
モイ~。
本日も祖師ヶ谷大蔵駅前にあるマイホームサウナ「自問自答」の休憩イスに横たわりながらこの原稿をスマホでポチポチ書いています。
サウナ精神科医ポジティブクレイジー仲間・沼田さん
2025年も気が付けばもう一年の3分の1が経ちましたね。いやはや、早い早い。地球から遠く遠くにあるブラックホールでは、アインシュタインの相対性理論によって重力が強い場所ほど時間の流れが「遅く」なる現象が起こるとのこと(ウィキペディア調べ)。
25年に入ってから、このアインシュタインの相対性理論の真逆の「絶対性理論」みたいな考え方で、時間が早く進む「空間」にいるかのようなハイスピードな4カ月間でした。一週間が3日間くらいに感じましたもん。会社立ち上げて2年目の今年、ありがたいことに年明けから色々仕事の相談を受けたり、今、契約している団体の企画立案から実行に向けた組織づくり、打ち合せ、会食そして出張……とすき間ない感じでした。そうなってくると、当然サウナへ行きたくても行ける回数が減る。サウナにあまり入れてないから、粘着性のある疲れが身体の内側にへばりついた感じが続く。そんな状態だから、布団に入っても眠りが浅い。浮かんでくる企画もキレがイマイチ。うーーーん、この状況は非常によろしくない、なにかリフレッシュしたいなーーっと2月の中旬頃に考えてました。
すると、この僕の「あ~サウナ行きたい!!!!!!!!!」という脳波を傍受したかのように、フィンランド政府観光局の沼田さんからピコッとLINEが届きました。
沼田「東京都の青梅に新しいサウナ施設ができて、3月中に泊まりに来ないかと誘われてるんだけど、一緒にいかが?」
あ~! もうこのLINEには、後光が差してましたね。文字が光って見えましたもん。ありがたや、ありがたや(合掌)。
沼田さんは、もう何回もこのSAUNA BROS.WEBの連載に登場していますが、僕をサウナの国・フィンランドに導き、日本国内で実施されるサウナイベントへの参加案内をくれ、沼田さんの持つ、サウナネットワークを余すことなく僕に繋いでくれるスーパーマーベラススペシャルポジティブクレイジーなサウ仲間です。
沼田さんは、いつも絶妙なタイミングで声をかけてくれるんですよね。
3年前の2022年秋、僕は長年在籍した川崎フロンターレを離れて新たなチャレンジをするか、そのままクラブに残るか、めちゃくちゃ悩んでいた時があったんですね。
フロンターレには、クラブ創設の97年にプロパースタッフ1号として活動をはじめて、ホント0(ゼロ)の状態から地域やサポーター、スポンサーとの関係を築いてきた。それこそ自分が「こういうクラブを創りたいなぁ」と、フロンターレに入る前に思い描いていた像に近づいていたので、その先の景色を自分がいけるところまで見届けたいという想いがあったんですね。
フロンターレのバンディエラ・中村憲剛選手が、別のクラブに移籍することなく、フロンターレ一筋「ワンクラブマン」として現役引退したように、クラブスタッフのワンクラブマンとして最後までね。ただ一方で、年齢が上がってきてクラブ組織の職制上、自分のチカラが発揮できる範囲が見えてしまった。残ることはできても、自分のチカラが発揮できなければ在籍する意味はない。ならば、身体と頭が最高潮に動く、この時を後悔することなく挑戦できる場を外に求めようか……。ここは、自分の人生のターニングポイントになる場面なので、やはり悩みましたよね。
そんなとき、沼田さんが「フィンランドへ行こう」と誘ってくれたんですよ。僕の頭の中は、もうグチャグチャになっていたんだけど、フィンランドへ行ってサウナに入る時、スッキリとした気持ちでその時を迎えたかったから、フィンランドに出発する羽田空港のロビーから、フロンターレの社長に電話をして「来季をもってフロンターレを辞めます」と伝えました。
まさに、自分のターニングポイントでしたね。沼田さんがフィンランドに誘ってくれてなかったら、もっと悩みに悩んでズーーンとなってる期間が、長引いちゃってたと思います。おかげでフィンランドでは、超絶スッキリした気持ちで過ごすことができたし、心身ともにリフレッシュして、フロンターレでのラスト1年間の活動をおくることができました。
まぁ沼田さん自身がそんなこと意図して声をかけてくれたわけじゃないと思いますけど(笑)。
そして今回、またしても沼田さんが絶妙なタイミングで僕をサウナに誘ってくれたわけです。そのサウナの名は「JIKON SAUNA TOKYO(以降JST)」。25年1月に東京都青梅市にオープンしたサウナ施設です。

アースバッグサウナを初体験
JSTは、JR中央・青梅線に乗り、立川駅から30分ほど。青梅というと、東京都ながら自然豊かな山里離れた町っていうイメージがあり、都心から結構遠いのかな〜と思いましたけど、そこまでではないですよね。
沼田さんと青梅駅で待ち合わせをしてタクシーに乗りJSTへ。移動中、運転手さんが
「今年1月にオープンしたばかりのようですが、結構JSTへのお客様を乗せます」と言ってました。うーーん、街の経済効果に寄与してるぜ、JST!
