屋号に思いを馳せつつ……身も心もうるおわせてくれる“水”のワンダーランドへ!
~板橋区・常盤台「アクアセゾン」~
銭湯の屋号で最も多いのは「松の湯」だそうです。ほかには「梅の湯」「竹の湯」だったり(松竹梅ですね)、「大黒湯」「栄湯」「寿湯」……気づくとおめでたいものや縁起の良い文字が多いようです(地名や店主の姓などを除く)。
どの銭湯も、来るお客に提供したいものや思いを屋号に込めているのかもしれません。
さて、屋号の中で、銭湯サウナ好きとして見逃せないのが「アクア」という言葉。東京にも数軒あるのですが……ほぼ例外なく、どの銭湯さんも最高の「水風呂」を提供してくれます。今回、取材させていただいた「アクアセゾン」さんもまた然りです。
アクアセゾンさんは、昭和28(1953)年に「タカラ湯 ときわ台営業所」として、この地でのれんをあげたそうです(※余談ですが本店は足立区千住にある「タカラ湯」さんです)。本店同様、宮造りだったその「タカラ湯」を平成10(1998)年に現在のビル型銭湯にリニューアル。その際に屋号も改称したんだとか。
「今の名前にした理由は、使っている水が地下水でいい水なんで、ぜひお客さんに味わってもらいたいという思いからですね。気持ち良いことを知ってもらいたかったんですよ」と、店主の松本久爾男さん。
やはりそうなんですね! たしかに、1度入ったらちょっとクセになる心地よさ。実は驚くべきことに、その「いい地下水」を、さらに軟水化してもいるのだそう。こだわりがスゴイです! そして……ありがたいです!!
広い浴室には、その水をふんだんに味わえる浴槽がたくさんあります。サウナ室を出てすぐのところには、バイブラが心地よく効き、ほどよく冷たくチラー管理された水風呂が。
そして半露天のエリアに出ると、そこには「ミニプール」も! (※こちらは常温なので季節により変動。夏はややぬるめ、冬はかなりキンキンです)。
さらには、すぐそばに超高濃度の炭酸泉が! 水風呂好きにはたまらない、サウナ室を出たあとに“水風呂のはしご”が何種類もできる、まさに水のワンダーランドなのです。
その水風呂を最もおいしく味わうためのサウナ室も、しっかり熱くて、かつ湿度も保たれた心地よさ。とくに女湯のサウナ室では約7分に1回、床に水が撒かれる設備があり、居心地は最高。
「女性は湿度が高いサウナ室が好きですよね? それで、あの仕掛けを付けてあるんです。もともと以前は女湯のサウナ室はオートロウリュのロッキーサウナだったんですが、去年(2022年)の1月にストーブが故障してしまって。すぐに直したかったんだけど、メーカーさんに『部品が手に入らない。何カ月先になるか分からない』って言われてしまって、急遽、現在のストーブにしたんですよね」(松本さん)
何ヵ月もサウナを閉めたままにはできないというそのお言葉。サウナ好きにはグッときてしまいますが……お話を聞いていたら、さらに涙(嬉し涙&感涙)が出ちゃいそうなコメントが!
「女湯のサウナ室は、近いうちに、別の形でオートロウリュができるスタイルにしようと思ってるんです。なかなかロッキーサウナには戻せそうもないので。2023年の早いうちには実現したいと思ってるんです」(松本さん)。
ということで、水風呂好きにはぜひ味わってほしいアクアセゾンさんですが……特に女性のサウナラバーには、ぜひ注目してもらいたいです!
そして「利用者に最高の心地よさを提供したい」という店主さんや、(アクアセゾンさんは「水」ですが)自店が提供できる心地よさに磨きをかける店主さんが多いことも、あらためてお伝えしたいですね。
はい。こうした素敵な施設との出会いがあるから銭湯サウナめぐり、やめられないんですよね。
【アクアセゾン】
■住所:東京都板橋区常盤台3ー14ー6
■営業時間:[平日・土曜・祝日]後1:30~11:00 [日曜] 後0:00~後11:00 毎週金曜=休
■料金:入浴料=500円(大人)+サウナ料金=350円
※詳細は公式HPからご確認ください。
撮影=長谷繁郎
「五色湯」「富士見湯」「アクアセゾン」に関する記事は、SAUNA BROS.vol.5でも掲載しています!
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