「銭湯サウナ」の魅力を深堀りする特集シリーズ「GO! 1010-37!!」(GO! 銭湯サウナ)。今回は、東京・渋谷の「改良湯」さんを訪問した2回目をお送りします。前編となる#1では、この冬に改装された男性浴室のサウナ室と水風呂をご紹介しましたが、この後編では、もう一つの大きなアップデートポイントである“男性浴室の休憩スペース”をリポートします。

前回の#1でも触れましたが、皆さんもご存じの通り、改良湯は渋谷という東京いや日本を代表する繁華街の一角にあります(大きな道から少し路地には入りますが)。それでなくとも街の銭湯にはゆったりと外気浴のできるスペースがある施設は多くないですが、こちらも改装前は、スペースの都合上、休憩は浴室内の一角、もしくは脱衣場に置かれたイスで行っていました。それでも浴室全体が静かで穏やかな雰囲気に包まれていることもあって、アツいサウナ室からキンキンの水風呂を経て、静かに休憩はとれていたのですが……。今回、忽然と現れたのが、めちゃくちゃ立派な外気浴スペース。隣のイスとの間隔もしっかりとキープしたうえで、なんと、ととのいイスが9脚も!

「はい。今回、改装するにあたって、サウナ室とともにぜひ作りたかったのがこの外気浴スペースなんです。以前の男性浴室も休める場所がなかったわけではないんですが、時間によっては座る場所をなんとか見つけていただく状態になってしまっていました。なので、そこも改善させてもらおうと」(改良湯ご主人・大和伸晃さん)

浴室に入ってすぐに、サウナ室と水風呂エリアの間から光が差し込んでいるのに気づきましたが、まさにそこが、“楽園”ともいえそうな、この外気浴スペースへの通路でした。これまでバックヤードだったスペースを大胆に改造したそうです。

ドアを開いた瞬間、普通よりも立派な“王様イス”(←すみません、個人的に勝手にそう呼んでいるだけです)が目に飛び込んできます(この“王様イス”は、この外気浴スペースにもう1脚、それと脱衣場にも1脚あります)。

使う前後にイスの座面を水で流せるよう、カランがきちんと用意されていたり、各イスの足下にそれぞれ小さなすのこの足置きがあるのもうれしいですね。冬でも足が冷たくなりません。

雰囲気も落ち着きます。壁や床は浴室内から変わらずシックな色調で統一されている一方で、外気とともに、静かに自然の光が明るく降り注いできます。目隠しも兼ねた塀の、板と板の間から差し込んでくる光がとてもピースフル。

「浴室内からの心地よさをそのまま感じていただきつつ、思う存分休憩してもらいたいな、と。なので壁面や床は同じトーンにしていますが、暗くなりすぎないように、目線が来る部分に白木をレイアウトしました。すき間も、本当に程よい明るさで光が入ってくるように調整しています」(大和さん<以下同>)

取材が日中だったため写真はないのですが、実は夜がまた、スゴい雰囲気なんです。

「そうですね。夜の雰囲気も大事にしたくて、ライティングをかなり悩んだんですが、スポットでお客様の体が下から照らされるようにしました。皆さん、自分の体から湯気が上がっているのが見えると思います。まるでオーラのように(笑)。ぜひ、ゆったりとした気持ちでそんな光景も楽しんでいただけたら」

男性浴室のサウナ利用客は30人ほどが上限になるよう、入場する際にフロントで調整している改良湯。今回の改装を経て、サウナ室が14~15人ほど入れる大きさになり、水風呂もこの外気浴スペースもそれなりの人数が滞在できるように。その結果…浴室内での列並びや場所探しをすることは圧倒的に減りました!

「混んでいる時間帯はご入場のときにどうしてもお待ちいただくことになってしまいますが、浴室内ではそこまでストレスを感じずに入っていただけるようになりました。やっぱり、ビート板を手にハダカで並んでいただくのは本当に申し訳なかったので、思い切って改装してよかったなと思っています」

そんなコメントのとおり、今回のリニューアルは男性浴室の混雑解消が最大の目的だったため、女性浴室のリニューアルは行われていません。ですが女性のサウナ好きの皆さんにも、この男性浴室を楽しんでいただく機会があります。

「今回、女性浴室は改装していませんが、女性のサウナ好きの方にもこの男性浴室を体感していただけるよう、レディースデイは実施していきたいなと思ってるんです。実際に何回か実施したところ、喜んでいただけているので今後も続けていけたら、と」

女性の愛好家の皆さん、店頭での告知のほか、TwitterなどSNS等にぜひ注目です! ただ、改装じたいはしていませんが、女性サウナ室や水風呂の心地よさもかなりのクオリティーなので、念のため、あらためて(簡単にではありますが……)ご紹介しておきますね!

明るさの抑えられた、とても落ち着く2段式の女性用サウナ室
すぐ隣の水風呂ももちろんキンキン♪

女性サウナ室のほうも、心地よい熱さとともに湿度がとても感じられるセッティング。写真の下の方に見えているのですが、お皿に水を入れて置いてあったりなど、さまざまな工夫と調整がされています。

「機械に気をつけながら、いろんな方法で湿度をキープするようにしていますね」(大和さん)

特筆すべきは、“いい香り”とともに“座りやすさ”ではないでしょうか。座面の奥行きがとにかく幅広いので、隣に座った人の迷惑になることなく、足を伸ばしたり、“体育座り”ができたり。こんな居心地よく過ごせるサウナ室は……本当に貴重だと思います!

さて、今回の男性サウナ室の改装とともにリニューアルされたものに「のれん」があります。こちら、描かれているのはクジラですよね?

「そうですね。外壁に描いていることもあって、おかげさまで改良湯といえば“クジラの銭湯”みたいなイメージも浸透してきました。サウナで心地よくととのっている状態って、とてもフワフワして気持ちいいですよね。あの感じを…クジラが雄大に宇宙の中を漂っている、こののれんで表現したいなと。ととのいながら天を泳ぐ、このクジラのような心地よさを、ぜひ改良湯で体感していただけたらと思っています!」

【改良湯】
住所:東京都渋谷区東2-19-9
営業時間:月~金=後1:00~深0:00、日・祝=後0:00~11:00(最終入場=閉店の30分前)
定休日:土
料金:入浴料480円+サウナ料金450円(大小タオルセット付き)

撮影/佐藤佑一