簡単ではなかった、”部屋サウナ”。だからこそ多くの人に楽しんでもらいたい!
――すごいです。全室にサウナがあるのは、すごくぜいたくですし設計の段階でとても大変だったのではないでしょうか。
「サウナを部屋の中心に作るのは、設計的には簡単なことではありませんでした。ですがここは譲らず、できる中での最善の設計をしました。サウナというと、ルールがたくさんありそうとか、男性が楽しむものというイメージがあると思います。そこを取っ払って、サウナ初心者の人にも自由にサウナを楽しんでもらいたいなという思いで、全室にサウナを設ける設計としました」
――確かに、サウナ好きでないとルールがわからなかったりちょっと入りづらかったりすることって、あるのかもしれないですね。サウナに興味があるけど挑戦しづらいという人が訪れるのにもいい宿なんですね。
「しずくの客室サウナは、温度調整なども自分でしていただくことができます。サウナが熱くて苦手という人は、70℃ぐらいの設定にするのもアリです。水風呂が苦手という人は、まずは試しに足だけ浸かってみるとか。人それぞれの楽しみ方で、サウナを味わっていただけたらと思います」
――気持ちいいサウナの入り方を自分で見つけるのは楽しそうです!
「はい。サウナ初心者や苦手意識がある方にも『サウナの魅力』に少しでも触れてもらうために、『#あなたのサウナtips』というタグで、サウナの入り方や安心してサウナを楽しむための情報を発信しています。また、客室に設置のタブレットでも、サウナの入り方や設備の使い方をご案内しています。本当にどんな入り方でも、思いのままに楽しんでいただけたらと」
―― 好きな音楽を部屋に流しながら入ることだってできますよね。
「客室にはオーディオグッズの設置もしているため、好きな音楽を流しながらのサウナもいいですよね。またしずくでは、客室にテレビの設置がありません。それも、サウナを思う存分楽しんでもらいたいという、1つの狙いです。客室に設置のタブレットでは、照明をいろいろと変えることもできます。気分に合わせてムードを変えながらサウナに入って、ぜひ楽しんでみてもらいたいです。どんな入り方をしていただいても大丈夫。こういう文化が広がれば、サウナ好きもどんどん増えていくのかなと思います」
料理やおもてなしも、オーナー・山口さんの自信作
―― サウナについ目がいっちゃいますが、料理やおもてなしにも自信があるとか。
「サウナ付きの宿というと、男性主導で選ばれることが多いような気がします。しずくは、料理やおもてなしにもこだわっています。女性もワクワクできるポイントが散りばめられているからこそ、女性主導で選ばれる宿になればいいなと思っています。サウナが一番のウリではあるのですが、リニューアルの際に、旅館としての魅力や強みも強化しました」
――料理はいわゆる「サ飯」なのですか? 辛いものがあったり?
「サウナ後の食事とは、味覚が研ぎ澄まされた状態で味わうもの。どんな料理が最適かと考え、しずくではフレンチを採用。『五感で感じる山梨と北欧料理』をテーマに、山梨の食材を使った創作フレンチコースを提供しています。山梨は、フルーツ王国でもあります。専属のパティシエもいるので、山梨のフルーツを使ったパフェや焼き菓子などのデザートも楽しんでいただけると思います」
――食事もおいしいなんて、最高ですね。サウナに食事。観光しなくても、旅館内で満足できそうです。
「山中湖はあまり観光地がなく、特に冬場は極寒で、まわりでできるアクティビティが少ないんですよね。だからこそ冬場は、おこもりサウナでぜひ温まりにきてください。最大の魅力である大自然の魅力を味わいながら、ぜひここでゆっくりしてくださいね」