<連載>外気浴(かぜ)をもとめて~欧州サウナ紀行~ #6 スウェーデン・ストックホルム編

Ciao!  ミラノ在住の木村です。

根っからのサウナっ子で日本では毎日のようにサウナに通っていた私が、今度はイタリア国内や欧州各地のサウナと外気浴(かぜ)を求めて、月に1度欧州のサウナリポートをお届けしております。

今回はスウェーデンの首都ストックホルムへ行ってまいりましたので、その模様をリポートしたいと思います。(前回のリポート #5 ハンガリー・ブダペスト編はこちらから)

今年は、久々の海外旅行でサウナの本場フィンランドを訪れる方も多いかと思います。せっかく北欧に行くのだったら近くにある他の国のサウナも楽しんでみたい。そんな方のご参考になればと思い、フィンランドの隣国スウェーデンにあるアクセス良好なサウナをご紹介します。

目次

「北欧のデザイン都市」ストックホルムへ

首都ストックホルムは、フィンランドのヘルシンキから飛行機で1時間のアクセス(フェリーでも約18時間かければ可能)で、市内には多くの観光名所がありますが、特に北欧デザインで有名な街です。個人的には、グンナール・アスプルンドの建築や(特にストックホルム市立図書館がオススメ!)、世界一長い美術館とも呼ばれるストックホルム地下鉄の駅構内などが見どころとなっております。

いつものように、その土地に着き、宿にチェックインしてからGoogle Mapsで近くのサウナを検索するとストックホルム中心部に良さそうな施設が見つかりました。

Centralbadet(セントラルバーデット)

Centralbadetは1904年に完成した、約120年の歴史を誇る人気入浴施設で、アールヌーヴォー様式の美しいフォルムの建物が特徴的です。Central(中央の)+badet(スウェーデン語で風呂の意)の言葉が示す通り、市内中心部にあり、ストックホルム中央駅からも歩いていけるほどのアクセスの良さです。

入浴以外にもジムやヨガ教室、バーバー(理容室)などいろんなメニューが盛りだくさんの施設です。
詳細は公式サイトから。

サウナおよびプールへの入場料は曜日によって異なりますが、月曜〜木曜と金曜日の午後3時までは450スウェーデンクローナ(約6,000円)、金曜午後3時〜および週末は650スウェーデンクローナ(約8,400円)となっております。入場料にはタオル、スリッパ、スイミングキャップのレンタル代が含まれているので、手ぶらで行っても安心です。

Centralbadetの入口と施設入口にあるテラス席

館内は、プール、ジャグジー、サウナとでエリアが分かれており、注意点としてはサウナエリアでは水着を着用しないこと。プール、ジャグジーエリアとサウナエリアの間に男女別の着替えスペースがあり、そこで水着に着替えることができます。

サウナ室内ではこのようにバスタオルを巻く人が多数

サウナ室は男女一緒となっておりますが、こちらの施設ではバスタオルを巻くことがマナーのため、水着なしでの混浴が気になる方でも、そこまで抵抗なくサウナを楽しむことができます。そして気になるサウナは次の通り。

NORDIC SAUNA

俗にいうフィンランド式サウナ。だいたい85度くらいだそうですが、上段に行ったらもう少し熱く感じました。いろいろ試した結果、私はほとんどの時間をここで過ごしました。

INFRARED SAUNA

個人的にはこのサウナはおもしろく感じました。最新の低温赤外線サウナなので、9分間の利用で従来の赤外線サウナ45分間と同様の効果があるそう。快適なチェアに座りながら目の前にあるスイッチを押すことで自分のペースで低赤外線サウナを楽しむことが可能です。

INFRARED SAUNAの様子。赤く見えますが、そこまでの熱さは感じません。

SALT & DESERT SAUNA

コンセプトは、砂漠を感じるサウナ。巨大な扇風機からの風を「砂漠の風」に見立てて入るサウナは不安解消や不眠症などにも効果があるそう。

そのほか、THE STEAM BATH(温度45度で湿度100%のスチームサウナ)、HERB & CRYSTAL SAUNA(中心にクリスタルが置かれたスチームサウナ、癒しの音楽が流れている)など、自身の体調や気分に合わせてサウナを変えることが可能です。

そして、こちらのCentralbadetの推しポイントはなんといってもこちらの25ヤード(22.86メートル)の綺麗なプール。

ただぼんやりと浮かんでいるだけでも幸せな気持ちになれるすごく不思議な空間でした。水風呂の代わりにもなっており、サウナ後に火照った体を冷やしながらのスイミングは格別。

そして、泳いだ後はプールサイドにあるおしゃれな椅子でゆったり休むことも可能です。
日本でよく座っていたサウナ後のプラスチック椅子も好きなのですが、北欧デザインを感じられるサウナ椅子もスウェーデンならではの体験となりました。

あとがき

ストックホルムで個人的に面白いと思ったのはスヌースというスウェーデン発祥の無煙タバコ(ポーションを、ほおと歯茎の間に挟んで嗜むタバコ)。

コンビニ(欧州では珍しくスウェーデンにはセブンイレブンがある)で気軽に購入できるスヌース

私は普段タバコを吸わないのですが、せっかくなのでサウナでととのったあとに一服。かなりクラっときましたが、不思議な感覚でした。喫煙者の方はサウナ後にスヌースでさらにリフレッシュされてみてはいかがでしょうか。おすすめはミント味です。

また、スウェーデンは革新的な賞で有名なノーベルをはじめ、私が普段勉強している戦略デザインの分野でも、SpotifyやIKEAといった尖ったビジネスモデルの発祥地として、必ず名前が上がってくる土地。もしかしたら、そういった企業の創業者たちがこの歴史あるCentralbadetのサウナに入って新しいビジネスを考えたのかもしれない。そんなことを妄想しながらストックホルムを後にするのでした。

【木村 光留(きむら・みつる)】
ミラノ工科大学の戦略デザイン修士課程で学ぶ大学院生。14年働いたCS放送局を退職して渡欧。サウナが好きすぎてサウナ番組を作ったこともあり。お気に入りは、出身地・静岡県にある「サウナしきじ」。(twitter:@buraraorange)

シェアお願いいたします
  • URLをコピーしました!
目次