東京・品川区の大井町駅から徒歩1分の駅チカに2024年8月3日、リニューアルオープンした「泊まれるサウナ屋さん 品川サウナ」。初回はリニューアルオープン後の最速リポート、2回目は施設こだわりのポイントに絞って紹介してきたが、3回目となる今回は、満を持して館内を余すところなく徹底リポートしていきます。
「品川サウナ」が心地よい理由
「品川サウナ」は、2024年6月24日にグランドオープンしたが、まもなく改修工事で一時休業。同年8月3日にリニューアルオープンし、その後は現在に至るまで盛況が続いている。リニューアルオープン当日は、店舗前に40人以上が列を作った。それほどサウナファンには待望の再開だったことがうかがえます。
ちなみに、館内は80人ほどで満員に。満員になった場合は、名前と人数、携帯電話の連絡先を確認して呼び出すシステム。さらに大まかな待ち時間も伝えてくれる。細やかな気遣いがうれしい。
シューズロッカー=脱衣所のロッカー!?
40人ほどの列も開店から10分ほどで無事に入館。さっそく靴を脱いでシューズロッカーを選んでいきます。こちらの番号は、脱衣所のロッカーと連動していて、靴を入れる段階でロッカーの上段、中段、下段を選べるようになっています。使い勝手からか、やはり中段より上から先に埋まっていく。シューズロッカーのキーをゲートにかざすことで入館でき、そのキーだけでドリンク購入や精算まで行えるのは便利。
良心的な値段がうれしい! サウナの後は生ビール!?
貸しタオル(180円)を借りるかの選択をフロントに伝え、ロッカーキーで入店。必要な場合は階段脇に置いてあるタオルを取って階段を上がっていきます。ここまで数十秒。無駄な手間も時間もなく、すぐにサウナ室へ向かうことができます。
脱衣所前には暖簾があり、その前のスペースがちょっとした休憩エリア。ドリンクの自販機とセルフ式の生ビールサーバーがあり、生ビールは370円。帰りに一杯……と、つい思ってしまう絶妙な値段設定! ドリンク類も500mlのイオンウォーターが130円と、ほぼ市価で販売されています。
脱衣所はコンパクトでムダのない配置。カプセルホテル利用者のためのコインランドリーと乾燥機も2機ずつ設置されています。宿泊者は脱衣所から直接部屋へ行けるよう別階段があるなど、人の流れを配慮した設計になっていました。
浴室扉の向こうに広がる非日常空間
2階浴室の扉を開けると、正面に圧倒的な存在感の大きな水風呂が! そびえ立つという表現が適切かどうか分からないが、成人男性の身長をゆうに超える高さの壁に、品川サウナのロゴが浮かび上がっています。ここからは異空間、そして非日常なフロアへ突入だ。なお、浴室フロアは完全黙浴がルールとされています。
洗い場フロアのカランは8つ。開館時に定員の約半分となる40人ほどが入店したときは、さすがに待ちが発生したが、それも数分で解消。開業当初は水はけに問題があり、すのこを敷いて水はけ対策をしたという洗い場フロアだが、リニューアル後はまったく気にならなくなっていました。
大人数でも酸素濃度が落ちないアツアツの「空-KUU-」
体を洗い、まずは25人が一度に入れる3段フロアの大型サウナ室、「空-KUU-」へ。
ストーブはSAWO製のツインストーブ。そこにSAWOやHARVIAのサウナストーンに加え、NARVIやMADSTONE、さらに多孔質の富士山溶岩石などを配置しています。
ツインストーブの真ん中に大口径の吸気口を設置することで、大人数で入っても酸素濃度が落ちないよう設計されています。
また、ロウリュで出た蒸気は、傾斜がある天井を上がって3段目の頭上で折り返し、背中に降ってくる作りになっている。温度設定は90℃ほど。ロウリュすると体感では数字以上にアツく感じました。
アウフグースのスケジュールは、入館口横とサウナ室の扉そばの看板に記入されています。終了後には屋上の外気浴スペースであおいでもらえるサービスも!
小型サウナ室「禅 -ZEN-」はまるで洞窟!?
「禅 -ZEN-」は、半個室にシャワーホースを備えた小型のサウナ。扉を開けると正面に重厚感のあるHARVIA製サウナヒーターが鎮座し、お茶のセルフロウリュができます。入って左手には畳スペースが2段、右手には畳敷きで仕切られたスペースが3つ並んでいます。
仕切られたスペースのうち、2つは畳に水ホースがついています。ひと汗かいたら頭から水を浴びる気持ち良さ。奥には、ダックチェアが置いてある、“洞窟”のようなスペースも。同じサウナ室でも、温度や雰囲気の違いが楽しめます。
個性際立つ3つの水風呂
2階の水風呂は、10℃以下設定の“シングル”、20℃前後設定の“リトルマーメイド”、そして30℃前後の“不感リクライニング”の3つ。
シングルは設定によって7℃近くまで下がるので、キンキンに体にしみます!
