格好つけない。羞恥心を捨てる
次に僕が新組織でチカラを発揮するために心掛けて実行しているのは、自分を着飾らない、格好をつけない、偉そうに装わない、羞恥心を捨てるといったことです。これ、ホント邪魔です。上記の行為をしていいことなんか1つもないですよ。特に長期的に活動した時には必ずボロがでますから。人間の性なのかもしれないですし、僕だって人間だからそりゃありますよ、人から良く思われたいって。でも結局は偽って背伸びしても実力以上なものは出せないので、如何にそれらを自制して等身大の自分をさらけ出して勝負するかですね。
等身大の自分だって何か胸を張って主張できるものはいくつかあるじゃないですか。その持ち合わせているものを、しっかり相手に伝えることを僕は心掛けています。
僕がスポーツのチカラを活用して仕掛ける企画の数々は全て目指すべきゴールは一緒で「日本をスポーツの力で元気にしたい」「ホームタウンの人たちと一緒に笑顔になりたい」という想いです。結構、純粋なんですよ。その目標に向かって等身大の自分のチカラを最大限発揮。ただ一人だけのチカラじゃ辿り着けないから、「その目標に向かう仲間がほしい! チカラを貸してほしい!」と着飾ることなくシンプルに混じりっけなく訴えることです。
南葛SCに2月から加入して、僕は自分をさらけ出す2つの機会を南葛SCのGMを務める岩本さんにお願いしてセッティングしてもらいました。
まず1つ目が、選手、監督、コーチ、トレーナーなど強化部メンバーと初対面して僕が挨拶させてもらう機会です。
南葛SCには川崎時代、共に活動した風間八宏監督、稲本潤一選手、楠神順平選手、トレーナーの川崎さんが在籍しているので僕がどういう人間性で、予定不調和な企画を仕掛ける人物なことを知っています。ただし、その他の大多数のメンバーは僕がどういう人間かは分かりません。練習場はクラブオフィスとは別のところにあるため、強化部メンバーと頻繁に顔を合わせ、コミュニケーションを密にとれる環境にありません。
そう考えると、この初対面の挨拶という接点で天野春果という人間性を理解してもらうことが重要になります。しかも練習がスタートする前の挨拶なので、どこか会議室でゆっくり時間を取ってするわけではないので持ち時間は一瞬です。
そこで僕がとったアクションは、挨拶はそこそこにキャプテン翼のテーマ曲「燃えてヒーロー」を大きい声で歌うということでした!!
しかも小刻みなダンス付き! しかもしかも要所要所を南葛SC替え歌バージョンにして!
ええ、これなかなか恥ずかしいですよ。でも天野春果っていう人間がどういう人なのかが一瞬で伝わると思ったし、何より「初対面で歌を歌ったおじさん」という強烈なインパクトは残せると思ったんですね。失笑OK! 少なくても僕が暗い人間だと思わないですよね。いきなり人前で歌うぐらいなんだから(笑)。そして今後、僕が選手に奇想天外な企画を提案したとしてもギャップは生まれないだろうなと。そう思うと羞恥心を捨てて歌うことは屁でもないです(そもそも僕は羞恥心っていう心ないかも)。実際、歌ったことでその後、選手たちとの会話は堅苦しくならず距離は縮まったと感じました(自己分析ですけど)。
2つ目の格好つけない、羞恥心を捨てる機会は、「アマノの考えるクラブの存在意義とそこに向かうためのアクション」という講義の時間の設定です。
これは、クラブオフィス近くにある葛飾区のホール施設に選手、スタッフ全員を集めて約1時間行いました。選手、スタッフ約50人の視線を一身に浴びて講義を行うとどうしても「いいこと言わなきゃ」となってしまう。でも大事なのは書いた原稿を綺麗に読み上げることではなく、自分の想いを多少言葉が乱れながらでも着飾らずドストレートに届けることだと思うんですよ。
僕が主に話したのは、「ゴールは葛飾区を南葛SCの力で元気に豊かに笑顔にすること」「ゴールは1つでもそのための手段はたくさんあること」「クラブのアクションで重要な要素は楽しい、おもしろい、温かい、近いの4つであること」「南葛SCはポテンシャルに満ち溢れていること」「でもそのポテンシャルを引き出せるかは僕ら自身にかかっていること」。そしてこの話をしたうえで、なぜ南葛サウナクラブという活動を行うのか、その目的と手段について伝えました。選手たちは興味を持って話を聞いてくれましたね。
まぁ、全てがこのおかげとは思いませんが、やはり「自分の想いを着飾らず伝える」=熱をおびることは大事だと思います。サウナだって熱いんだから僕ら人間だってもっと熱くないと!