺ったところ、3部制で各部2時間約65人、200人の定員が3日で満員になったとか。
第1部開始10時を過ぎると続々とお客さんがやってきました。地元静岡のエイケン工業の「GaregaeSauna」、「TENTSAUNA BASE」、「茨城3UN」、「テントサウナとたき火」、「JAPAN SAUNA FES」……7種10基のテントサウナが、陸上競技場でいうフィールドの部分半分に設置されました。主催のJKAに伺ったところ、参加の方は、競輪ファン20%、サウナ好き80%とのことでした。
競輪サウナ部の「AMBER DOME」でコラボ熱波!
中には、羽釜が特長的な「AMBER STOVE」とアウトドアサウナレーベル「Madsaunist」のスチームジェネレーターが設置。圧縮水蒸気と飽和水蒸気が優しい熱を作ります。
静岡第一テレビ「サ活のサ」とのコラボも。しきじの娘・笹野美紀恵さん&垣内アナウンサーも来場し、コラボ熱波が開催され、ドームの中も大盛り上がり。 お客さんもぎっしりで、思うようにタオルを振るのは苦労したようですが、垣内アナも、一緒に入った笹野さんも「熱い!」と汗だくで出てきました。
「サ活のサ×競輪サウナ部トークショー」
「競輪サウナ部」部長・遠藤勝弥選手(以後エンカツ)と笹野さんが外気浴エリアでサウナ話を繰り広げました。トークショーの一部をご紹介します。
エンカツ「競輪の練習って、キツくてぶっ倒れて吐いている人もいるような場所なんですけど、いつも違って気持ち良さそうなる人がこんなにいる、同じ場所と思えないくらい。ここ静岡競輪場は全国的にも客さんが一番入る競輪場って言っても過言ではないくらいで。昨年末は競輪グランプリという賞金1億3000万のレースも開催した場所です。本当に競輪ファンも多くて、しきじもあるので、サウナファンもいてという、うってつけの場所かなと」
笹野「普段はウォーツとか叫んでいるんですか?」
エンカツ「そうですね、叫んでいるんですけど、競輪場はヤジ。ヤジいただくことが応援していただいている証拠だと思うので、うれしいんですけど、ここで言えないようなヤジもたまにあるんです。割と静岡は愛を感じるヤジ=応援が多いです。『サウナ!』とか。サウナも競輪のためなんですけど(笑)」
笹野「競輪場には選手が入るためのサウナがあるんですよね」
エンカツ「静岡で言えばあの最上階に大浴場があるんですけど、全競輪場にあります」
笹野「一般の人は入れないんですよね。すっごい気になる。特別なサウナって入ってみたいです」
エンカツ「是非、笹野さんに入っていただいて、笹野さんに静岡競輪場のサウナをプロデュースしてもらいたいですね」
笹野「やってみたい!」
エンカツ「競輪場ではレースが月に2〜3回とかあるんですけど、ないときもあって、使っていない期間もあって、もったいないんですよね」
笹野「もったいないです。そこで静岡のサウナ好きの方々がつながってくれたらうれしい。新しいことしたいです」
エンカツ「2019年に僕がサウナにハマったころから一気にサウナブームきていると思うんですけど。周りのアスリート、競輪選手、サウナにハマったという声をすごく聞くんですよ。アスリートって、体も追い込むし、試合もあるから、フィジカルもメンタルも酷使するんですけど、サウナは両方ととのえられるので」
笹野「筋肉の疲労も違うんですよね。レースや筋トレで溜まった乳酸がサウナで解放されます」
エンカツ「レースで高ぶった気持ちを捨てて、明日の練習も気合い入れようという気にもなりますからね。競輪の魅力は、人力で最速だと思うんですよ公営競技だったら、競馬とかボートとか、早いのありますけど、人間じゃないので。今、世界で一番の人だったら、自転車で80キロ出す人がいます」
エンカツ「競輪は横の動きとかいうか、走る格闘技と言われていて、ぶつかったりもするので。スピードがあまり出ないように何十年前の機材を使っているんですけど、出す人は70キロくらい出します。そういうスポーツとしての魅力と、ラインと言って、戦っているのは1人じゃないんですね。大体3人とか2人1組で、それが2つとか3つとかあって。その人たちのこれまでの関係性を知ると見やすいかと思います。」
エンカツ「そして最後は味方も敵なんです。最後のコーナー回って、直線まで、大体50m前後。そこは味方が敵になる。でも味方全員にチャンスがあるようにそれぞれの役割を果たして、そこからは味方にも頭突きしたり、格闘技みたいなところも魅力ですね。CMで言っている言葉を引用させてもらうと『こんなスポーツ、他にないだろ?』。より盛り上がっていただいて、来年再来年と続いていくと思いますので、昨年より倍くらいの規模になってますが、まだ半分空いてますので、さらに倍となると、すごいことになりそうです」
笹野「お子さんが楽しめるイベントや食事ができる場所もあるので、みんなで楽しんでもらえるといいですね」
