秘密の扉を開けるとそこには……「サウナスナックかなこ」の世界観

真紅の扉をそっと開くと、レトロなぬくもりがそっと私を包み込む──。その先で待つのは、サウナとスナックが一体となって味わう、五感をほぐす特別なひととき……。2024年10月にオープンし、「スナック」+「サウナ」という新しさや、こだわりのサウナが口コミでも広がり、ジワジワと人気を集めている「サウナスナックかなこ」。現在発売中の「SAUNA BROS.vol.10」でも紹介している「サウナスナックかなこ」の魅力を3回にわたって紹介します。

目次

駅からふらり、赤い扉と出会う場所

青物横丁駅から歩くこと数分。細い路地に差し込む夕暮れの光に、ひときわ鮮やかな赤い扉が浮かび上がります。扉を開けると、昭和レトロなカウンターとどこかなつかしいソファー、間接照明、そして心地よい懐メロが迎えてくれます。初めての訪問でも、ここでは肩肘張らずに隣の人と自然に会話が生まれ、このあと「心身ともくつろぐ」準備が始まります。

やさしく灯る、こだわりのインテリア

扉を開けた瞬間、まるで昭和のスナックにタイムスリップしたかのようなあたたかい空気に包まれ、居心地の良さを感じます。昭和のテレビドラマに登場するようなスナックそのもの。クリスタルシャンデリアの繊細なきらめきとステンドグラス調ペンダントライトの柔らかな光が、深紅のベルベット製ソファーのボックス席を優しく照らします。カウンター奥にずらりと並ぶウイスキーやクラフトビールの瓶たちは、訪れるたびに違う“推し”を探す楽しみをくすぐります。音と光、色彩が一体となったこの空間は、開いた扉からそのまま心と体をそっと包み込む、“ぬくもり”そのものです。

昭和時代を経験している者にとっては随所に「これ、家にあったなぁ」と懐かしく思うポイントが散りばめられている、こだわりの空間デザインなのですが、昭和を知らない世代には「新しさ」として受け入れられているという。

「今は、世の中的にシンプルなものが好まれていますよね。時間の使い方も、空間の使い方も合理的で無駄がない。そんななか、ここは無駄なものがいっぱいあるんです。ライトがあるのにシャンデリアがあったり、統一感がない置き物がならんでいたり……。こういうのが、若い世代には逆に新しくて、エモく映るんです」と話してくれたのは店長の西山文崇さん。

秘密めいた導線 スナックから洞窟サウナへ──2段階のおもてなし

グラスを手にスナックエリアで心をほどいたら(もちろんサウナ前はノンアルコール!)、真鍮のドアノブを回して奥へ。そこには岩盤の洞窟、そして東京のヒノキで組まれたサウナが待ち受けています。上がりかまちのような、のぼるサウナ室では、縦長式のサウナストーブが、まるで焚火のように。気流を考えられたサウナ室でロウリュの蒸気もまんべんなく広がり深い心地よさをもたらしてくれます。

(※サウナについて詳細は次回の記事で)

スナックのざわめきが、洞窟サウナへとそっと橋をかけてくれる感覚がたまりません。

もちろんサウナの後はスナックでドリンクが楽しめます。ケータリングでサ飯を注文することも。
「サウナに入る前にケータリンを注文して、サウナから出るころに持ってきてもらう、ということもできます。ドリンクは、サウナ利用した方は最初の30分チャージ料なしになります」(西川さん)

サウナで心がほぐされ、スナックでくつろぐ……二段階のもてなしが、至福の時間をメイキングしてくれます。

なぜ「サウナ」に「スナック」という空間を?

スナックというのは独特です。スナックに来ると、年齢も国籍も関係なく、サウナ好き同士はもちろん、初めての人同士でも互いの体験を分かち合えるといいます。

「ここに来たら、気負わずに心も体も解きほぐしてほしいと思っています。そして最後には、自然と『あぁ、気持ちよかった』って笑顔で言ってもらえたらうれしいですね」

西川さんが繰り返し語るのは、サウナとスナックの持つ共通点──そこにいる誰もが上下関係がなくなり、肩書きや立場を脱ぎ捨ててくつろげる点だと言います。サウナは、裸になり同じ蒸気と熱を浴びることで、気付かないうちにまとっていた心の鎧を外し、自然に自分らしくなれる場。そしてスナックは、同じ時間を通して互いの気持ちを開く社交場。どちらも“素の自分”でくつろげるからこそ、人と人の心の垣根が取り払われる場だと感じているそうです。

さらに、西川さんは「サウナもスナックも、くつろぎ方は似ている」と話します。熱い蒸気に全身を委ねて深呼吸するサウナの時間も、ほの暗い店内でゆっくりグラスを傾けるスナックの時間も、どちらも自分自身のリズムを取り戻す大切なプロセス。忙しい日常をいったん手放し、ただ“今ここ”に身をゆだねることで、心と体の芯から力が抜けていく心地よさを味わってほしい――その願いが「かなこ」の根底にあるように感じます。

そんなシームレスな場所だからこそ、西川さんが思い描く「平等でくつろげる社交場」の真価が発揮されていました。

次回予告
次回は、ヒノキ丸太に囲まれたサウナ室の深い魅力に迫ります。オートロウリュとセルフロウリュどちらも可能な2基のストーブ、その裏側にある技術とこだわりをリポートします。

サウナスナックかなこ
■住所:東京都品川区南品川3-1-8
■営業時間:9:00~翌6:00(スナックは24:00まで)
■料金(サウナ120分):1-2名利用16,000円、3名利用20,000円、3名以上1名増えるごとに+4000円※6名以上での利用は要相談 水着、ポンチョレンタル1枚500円
※そのほか詳細は公式HP(https://kanako-japan.com/)でご確認ください

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