友野一希「スケートときどきサウナ」第11回/スパ・アルプス

日本を代表するフィギュアスケーターで、サウナをこよなく愛する友野一希さんの連載「スケートときどきサウナ」。今回はSAUNA BROS.vol.6で紹介した「富山サ旅」から「スパ・アルプス」の番外編をお届けします。

――友野さんにスパ・アルプスを体験していただきたいと思っていたんです。

「『スパ・アルプス』さんは、超有名店で、みなさんがすごくいいと言っていたのでずっと来たかった施設でした。実際、最高でした!

水風呂が有名と聞いていたのですが、サウナ室も良かったです。長年愛されているサウナ室、という感じで。ストーブもサウナストーンが800キロもあり、中は空洞らしいんです。その方が熱が回るみたいで。実際入ってみるとしっかりとちゃんと熱かったし、でもカラカラというのではなくて、じっくり入れる感じでした。めっちゃ好きなあたたまり方ですね。今日は3セットしたのですが、僕にしては結構長いこと入っていました。10分以上は入っていたんじゃないかな」

――それは「このあとに水風呂が待っている」と思ったから長く入れたのですか?

「いや、そういうわけではなくて、シンプルにサウナが気持ち良かったんです。熱いのはもちろん熱いんですが、気持ちが良くて。熱さと湿度がちょうど良かったのかもしれない。熱いんだけど、心地良くて、ぬくもりを感じるあたたまり方でした」

――3セット目には店長によるアウフグースもありましたね。使っていたアロマがすごかった……。

「いやー、あればヤバかったです。『ベリー』のアロマ。甘いねっとりした感じが、もう頭がクラクラきましたね。すっぱい系や、さわやか系のアロマも好きなんですが、甘い香りもいいなと思いました。色気があるとういか、いい男になった気持ちになれるアロマでした(笑)。甘い系のアロマは初体験でしたが、おすすめです!」

――スパ・アルプスといえば、水風呂が有名です。北アルプスからの天然水100%で、飲める水風呂です。全国のサウナ愛好家が求める「水風呂」はどうでしたか?

「水風呂ね、もうね、思い出しただけでも笑ってしまうくらい気持ち良かったです。なんなんでしょうね、あの気持ち良さは。言葉ではうまく言えないんですが、サラサラしていて、肌になじませるとスベスベになって。体中の毛穴が水を飲んでいくような感じ。本当に気持ちが良かったです」

――思わず笑ってしまう気持ち良さ、ですよね。分かります。最後もう1回水風呂入ってから出るか、思える気持ち良さと言うか。

「そうなんです。サウナのあとだけじゃなく、お風呂の後も入りたくなるし、僕は水風呂が好きなので、水風呂だけでも入りたくなってしまうような、求めてしまう水風呂。冷たくないわけではないのですが、感じ方が冷たくないというか……イヤな冷たさがないのでずっと入れてしまう水風呂でした」

――外気浴もいいですよね。

「外気浴エリアは上品な……なんていうか日本の『庭』な感じで、緑もありましたし、ぽーっと眺めていて心地良かったです。雪が積もってもきれいだろうなと思いました。寒い時期は通気口の下が特等席だと聞いたので、その時期にまた来てみたいです」

――サウナのあとは、施設内の食堂で、サ飯も召し上がってもらいました。

「ホント豪華でした! お野菜も煮物もあるし、卵焼きも。手作りのご飯、それだけでもうれしいですが、僕、お魚好きなんです。特に生物が好きなのでお刺身があってうれしかったです。そのお刺身も最高でした。それに、白米もふかふかでホントおいしかったです。ヤバいです。水が良いところはご飯もおいしいんだな~」

――友野さん用にスパ・アルプスさんが用意してくださったスペシャルメニューで、御膳にくわえて、ブラックラーメンもありました。さすがに、量が多いのでは……と思いましたが、両方ともキレイにたいらげてくださって。

「ラーメン好きなので『富山ブラックラーメン』も食べられて大満足です。香りとコクがいいですね。大阪にも『大阪ブラックラーメン』というのがあって、おいしいですよ。それにしても、御膳とお刺身、ラーメンって、豪華すぎませんか(笑)。おいしいです。こういう食堂の雰囲気もいいなぁ。メニューが貼ってある感じとか、なんかホッとしてしまう。

今、『映え』のような、いろいろ新しい物だったり、オシャレにしないと、洗練されていないと、という傾向が強くなっている時代だからこそ、こういう昔ながらの雰囲気で、あたたかさを感じる施設に人は癒されに来るんだと思います。全国から『スパ・アルプス』を求めて来て、そしてファンになって帰っていくというのは納得です。食事ができて、休憩処や娯楽もあって。

日常の娯楽がギュッと詰まっているんですよね。サウナが最高というのは本当にそうですが、マッサージやマンガ、麻雀コーナーもあって「誰でも来て、くつろいでいってください」という施設側のやさしさを感じてしまいます。僕、そういう施設がホントに好きで」

――分かります! 施設から感じる「あたたかみ」ってありますよね。

「そうなんですよね。「あたたかみ」って、スタッフの方のホスピタリティーだけでなく、ここに来る人たちも施設に愛着をもっているのが分かるんです。アットホーム感というか、初めて来たのになぜか『実家感』があるんですよね。ただいま、って言いたくなるような。お客さんたちの施設への愛情があって、それがほかのお客さんにも広まって……あたたかさの一体感ていうのかな、施設全体がほんとに……最高なんです。語彙力なくてすみません(笑)」

――いえいえ、「最高」なんだって、伝わります。ところで、スパ・アルプスさんは著名人の方にロッカーにサインをしてもらうというのがありまして……。

「えっ!! うそ! もしかして……!」

――施設さんから、帰るときに友野さんもロッカーにサインを書いていただけないかと依頼がありました!

「めっちゃうれしい! ロッカーにサインって実は憧れていたんです! 僕で本当にいいんですか? 名だたる方々がサインされているところに、加えていただけて光栄です!」

――マイロッカーができましたね!

「そうですね(笑)。またスパ・アルプスに帰ってきます! ご飯もおいしかったですし、サウナも水風呂も、スタッフの方もみんな好きになってしまいました。『がんばってね』って声をかけていただいて、うれしかったですし、大阪からも、そんなに遠くないので、絶対にまた来ます!」

次回は「富山サ旅」番外編の第2弾をお送りします。お楽しみに!

【友野一希(ともの・かずき)】
1998年5月15日生まれ。大阪府出身。4歳よりスケートを始め、ジュニア時代から表現力の豊かさには高い評価が。見ていて楽しくなるその演技で“氷上のエンターテイナー”“浪速のエンターテイナー”と称されることも。2022-23シーズンは、全日本選手権で3位。世界選手権6位。今シーズンもさらなる高みを目指す。

撮影協力
スパ・アルプス
■住所:富山県富山市山室292-1
■営業時間:24時間営業(早朝の掃除時間は浴場、サウナ室等利用できません)
※詳しくは公式HP(http://www.sauna-alps.com)をご確認ください

撮影/佐藤佑一

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