「ノスタルジックサウナ写真集」マグ万平さんインタビュー――「昭和の時代から、ただそこにあり続けてくれて、人々をあたため続けてくれた場所……この日本の素晴らしいサウナカルチャーをあらためて伝え、見つめたい」

この「SAUNA BROS.WEB」の昨日のエントリーや、Twitter、インスタグラムなどでお伝えしているように、SAUNA BROS.ではマグ万平さん、柳橋弘紀さん(「のちほど」チーム)とともに日本各地のとてもノスタルジーを感じるサウナを取材・撮影して1冊の愛蔵版写真集にまとめる「ノスタルジックサウナ写真集」の制作を始めています。

クラウドファンディングも現在スタートしており、ご賛同いただける方からの支援も受け付けているのですが、それにあたってマグ万平さんに今回のこのプロジェクトへのメッセージもうかがってきました。

そのクラウドファンディングのページにも掲載したのですが、文字数の関係で短縮版を載せています。せっかくなので、今回ここであらためて万平さんのメッセージを全文掲載させていただこうと思います!

●マグ万平さんメッセージ

「サウナブーム」といわれるようになり、さまざまなクリエイティブに富んだサウナ施設や最新鋭の機器や設備を導入したサウナ施設がどんどん増えています。サウナ好きにとってはいろいろなサウナ体験が楽しめるようになり、すごくいい時代になりましたよね。

そうした“ととのい”とともに、ワクワクするエンタメのような味わい方もできる施設とはまた別に、僕には大好きなタイプのサウナ施設があります。

それは、心の平安を得られるというか、すごく安らげちゃう…なんかほっとするようなサウナ屋さんです。まるで実家に帰ったかのような落ち着いた気持ちになってしまう場所。

もちろん比べるようなものではないんですが、最新の設備があるわけでもなく、とくに宣伝に力を入れているわけでもない。むしろちょっと古ぼけていたり、たまに発信するSNSなんかでも、おじさんの文章で「今日の煮付けができました」「入口の電球を替えました」なんて、あんまり映えない茶色いメニューの写真を載っけちゃったりして。で、実際に行ってみると…本当に優しい笑顔で迎えてくれるスタッフの方がいる。なぜかそういうのを見聞きすると、どうにもこうにも、惹きつけられちゃうんです。

そういう施設さんって、決して“前に出る”ような、過度な広告宣伝や設備投資はしていないんだけど、僕らなんかがサウナを知るずっと以前、それこそ昭和の時代から、何十年もただそこにあって黙々といろんな人たちを温め続けてきてくれてるんだよなぁ~って思うと、本当に何ともいえない気持ちになるんですよ。心の底からあったかい気持ちになるというか。で、ちょっとだけ切ないものも感じちゃったり。

この、言葉ではうまくいえない感覚、まさにノスタルジックな感覚や瞬間を切り取って、残したいな、という会話を、あるときからプロデューサーの柳橋さんたちと交わすようになりました。

今のサウナブームや最新の施設も、元をたどると、そういった何十年も静かに人々を温めてきたサウナ屋さんに足を運んだ人たちが、そこで感じた何かしらのエッセンスを引き継ぐ形で出来上がってきたものだと思うんですよね。みんなゼロアイデアからサウナ施設を造り上げてきたわけじゃない。名店といわれるところでサウナの素晴らしさを知り、その名店と呼ばれる施設の方々もまた、どこかの施設を通ってサウナの良さに目覚められたんじゃないかと思うんです。

そうした“原点”というか、日本の蒸気浴文化の軌跡ともいえるサウナ施設さんの姿をまとめ、ぜひその魅力をいろんな方に知ってもらいたい。さらには、ぜひよければ実際に足を運んでもらえたらなって。

僕がマイクを持って映像で伝える、というのも考えたんですけど、なんだか言葉にすればするほど、思いがあふれてしまって空回りしてしまったり、逆にチープに感じてしまうという気もして。やっぱりこれは、ぜひ写真で伝える形で……と、今回の写真集プロジェクトを思いつきました。

ただ僕たちは出版物については全くの素人で、何から始めたらいいかすらわからないというレベル。誰かと一緒にと考えて、何度か取材などでお世話になっている「SAUNA BROS.」さんにご相談してみることにしました。今回テーマにしている、言葉ではうまく表せない居心地の良さや哀愁みたいなニュアンスを、「SAUNA BROS.」のスタッフさんやカメラマンさんなら共有できるだろうなと思ったからです。

どこの施設さんに取材させていただくかや、どんな写真を撮るかなどの打ち合わせは、ずっと続けていたいくらい楽しい時間でした。そして実際に何施設か撮影を行い、上がってきた写真は……もうたまらないものでした。いいカットが多過ぎて、どれも使いたい写真ばかり! まだ気の早い話ですがどこかのサウナ施設で、館内着を着て、リクライニングチェアでこれを読んだりしたら、もう絶対に最高だと思います。

まだ取材は続いています。そしてこれは僕個人の思いですが、これが完結編ではなくて、まだまだ日本には僕らが知らないような素晴らしいサウナ施設さん、人々をひっそりとだけど静かに温め続けてきたサウナ施設さんがあると思っています。そうした施設さんも含め、日本の素晴らしいサウナカルチャーをあらためて見つけていけたらと思っています。

よろしければ、ぜひ皆さんもご一緒に、ノスタルジックなサウナの素晴らしさを見つめてみませんか?

>>「ノスタルジックサウナ写真集」のクラウドファンディングはこちらから

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