青梅駅からはタクシーで5~6分くらいですかね。自然の中に、ドーーンとサウナ施設が出てくるのかと思いきや、民家が並び立つエリアにJSTはありました。玄関には、JSTの大きな暖簾がかけられており、外観は老舗料亭のような感じ。聞けば、築150年以上の古民家で、敷地内にある蔵をサウナに、庭を水風呂・外気浴スペースに、そして母屋を休憩、宿泊スペースに大改造リノベーションしたそうです。
到着すると、沼田さんのサウ仲間でJSTオーナーの翔くん、支配人のトミーが出迎えてくれました。これ、偶然ではないと思うのですが、何でサウナ関連の人達って、外気浴の爽快感同様の気持ち良さで、すぐ打ち解けちゃうんですかね。オープンマインドが過ぎるだろっ! ってくらい初対面ながら翔くん、トミーと会話が弾みます(初対面なのにあだ名呼び)。
外交的な人は、サウナが好きな傾向にあるのか、サウナの会話をしているから外交的になるのか(仕事の時は外交的ではないのに)、ここら辺がホント気になります。因みに僕のまわりでサウナ好きな人は「面白いものが好き」「生き方に余裕がある」「アクシデントも楽しめる」そして「少し社会不適合者」が多いです(笑)。皆さんのまわりのサウナ好きってこれに当てはまります?
JSTは、3部制で、①10:30~13:30 ②14:00~17:00 ③19:00~22:00 となっています。
ただ③は、そのまま母屋に宿泊も可能なコースもあり、日帰り&宿泊で楽しめます。事前予約制で、各回最大10名まで利用可能。水着着用でのサウナ利用のため、友達、家族、カップルで楽しめます。
今回、アマノ、沼田コンビは宿泊もさせてもらうということで、③の時間から利用させてもらいました。ただ、せっかくのNEWサウナ施設を野郎2人だけ利用させてもらうのは勿体なさすぎるということで、コクヨサウナ部長のカワちゃんこと川田直樹さんと奥さんのスーちゃんにも声をかけて、4人で利用させてもらいました。
JSTのサウナは、敷地内にある蔵をサウナ室に大改造した蔵サウナなのですが、このサウナがただもんじゃないんですよ! 何と蔵の中に土を積み上げて作る「アースバッグサウナ」と呼ばれるもので、関東ではJSTだけ! 実際、マイホームサウナ「自問自答」のサウナ室内は「木」だし、「土」のサウナ室って経験ないかなー。あっ、フィンランドのタンペレで訪れた最古の公衆サウナ「ラヤポルティ」のサウナ室は木製ではなかったですね。何でできてるのか分からないですけど、コンクリートのようなガッチリとした壁面でフィンランドにしては、珍しく熱がとても「蓄積」してる感じだったのを覚えてます。まっ、室内が狭く、隣に座ったフィンランド人の巨漢の方の身体が、僕の身体と超絶ギュウギュウ密接してたので、そう感じたのかもしれませんが(笑)。
アースバッグサウナは木よりも「断熱性」「蓄積熱」に優れているため、サウナストーブからの熱だけでなく、座面や壁面から丸々360度、熱が全身を包み込む感じとのこと。
そんなアースバッグサウナの違いと魅力を、サウナに入る前に細かく支配人のトミーから説明を受けたもので、もうアマノのサウナアクセルは全開。話を聞きながらもう服を脱ぎ始めてました(笑)。
まず、母屋で水着に着替え、専用のガウンを羽織り中庭を通って、アースバッグサウナのある蔵へ移動。外観は、150年以上前の蔵をリノベーションしているため、先ほども名前が出たラヤポルティサウナと似てると思いました。
室内に入ると、真ん中にドドーンとサウナストーブが鎮座。蔵の中なだけあり、木製の解放感とは違う圧迫感、密度を感じます。照度低めのライティングが、土壁の凹凸の濃淡を際立たせて、芸術作品のようです(いや、大袈裟じゃなく)。壁面にペインティングはされてませんが、まるで、ピラミッド深部にあるツタンカーメンの墓のよう(写真でしか見たことないけど)。
とにかくこれは、初体験のサウナ室でとても胸が高鳴りました。
