<新連載>外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~ #1 イタリア・ヴェローナ編

Ciao!​ どうも、イタリア在住・サウナ好き留学生の木村です。2022年秋よりミラノで大学院生をしております。

ざっくり説明しますと、根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、今度はイタリア国内や欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けします。

記念すべき第1回​はイタリア・ヴェローナにある温浴施設(テルメ)をご紹介したいと思います。

なにやら、11月19日(土)、20日(日)に、その施設で欧州各国からアウフグースマイスターを招いたイベント「9°Buon Compleanno Aufguss.it」が開催されるとの知らせを受け、調査してまいりました。

目次

ヴェローナ(ヴェネト州)

ヴェローナは、イタリア北部ヴェネト州にあり、ミラノから​電車で東へ1時間半ほど。シェイクスピアの戯曲「ロミオ&ジュリエット」の舞台として有名な街です。中心地からローカルバスに乗り換えてさらに1時間ほど郊外へ出ると、目的地の「Aquardens Terme Verona」が見えてきます。広大な駐車スペースを横目に施設に近づくと、立派な外観の建物が。

Terme Veronaの外観。言うなれば、イタリア版「箱根小涌園ユネッサン」といった感じでしょうか。

施設「Aquardens Terme Verona」

Aquardens Terme Veronaの施設はなかなかの充実っぷり。基本的には温水プールが中心の施設ですが、別料金でサウナエリアに入れる仕組みです。

サウナエリアでは、フィンランド式サウナ、ロシア式のバーニャの他、ミストサウナ、シベリア鉱山を模した部屋での滝水等が楽しめます。なお、男女混浴ですがイタリアは水着着用となっております。

温水プールでは、湯に浸かりながら生バンドの演奏が聴けたり、プール内にバーがあって、お酒を飲みながら泳いだりできます。

客層はほぼイタリア人で、カップルが多数。まったりできる休憩スペースや、美味しいピザを提供する食事処まで完備しており、朝から晩まで丸1日滞在可能な魅力的な施設。ちなみにイタリア国内最大級のテルメなんだとか。

9°Buon Compleanno Aufguss.it(「Aufguss.it」の9周年イベント)

そして今回のイベントは、イタリアのアウフグース団体「Aufguss.it」の9周年イベントで年間でも最大規模。

約60人収容可能なフィンランド式サウナ室と、約80人収容可能なバーニャ部屋の2会場で開催。マイスターは各々の世界観に沿ったアウフグースを披露。部屋の温度はそこまで高くないものの(フィンランド式は温度80〜90度、湿度15%・バーニャ部屋は温度65~70度、湿度60%)、アロマ氷をバシバシ追加していくので、汗がどっと吹き出ます。これが土日の2日間、後0:30から後11:00まで続きました。

フィンランド式サウナ。かなり綺麗

1日で計14演目が披露されるため、体力的にさすがに全てには参加できませんでしたが、今回、イベントに招待してくれたAufguss.itの共同創設者Riccardo Marzi氏、Enrico Ganassin氏の力強いアウフグースに始まり、2014、2015、 2016年の世界チャンピオンRob Keijzer氏による「Last Samurai」などを満喫できました。

そして、アウフグース後の外気浴。すでに秋も深まってきているので滝水を浴びずとも外の空気だけで充分スッキリ。レッシニア高原の雄大な景色を眺め、イタリアの晩秋の訪れを火照った肌に感じながら帰路につくのでした。

オランダから参加のRob Keijzer氏。袴姿で弓矢をしたり和太鼓を叩いたり独創的な世界観。なお、Rob氏のちょうど背後に映っているのが筆者
Aufguss.itの共同創設者Riccardo氏(左)とEnrico氏(右)

Riccardo氏は学生時代、ヴェネツィア大学で日本語・日本文化を専攻するなどかなりの親日。なお、彼の初めてのアウフグースは、川井憲次のサウンドトラックをBGMとして「修験道」をテーマにしたとのこと。

あとがき

ワイン作りが盛んなヴェローナでも、このテルメのある辺りは、ヴァルポリチェッラ地区と呼ばれ、アマローネという美味しいイタリアワインが作られる有名なエリア。翌日エアビーでお世話になった家主が近くにある「Tenute Fasoli Lorena」というワイナリー(2016年創業の新興ワイナリー)へ連れて行ってくれ、ワイン醸造工程の見学と試飲を。充実の週末となりました。

ぜひヴェローナでテルメを楽しんでからのワイナリー巡りをしてみてはいかがでしょうか?

チーズとサラミをアテに5杯ほど試飲させてもらい、ほろ酔い気分

【木村 光留(きむら・みつる)】​
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。(twitter:@buraraorange)

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