リトルマーメイドは、65cm、100cm、最深部は140cmの3段になっていて、頭まで潜ることもOK。階段で昇り降りするのだが、階段が2カ所に設置されているので、階段を昇る人と降りる人が交差することがない動線となっていました。
そして不感リクライニングは、横長で8人ほどが一度に浸かることができます。浴槽で横になると、上体が起きるよう頭から肩、背中にかかる部分に傾斜がついていて、水面から顔だけ出して浮遊するような感覚も楽しめます。
また、壁には一面に富士山が映写される銭湯的な演出も。しかし、ときおり映像の水面が波打ったり、ときには鳥が飛ぶシーンもあったりと視覚的にも楽しませてくれます。
“宇宙空間”での内気浴はいかが?
同フロアの内気浴「Night on the planet」は、ひんやりした暗いスペースにデッキチェアが9台並ぶ。
天井と壁面にはプラネタリウムのように星空が映写され、“宇宙空間”を演出。まさに宇宙のような静かすぎるスペースで休憩できます。
休憩待ちなし! 屋上外気浴はムード満点でまさにHeaven‼︎
2階から階段を上がると、そこは屋上外気浴スペース。天井部には目隠しのグリーンを配して南国ムード満点。出入口には「Shinagawa Heaven」のネオンが輝いている。まさに天国!
屋上は、周囲の迷惑にならない程度の会話はOKとのこと。 入館待ちが発生するくらい混雑している状態でも、休憩待ちの人は見当たらない。
屋上の中央には、長方形の露天風呂が配置されています。普通に浸れる部分と階下の「不感リクライニング」同様、傾斜が付いた寝湯となっています。この日は設定温度35℃前後で、ほてった体をクールダウンするには十分な、やさしい湯となっていたが、冬場は40℃前後に設定して、しっかり温まることも可能という。
木漏れ日のもとで快適なひとときを
露天風呂をぐるりと囲む通路を隔てて、周囲にはサンラウンジャー、畳フロア、壷湯、インフニティーチェア、ダックチェアなどがズラリと並ぶ。
床と天井部には、リニューアル時に扇風機を増設。どこにいても風が当たり、快適そのもの。木漏れ日とも相まって、別世界。4つある壷湯の設定温度は30℃前後。信楽焼の美泡湯で軽くマッサージされている感覚に。
動線がはっきり。ノーストレスでサ活を
帰りの清算も2台ある精算機にシューズロッカーキーをかざして操作。現金、クレジットカード、電子マネー決済が利用できます。最後の最後まで動線に無駄がなく、心身ともに充実したサ活を満喫できます。
カプセル宿泊客は途中外出OK! 周辺の飲食店を楽しむことも
1階にあるカプセルホテルは定員57人。チェックインは後3:00、チェックアクトは翌前10:00。宿泊者用にサウナへの専用階段があり、動線もしっかりと確保されています。カプセル部屋の前にはロッカールームがあり、荷物を置くには十分なスペース。カプセルは上下2段でコンパクトな設計。途中外出が可能なので、周辺の飲食店を利用することもできます。
「屋上外気浴」出入り口の、ゆるやかな傾斜で濡れた床面に足をすべらせたのだが、それをたまたま近くで見ていたスタッフが、謝罪とともに「滑らないように対策を考えます」と声をかけてくれた。ホスピタリティーあふれる対応にこちらが恐縮してしまうほど。リピートしたいと強く感じるサウナ。話題性があるだけでない、愛されるには理由がありました。
泊まれるサウナ屋さん 品川サウナ
※男性専用施設
■住所:東京都品川区大井1-6-1
■営業時間:サウナ営業時間=前5:30〜翌前2:30(サウナ利用の最終受付は翌前1:00)、カプセルホテル=チェックイン後3:00、チェックアウト翌前10:00
■料金(税込):サウナ利用[平日]60分=980円、90分=1,280円、120分=1,580円、150分=1,880円、180分=2,180円[土日祝]60分=1,280円、90分=1,580円、120分=1,880円、150分=2,180円、180分=2,480円
※180分以降、30分延長ごとに+300円※タオルセット(バスタオル&フェイスタオル)のレンタル180円
※そのほか詳細、カプセルホテルの予約は公式HP(https://www.shinagawa-sauna.com/)をご確認ください
撮影/岡本武志
取材・文/佐藤アケミ