京都銭湯特集/サウナの梅湯①エモさの裏に隠れた「手間」を感じて

明けましておめでとうございます! 新年1本目にお送りするのは……12月13日に発売されたSAUNA BROS.vol.7の「京都銭湯サウナ特集」で紹介している「サウナの梅湯」です。本誌では紹介しきれなかった魅力や裏話をSAUNA BROS.WEBで2回に分けて紹介します。

京都、高瀬川のほとりに建つ「サウナの梅湯」さん。銭湯というよりお湯屋さんといった雰囲気あるその外観。

エモい、エモすぎる……。

なんなんでしょうね? 初めてなのに懐かしいみたいな感覚。日本人のDNAが覚えているのか自然と笑顔がこぼれ、油断するとちょっと涙腺までゆるんでくる気がします。行ったことのある方は分かっていただけると思うのですが、何度行っても「サウナの梅湯」の前で写真を撮らずに入るのは難しい……。それぐらいインパクトと魅力のある外観です。

建物が建てられたのは明治の頃という。以来、ずっと町の銭湯として明かりを灯してしてきましたが、2015年に経営不振により閉業寸前だったところを、当時スタッフとして働いていた湊三次郎氏が経営を引き継ぎ、現在は湊氏が代表を務める株式会社ゆとなみ社が運営しています。当時まだ20代半ばの青年だった湊さんの大きな決断に感謝しかありません。

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薪沸かしのお湯が気持ちいい

そんな表玄関に目をやると木板に掲げられた「天然地下水薪沸かし」の文字が。実は「サウナの梅湯」さんは、店名からついサウナが注目されがちですが、実は水とお湯へのこだわりがハンパじゃなかったんです。

そもそも京都銭湯の水は、多くが地下の天然水を使っています。

その質感は抜群に柔らかく、それだけでも水道水に慣れた身の上には羨ましい話なんですが、「サウナの梅湯」のすべてのお湯は、地下軟水を薪を燃やして沸かすという手間をかけているんです!

名物のボールシャワー

「490円の銭湯でホントにそんな手間を掛けているの……?」と半信半疑ながら男性水風呂横にある小さな橋を渡り、裏にあるボイラー室を見せていただきました。

本当(マジ)でした。

部屋の奥に薪が整然と積まれた圧巻の光景。軽トラックで運び込まれたばかりの時は、天井高くまで積み重なるのだとか。使用する木材は、建築の解体などで生じた廃材を使っているようで、よく見ると釘なども刺さったまま。ボイラー室はかなり暖かく(取材時11月中旬)、夏場の作業は地獄の暑さになるようです。

釜は30年程使っている年代もの。間口は小さく見えますが、かなり太い木材でもそのまま燃やすことができる奥行きです。強力な火力を保つことができ、釘なども付いたまま入れ、最後にまとめて回収するのだそう。

まとめて取り出された釘のかたまり

薪沸かしのお湯作りのためにスタッフが力仕事に汗を流す光景。この日は若い女性の方でしたが、完全に職人さんの表情でした。

こういった表には見えないスタッフの手間の数々が、「サウナの梅湯」のお湯を作っているんですね! サウナ好きの方の中には、サウナと水風呂しか入らない、なんて方も見かけますが、「サウナの梅湯」ではお湯にもしっかり浸かってみては!

女性浴室。壁画には松のペンキ絵があります

すべての銭湯と施設への愛

ゆとなみ社のスタッフは、代表の湊さんを含め若いスタッフさんが多い。そして話してみると皆さん銭湯への愛があり、「サウナの梅湯」が好きなことが伝わってきます。

浴室に貼られた「梅湯新聞」

道の駅かのような物販量と手作り感あるエントランス。浴室に貼られたスタッフの新聞からも施設への愛が伝わりますよね!

入口1番手前には地元の野菜なども売っている

そういったスタッフ一人一人の手仕事が、古いという施設の魅力だけにとどまらず、そこに人が住んでいる生活感を生み、明治から今なお生きた施設としての魅力を生み続けているんでしょう!

現在発売中のSAUNA BROS. vol.7では、更に多彩な写真とともに「サウナの梅湯」の魅力を特集しています。ぜひそちらも併せてご覧ください!

サウナの梅湯
■住所:京都市京都市下京区岩滝町175
■営業日:後2:00~前2:00(土曜・日曜は前6:00~後0:00、後2:00~前2:00)
■定休日:木曜
■料金:490円(サウナ料込み)

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