サウナの話から、競輪の魅力まで。エンカツさんの「サウナと競輪の広めたい」という言葉に、まさに生粋のサウナのプロ、笹野さんとのトーク楽しかったです。
競輪サウナ部員ワットバイク熱波から薪割り、物販と大活躍
ワットバイクとは、競輪選手がトレーニングで使用するもの。選手がこぐペダルで風を起こしてテントの中に送ろうという試み。ホースの先はテントサウナの中のストーブの近くに。
こんな感じです。
まずは、山本勝利選手がこぎます。エンカツさんのレースの実況とともにこぎ出します。
続いて、史上4人目のグランドスラム(全G1制覇)達成者であり、オリンピック出場経験もある新田祐大選手が登場。
プロのペダルとエンカツさんの過去の山本勝利選手、新田祐大選手が1着となった試合の実況とともに大盛り上がりでした。
先日の怪我の影響で、サポートに回ったという競輪サウナ部副部長の渡邊雄太選手。遠征帰りには「御殿場オアシス」に立ち寄ることも多く、千葉県の「南柏天然温泉 すみれ」や岐阜県の「大垣サウナ」がお気に入りとか。競輪サウナ部のオリジナルトートバックとサウナハットは人気で、第一部終了時には完売していました。
競輪サウナ部部長・遠藤勝弥選手インタビュー
ーー昨年に続き2回目の静岡競輪場サウナイベントです。
「昨年はサウナが4つ。小規模で、十何人も3セットくらでしたが、今年は7種10基のテントサウナで、倍になりました。競輪とサウナを広めたいという思いだけです」
ーー競輪サウナ部のテントサウナには2台の強力なストーブがありました。
「AMBERさんからご提供いただいたドームテントサウナと羽釜ストーブ、私物の『Madsaunist』さんのスチームジェネレーターを入れています。新型羽釜は火力も上がっているので、スチームジェネレーターとのダブル水蒸気で、いい感じになっています」
ーースチームジェネレーターは私物なんですね。すごい!
「そうなんですよ。新田さんも持っているんです」
ーートークショーでは、2019年からサウナにハマったというお話されていましたが。
「2019年に京都の向日町競輪場で『人生を変えるサウナ術』(本田直之 松尾大・著)を同期が貸してくれて。読んだら、これだ! って。ととのっちゃって。競輪場って、全競輪場にサウナがついているので、そこで入ったら、完全に沼に」
ーー競輪選手は3日間のレースを月に2〜3回、全国の競輪場にレースに行くんですよね。
「北海道から、九州は長崎、熊本まで。前後で遠征のときは気になるサウナに行きますね。もっともっと巡りたいですね」
ーーホームである静岡にも、それこそサウナしきじ、御殿場オアシスほか多くの施設があります。
「全部好きですけど、サウナにハマる前からなんかいいなと思っていたのは“しきじ”さん。今のように混む前に。競輪選手を目指していたときくらいに知り合いに連れて行ってもらって、全然混んでいなかっかったです。なんか、ここ良いよねって。今は皆さんご存知ですけど。家も近いし。一番好きなのは自分で川でテントサウナするのですね」
ーー大盛り上がりだった「ワットバイク熱波」も競輪サウナ部の皆さんで考えたんですか?
「ちょっとね、手作り感がすごいんですけど。もっと上手く作れたら、良いですよね、カチッとハマるように。イベントでまた改良版を見せたいですね。競輪サウナ部のイベントに来たらワットバイク熱波あるみたいにしたいです。風がちゃん届いたか、わからないけど。また改良して。次はブロワーもやろうかな。皆さんが笑顔で入ってくれて、満足して帰ってくれるのが一番ですね。競輪にしてもサウナにしても。
僕ら競輪サウナ部が言っているのが、競輪は熱狂するじゃないですか、なので交感神経があがる。『サウナ、水風呂、外気浴』は今まで通りなんですけど、『競輪、サウナ、水風呂、外気浴』で交感神経もっとあげてもらって、より落差つけて、ととのってもらって、また競輪してもらえると。
全国の競輪場のサウナは、ドライな感じなので、選手のサウナもより湿度高めにしてもらって、その方が体にも優しいと思うので、そのような活動もしていきたいなと思っています。静岡競輪場のサウナもロウリュはできないので、要望は出しているところです」
ーーサウナ部のみなさんでサウナに行ったりするんですか。
「静岡の玉川自然広場というのがあるんですけど。車で川に横付けできるんです。そこが僕らの聖地。テントサウナを張って、それが競輪サウナ部を作ったきっかけですね」
ーーこれだけ盛り上がっていたので来年、再来年と……。
「ぜひ開催したいですね。その流れが今回できれば。今回(バンクの中の)半分しか使っていないので、まだ広げられます(笑)」
参加者の方々は思い思いにサウナを楽しみ、サインや写真撮影を通して選手との交流を楽しんでおられました。レースのときは金網越しや画面越しに見る選手とも、サウナイベントならではの距離の近さ。サウナも存分に入れて、これで無料とは。来年もサウナ好きは開催希望です。帰りに「サウナしきじ」に立ち寄るのもありです。
撮影/尾崎篤志