ご近所にあったり、料金もお手頃だったりと、私たちの暮らしにとても身近な「銭湯サウナ」。その魅力を深掘りしていく特集シリーズ「GO!_1010-37(GO! 銭湯サウナ)」は、雑誌として発売している「SAUNA BROS.」と、当サイト「SAUNA BROS.WEB」の両方で横断的に掲載しています。
今回は、東京は足立区の西新井にある「岡田湯」を訪ねての2回目。前回記事=<1>では、なんとも不思議な安らぎとくつろぎを感じてしまう浴室やサウナ室などを紹介しました。
浴室内に置かれた観葉植物のグリーンや使用されている水や湯の水質など、岡田湯ならではのとても心地よいポイントはいくつもありますが……「外観からは予想できなかった、意外なほどの広々とした空間」を目にする喜びなどは、皆さんもお住まいの近くの銭湯で体感されたことがあったのではないでしょうか?
後編にあたる本稿では、浴後にもくつろぎの時間を過ごせる空間を中心に、岡田湯が提供してくれる、“街の銭湯や銭湯サウナの魅力”について、その歴史にも触れながらリポートしていきたいと思います。
心地よい浴後&サウナ後は……リビングのような空間で心からのくつろぎを!
東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の西新井駅から歩くこと約10分ちょっと。小さな商店街や住宅街を抜けていくと見えてくる岡田湯。
利用客の目や心を和ませてくれるボタニカルな浴室。
そして、なんとも丁度いい、まさに絶妙な温度/湿度のセッティングと、やはりなんとも言えない味わいを醸し出しているサウナ室。
この写真の、ドライのサウナ室は有料(=入浴料プラス200円)ですが、すべての入浴客が無料で入れるスチームサウナも男女浴室それぞれにスタンバイしています。それも、ほどよくアツ目で、しっかり発汗できる……オススメしたいコンディションで(このスチームで少し温まってから、ドライへ行く、というのも気持ちいいですよ!!)!
男性浴室側のみですが、水風呂や露天風呂もあって、チェアに腰掛けての外気浴も可能な「ガーデンエリア」も。(女性浴室側にも、内階段を上がったロフト的なスペースに休憩用のイスがスタンバイ! しっかり内気浴することができます!!)
どうでしょう! 近くには昨年リニューアルして大人気の堀田湯もあるのですが(徒歩2〜3分くらいの距離です!)、この西新井という駅周辺だったり、もっと言うと足立区エリア全体は、サウナ愛好家や銭湯サウナ好きには、実にオススメの街と言えるんじゃないかと、ここ数年、個人的にそう思っています。
すみません、ちょっと話題がズレましたが岡田湯に話を戻しましょう。
この岡田湯では、浴室、サウナ室でゆったりと心から安らいだ後も、時間さえ許せばそのままのんびりと過ごすことができます。
脱衣所を出て、フロントに突き当たったら、右向け右! はい、ご覧ください!!
浴室同様に自然光が降りそそぐ、高い吹き抜けの空間が広がっています。
小上がりになった掘りごたつ式のスペースには、大きな一枚板の座卓がドーンと鎮座。長辺には、4〜5人くらいは楽に座れそうな広さです。
壁までの奥行きもあるので足を掘りごたつ式の床に投げ出したまま、後ろに倒れ込んで体を横にするなんてこともぜんぜんオッケー。見上げると、こんな洒落たファンが目に飛び込んできます。
ほか、小さなテーブルを挟んで2〜3人が座れそうなレトロソファが2脚あったり、1人掛けのオットマン付きデザインチェア、マッサージチェアも。
さらに階段を上ってみるとそこにはまたまた広い多目的スペースが出現!
時間によっては、ここでストレッチをしているお客さんなんかもちらほらと……(ランナー用の大きなロッカーも奥にあるからか、そもそも健康志向の高い人も岡田湯の常連さんには多いみたいです)。
広いテーブルを囲んだ小さなお子さんと親御さんらしき夫婦が「今夜は何を食べたい?」なんて楽しそうに話していたり、男女数人のグループでソファに向かい合っておしゃべりしていたり。はたまた一人で飲み物を手に静かに過ごす人がいたり。
そう。カウンターを見れば、そこには生ビールのサーバーが! 湯上がり&サウナ上がりに楽しめるほか、各種のソフトドリンクもフロントで購入できます。
なんと、フロントの発券機を見てあらためてびっくり。入浴(520円)とセットなら350円でエビスの生がジョッキで飲めちゃうなんて!!
実に皆さん、ここで思い思いに浴後タイムを……まるで我が家にいるかのように、リラックスして楽しんでいるのです。
日によっては洗濯されたタオルやマットなどがここに広げられて干されているのも、どこかお洒落過ぎなくてご愛嬌というか、気負わずに過ごせるポイントかもしれないのですが(笑)。
なんて思いつつ、現店主の岡田博樹さんにお話をうかがいましたので、次ページから、じっくりご紹介したいと思います。