中央に設置されたサウナストーブに、ロウリュをして室温を上げていくのですが、床にも水をまきます。錦糸町「ニューウィング」の床ロウリュみたいな感じですね。室内の密閉度を考えると、グワーーっと室温が上がっていくのかと思いきや、そんなことはなく、トミーから説明を受けたように、じわーーりじわーーり身体を包み込むようにゆっくりと熱くなっていきます。室温はそんなに高くなく75~80℃くらい。熱で肌が火照って痛くなるようなことはなく、体の芯から温められていく感じだから、一緒にサウナに入った人たちと会話しながら長く入っていられますね。
これはいい! すごくいい! 一人静かに入るサウナも気持ち良いですけど、やっぱり僕はフィンランドで体感したみんなとワイワイ楽しくコミュニケーション取りながら入るサウナスタイルが好きですね。サウナって「圧力鍋」と似ていて、人間関係がギュっと濃密になる空間だと思うんですよ。初対面の人でも、サウナの中でコミュニケーション取っていたら、自分の恋の悩みを打ち明けるくらい心が近づきますからね(個人差あります)。










至極の寝ころびスペース
アースバッグサウナを堪能した後、中庭にある水風呂にザブーーン! JSTの水風呂って、鯉が泳いでいてもおかしくない「池」みたいな形状しているんですよ。深さはないんだけど、かけ流されている水温13~14℃の井戸水の露天水風呂に足を思いっきり伸ばして入るとこれは……ヘブン! JSTのすぐお隣は、民家なので近隣迷惑ならない程度の声量で「ンガァ~キモティ……」を連発してました。
そしてそして! 休憩スペースが、これまた最高でしたね。水風呂がある中庭に、リクライニングチェアエリアと寝ころびエリアが設置されており、特にこの寝ころびエリアが秀逸。高級寝具「ブレインスリープ」というメーカーの、特製マットと枕がセットされているのですが、見た目は、春雨やツバメの巣を固めたような……簡素な構造で厚さも大してない。ただマットに横たわってみると、宇宙空間を漂っている or お母さんのおなかの中の羊水に浮いているかのような感覚(どっちの経験&記憶もないですけど、たぶんそんな感じ!)。
僕らが伺った3月下旬は、既にJST内の桜が満開。このマットに仰向けになって横たわり、見上げた先には、ライトアップされた夜桜が。ヒラヒラ舞い落ちてくる桜の花びらを愛でながら、休憩できるってどんだけ幸せTIMEなんだよ! 今年入ってからの忙しさで、疲弊した脳内の疲れが一気に消え去りましたからね。頭の中を高圧洗浄機で、ブシャーっと一掃した感じがしました。まさかこんな最高なととのい休憩が、青梅で体験できるとは思ってませんでした。
結局、アースバッグサウナには夜、そして一泊した朝の2回、合計8セット堪能させてもらいました。泊まりだとサウナ入った後もご飯食べながら、そして、ご飯後もお酒飲みながら、ゆっくりと同行者と話ができるのが良いですね。「たわいもない話を気心知れた生身の人と向き合って話す」って大事ですよね。JSTでスーパーリフレッシュできて、この原稿書いている4月下旬でも元気モリモリです。誘ってくれた沼田さん、そして翔くん、トミー、カワちゃん夫妻に感謝です。また、元気がなくなったらJSTに仲間誘って行って来よう!
それではモイモイ~!







天野春果(あまの・はるか)
1971年4月17日生まれ。東京都出身。1993年からワシントン大学でスポーツマネジメントを学ぶ。帰国後は富士通川崎フットボール(現川崎フロンターレ)に就職。以降、”J最強企画屋”としてサポーターに愛されてきた。27年間勤めた川崎フロンターレを退社後、新会社Two Wheel Sports(略してTWS)を設立。代表取締役社長に就任した。
※天野春果連載「企画屋アマノ〜アイデアのととのえ方〜」はこちらから
自問自答 祖師ヶ谷大蔵店
■住所:東京都世田谷区祖師谷3丁目32−14 YAMATOYA BLD 1F
■営業時間:24時間営業
※男性専用、会員制のサウナ施設
※その他詳細はこちらから
JIKON SAUNA TOKYO
■住所:東京都青梅市駒木町2丁目387
■営業時間:①10:30~13:30②14:00~17:00③19:00~22:00 ※予約制
※料金、予約方法など、そのほか詳細は公式HP(https://jikonsauna.com/)からご確認ください