独創性に満ちた新・都市型サウナ「TOTOPA」体験リポート①

「アツいのが好き」だったり、「湿度があるのがタイプ」だったり。「テレビがある方が自分には向いてる」だったり、「暗くて静かだと落ち着く」だったり。サウナ室ひとつとっても、その好みは人それぞれですよね。そしてそれは水風呂や休憩をとるスペースにも言えることだと思います。

ここ数年、サウナシーンが盛り上がるにつれて、その日、どんなサウナに行きたいかの“選択肢”は無限大に広がっている気がします。

「多様性」っていうんでしょうかね。

さて。2024年3月22日オープンの「TOTOPA 都立明治公園店」を訪問してきたのですが……ずばり、その「多様性」というワードや、「新たな広がり」みたいなものを強く感じさせてくれる施設でした。

サウナ室の「デザイン性」「遊び心」が強烈に印象に残る男性用浴室。どこかユニークな造りながら心身の癒しに特化した女性用浴室。ともに、いわゆる従来の「サウナ」の楽しみ方のポイントは踏襲しつつ、独自の世界観やコンセプトをプラスした、オリジナリティーあふれる空間が広がっています。

書きたいことがたくさんありそうなので、ひょっとすると何回かに分けてのシリーズ掲載になるかもしれません。今日のところは……まずは何をおいても、そのサウナ室・浴室フロアを中心に施設の概要をリポートさせてください!

目次

国立競技場の目の前! 都心の憩いスポットにオープン

東京在住の方でも、「都立明治公園」と聞いて、すぐにどこのエリアにあるかがピンとくる方はあまりいないかもしれません。でも、上の写真を見れば、「あっ!」と思うのではないでしょうか。

はい、そうです。国立競技場(東京都新宿区)のすぐ目の前。「東京オリンピック2020大会」などにも利用されていたエリアが再整備されてグランドオープンしたばかりの特定公園なんですね。

園内には広い芝生広場や、遊具のあるエリア、散策や運動のできる空間などが広がり、またカフェやレストランといった店舗棟も点在しています。まさに、都心でホッと一息つけてしまう、とっておきの憩いスポットといった趣きです。

さて、「TOTOPA」が入るのはこの店舗棟。3階が男性用フロア、2階が女性用フロアになっています。

ではまずは、男性用フロアから見ていきましょうか。

ロッカールームですでにテンションUP!? 浴室へ進むと……

フロントでチェックインを済ませて、こちらの脱衣場=ロッカールームへ。

ロッカーの下部がベンチになっているスタイル。いいですねぇ。使いやすいんですよね。「SaunaLab」などでもお馴染みですが、フィンランドなどの施設ではよく見られるスタイルと聞いたことがあります(←すみません、実際に行ったことはないっす)。

では浴室へいざ!

洗体、洗髪は入ってすぐのシャワーブースでもいいですし(ちなみにシャワーヘッドは、Refaの4段切り替えのアレ、アメニティはOSAJIです)……。

こんな目隠し扉のついたシャワーブースもあります。

でもイスに座ってカランで洗う……みたいな場所はありません。この機能性&シンプルさ。サウナ特化施設だなという印象を強く持ちます。

さて。こちらにはサウナ室が3つあるのですが、それが横に並んでいます。

その名も「左室」(さしつ・フロア左側)、「右室」(うしつ・同右側)、「ナ室」(なしつ・同中央)。

順番に入ってみましょう。

刺激的&個性豊かな男性フロアの3種のサウナ室!

クールなのにホット! 思わず感覚がバグる「左室」

まずは「左室」。

浴室側からガラス越しに見えてはいましたが、あらためて扉を開いたら……やっぱりちょっと圧倒されます。ブルーの照明で浮かび上がる、壁面の直線的なグリッドのデザインワーク。

室内の調光はこのブルーの明かりだけで、全体的な調光は抑えめなんですが、決して暗くはなくて……なんだかスペイシーで近未来的というか、暗めなのに目は冴えるというか。

そもそも室温は100℃前後。HARVIAのストーブにオートロウリュもあるので、適度な湿度も感じられます。だから、しっかりアツい! なのに寒色のライトですからね……ちょっと感覚がバグる気もします。

座面は2段。高さもしっかりありますが……

背後の壁はなんとミラー仕様! 広がりがあるというか、これも視覚的にかなり面白いです。

アンビエントな音楽が静かに流れる「左室」は“左脳”を刺激するというコンセプトだそうですが、左脳かどうかは別として、さまざまな新感覚としっかり熱さを楽しむこともできたサウナ室でした。

ちなみに……3つあるうちで、ここがいちばんアツく感じるサウナ室です。

身も心も穏やかに……やさしく居心地のいい「右室」

続いては、右端の「右室」へ行ってみます。

こちらは「左室」と対照的なデザイン。暖色に塗られた壁面や天井、木製の座椅子風(?)シートは、すべて丸みを帯びたデザインです。

やはり明るさはやや控えめですが、室内中央の壁面が淡く発光しています。時間帯によって3パターンほどの色み&明るさのバリエーションがあるそうですが、室内の雰囲気は全体的に安らぎ系でしょうか。

先ほどの「左室」に比べると、やや穏やかな気持ちになる気もします。個人差はあるかもしれませんが(笑)。

サウナストーブは扉を入ってすぐの位置に、床面よりも低いポジションに設置されています。このときの室内温度は85℃前後でしたが、「左室」同様にオートロウリュがあります。穏やかめながら、温度/湿度のバランスがとれた熱で、じっくりと体の深部まであたためてくれるタイプですね。

こちらは“右脳”を刺激するというコンセプトだそうですが……かなり居心地よく、自分のコンディションによっては、ずっと座っていたくなる系のサウナ室という印象を覚えました。はい、気持ちよかったです。

サウナ室内でドリンクも飲める。エモい音楽にも心なごむ「ナ室」

中央にあるのが「ナ室」。脳への“刺激”ではなく、“なごみ”をテーマにつくられたというサ室です。

左右対称でベンチは2段。ウッディな空間は、たしかにナチュラル。セルフロウリュのできるHARVIAが中央に鎮座しつつ、ボナストーブが左右の座面下にレイアウトされているトリプル熱源!

とはいえ、温度帯は穏やかで85℃前後。まさしく和めるというか……じっくり座ってみたいサウナ室ですね。

座面前方に広く窓が設けられていて、水風呂などをボーッと眺められるのも、なごみポイント。

テーブルが設置されていますが、ここにドリンクを持ち込んでもいいそうです。(ちなみにこのテーブルは取り外しもできるそう。ベンチに座れる人数にも関わってくるので、訪問タイミングによっては何卓かはない日もあるかも!?)

そして、人によっては、この部屋の最大のなごみポイントかもしれないのが、かかっているBGM。往年のシティポップや、やや懐かしめの楽曲(ちなみに私の滞在時には、ほかに山口百恵「さよならの向う側」、はっぴいえんど「風をあつめて」、サザンオールスターズなどが)流れていました。リアルタイムで聴いていない世代でも、ほっこりエモい心持ちになってしまう気がします。

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